胃潰瘍の治癒経過

胃潰瘍の治癒経過

正常内視鏡象

食道 胃上部  胃下部         十二指腸  

胃潰瘍内視鏡象

胃潰瘍の症状

げんいん【胃が痛い】
胃潰瘍の自覚症状の約9割が胃の痛みと言われており、食後に上腹部が痛み出します。(空腹時に胃が痛い場合は十二指腸潰瘍の疑いがあります。)
また、ストレスを感じた時に胃が痛くなることもあります。
胃の痛みが強いほど、胃潰瘍の症状が悪いわけではなく、個人差があり、全く痛くないまま症状が悪化して胃に穴が開いてから激痛を起こす場合もあります。

げんいん【吐き気・食欲不振】
胃潰瘍になると、胃液過多になり、胃液が食道に逆流して胸やけを起こし、吐き気や嘔吐、食欲不振になることがあります。

ふくつう【吐血】
胃酸によってどす黒くなった血を吐きます。
胃潰瘍で吐血した場合、出血性胃潰瘍になっている可能性があります。
吐血は胃潰瘍のできた胃粘膜の中の血管が胃酸によって破れてしまうのが原因です。
出血すると、胃に激痛が走り、冷や汗、血圧低下なども伴います。

けつべん【血便】
「タール便」というどす黒い便が出ます。
胃潰瘍で血便になった場合、出血性胃潰瘍になっている可能性があります。
血便は、胃潰瘍のできた胃粘膜の血管が胃酸により破れてしまうのが原因です。
血便は気づかないことが多く、貧血になってやっと出血性胃潰瘍になっていると気づくことも少なくありません。
また、血便は、胃癌や大腸ガンの恐れもあります。大量に下血する場合は、すぐに病院で検査をする必要があります。

ようつう【背中の痛み】
胃潰瘍は胃粘膜が炎症を起こすものですが、膵臓(すいぞう)にまで炎症が及ぶと背中が痛くなり腰痛になることがあります。

ピロリ菌除去にランサップを一週間飲みました。でも検査するとまだピロリ菌がいた…

ピロリ菌除去にランサップを一週間飲みました。でも検査するとまだピロリ菌がいたので、また飲みました。1年半くらいで合計3回ランサップを飲みましたがまだピロリ菌はいます。他に薬はありませんか?

ランサップは正しい服用法で飲みましたが、ピロリ菌はまだいるそうです。最近聞いた話で、ランサップの後に認可されたピロリ除去の薬があるそうですが、どなたか名前を知りませんか?近くの病院で聞いてもランサップが一番新しいと言われました。
ランサップで除去しきれなかった方、その他にお薬は飲まれましたか?
どなたかお話を聞かせてください。どうかお願いいたします。
 

内科医です。
まず、除菌治療中にタバコは吸いませんでしたか?
除菌治療中の喫煙は除菌失敗の原因になりえます。
タバコは吸わなかったのに除菌失敗だったということになると、抗生物質耐性のピロリ菌である可能性が考えられます。
ランサップは
・アモキシシリン
・クラリスロマイシン
・ランソプラゾール
の3種類のお薬がセットになっているものですが、特に日本ではクラリスロマイシン耐性のピロリ菌が多いことが知られています。
抗生物質の濫用と関連があると考えられています。

クラリスロマイシンの代わりにメトロニダゾールというお薬を使う方法で、ランサップで除菌失敗した人でもかなりの割合(絶対ではない)で除菌できます。
ランサップのようにセットにはなっていませんが
・アモキシシリン(商品名だと「サワシリン」など)
・メトロニダゾール(商品名だと「フラジール」など)
・ランソプラゾール(商品名「タケプロン」など)などのプロトンポンプ阻害薬
の3種類のお薬を7日間、朝夕2回内服します。

ぜひ、お試し下さい。
しかし、「近くの病院」のお医者さん、勉強不足だなあ・・・

ランサップ

 


 

  消化性潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ菌(Hp菌)の除菌用組合せ製剤

主成分名:

ランソプラゾール・クラリスロマイシン・アモキシシリン

製薬会社:

武田

薬価:

746.10円 (1シート)

 

 主な作用

再発を繰り返すような胃、十二指腸潰瘍では、ヘリコバクター・ピロリ菌のかかわりが指摘されており、その除菌により再発が有効に阻止されることがわかりました。この薬はヘリコバクター・ピロリ菌を除菌するための3つの薬を組み合わせたものです。2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)の併用により、抗菌作用は増強され、さらにそれに強い抗潰瘍剤のランソプラゾールを併用します。ランソプラゾールは、それ自体胃酸の分泌を強力に抑制する制酸作用で、潰瘍の治療薬として働きますが、その制酸作用により胃液の酸性が抑えられて、pHが上昇すると、抗生物質の抗菌効果がさらに増強される効果も生みます。

 副作用

軟便、下痢、腹部膨満、味覚異常、悪心、食欲不振などです。それぞれの薬に対する過敏症もありますし、ほかの薬との関係もありますので、ほかに飲んでいる薬があったり、何か異常があったら医師に相談してください。肝臓、腎臓病の人、高齢者ではとくに注意してください。

 服用上の注意

3剤を同時に、1日2回、7日間服用します。医師の指導をよく守りましょう。

ピロリ菌ってなんですか?

ピロリ菌ってなんですか?

ピロリ菌のせいで胃が痛くなるのですか?
潰瘍とピロリ菌は関係があるのですか?
また、対処法はありますか?

1.ピロリ菌とは

胃の粘膜に生息している細菌です。

2.ピロリ菌の感染経路

衛生環境が感染に影響している。例えば、上下水道の普及が十分でない場合、口から進入する。
若者に感染者が少なく、40歳以上では約80パーセントの人が感染していると言われている。
これは、衛生設備(浄水設備や水洗トイレ等)の普及に恵まれた環境に育った世代かどうかが関係しているので
若者はあまり神経質にならなくてもよいと言われている。

3.ピロリ菌による病気

ピロリ菌に感染すると胃に炎症を起こし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発生することがある。
但し、ピロリ菌保菌者(日本人では約6千万人)がすべてこれらの病気にかかるわけではなく、酒、タバコ、ストレスが
原因で潰瘍になることがある。

4.ピロリ菌の有無の検査方法

①検査用の薬を飲み、ポリ袋に息を吹き込み、その息を検査する。 ②内視鏡を使う方法等など

5.ピロリ菌の除菌方法

2種類の抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬の合計3剤を同時に1日2回、7日間服用し、4週間後に
除菌できたかをもう一度検査する。(除菌率90パーセントと言われている)

ピロリ菌とはどんなもの

ピロリ菌とはどんなもの
 

 
  

2~3×0.45μmの細菌で、図のように数本のしっぽがあります。このしっぽをヘリコプターのように回転させて移動することから、ヘリコバクター・ピロリ(正式名 Helicobacter pylori)と名付けられました。この菌の発見には長い道のりがありました。1982年オーストラリアのパースでMarshallたちに確認されたそのきっかけが、たまたまイースターの休日があったためであることを考えると、何か神の思し召しがあったのでしょうか。世紀の大発見には、医学の分野に限らず偶然の出来事があるようです。
 胃のような強酸性の環境下では、ほとんどの生物は生存できません。にもかかわらず、この菌はどのようにして胃の中に入り、生きていくのでしょうか。しかも胃の中にしかいません。そして、どのようにして多くの病気に関係しているのでしょうか。まだまだ未解決の部分もありますが、現在分かっていること、考えられていることについて述べてみます。
(写真は、日本消化器病学会が編集した”Helicobacter pyloriの最新知見”から引用しています) 


 1.どのようにして胃の中に入るのか

 日本では年齢とともにこの細菌を持っている人が増えていき、40歳以上では約75%の頻度となります。人から人への経口感染(口から口)がほとんどで、家族内での母親から子供への感染(たとえば、一度口に入れた食べ物を子供に与えるなど)が主体と言われています。このようにほとんどが子供の時に感染しますが、あまり心配しないでいいと思います。たとえ感染しても大半は病気にはならず、また生活環境の進歩、生活習慣の変化とともにこの菌を持っている人は減少しているのです。しかし、ゴキブリがピロリ菌を運んでいる可能性が指摘されていますので、小さな子供のいる家庭では、台所を清潔に保ち、ゴキブリの駆除を心がけることが大切です。
 一方、内視鏡検査を介した感染が問題となっていましたが、消毒方法の改善により感染は少なくなってきています。性的接触による感染は否定的ですが、ペットからの感染についてはまだまだ検討が必要なようです。

 2.なぜ胃の中で生きていけるのか

 胃の中はpH1~2と非常に酸性が強く、生物が生きていけるような環境ではありません。しかし、この細菌はウレアーゼという酵素を多量に持っており、これを使って胃の中にある尿素をアンモニアに変化させます。このアンモニアが胃酸を中和し菌の周囲のpHを変化させて、生存できる環境を作り上げているのです。いわゆるバリヤーを張っていると考えてください。このように非常に進化した細菌なのです。ただし、胃がんの所や十二指腸のような尿素のない所では生きていけません。 

 3.どのようにして病気の発生や進行に関与するのか

 ちょっと専門的になりますが、上で述べたウレアーゼは胃の組織に障害を与えます。それ以外にもこの菌は熱ショックタンパク(heat shock protein、HSP)、空砲化毒素、ムチナーゼ、プロテアーゼなどを持っており、それぞれが複雑にからみ合って病気の発生や進行に関係すると言われています。特に、空砲化毒素は潰瘍の発生に大きく関与しているとされています。しかしながらまだまだ今は検討段階で、完全な解明が待たれます。世界中の研究者が全力で取り組んでおり、その時期はそう遠くないと思います。 


   

胃にやさしい食事法は?

 

胃にやさしい食事法は?

 

  暴飲暴食、刺激物を避け、規則正しい食生活を
 
 胃にトラブルがあるときは刺激物や、胃の中に長時間残っているような消化の悪いものは避けます。食欲がないときは無理に食べる必要はありません。急性胃炎の場合、胃を休ませて胃粘膜の再生を促すことが先決ですから、発症した日は絶食しましょう。ただし、水分補給は忘れずに行ってください。2日目になるとある程度、胃粘膜は再生されるので、スープやおかゆなどを摂り、少しずつ食生活を戻していきます。症状が治っても1週間は消化のよいものを食べることが大切です。

 慢性胃炎の場合は、1回の食事量を減らし、豆腐や白身魚など、消化がよく栄養価の高いものを中心に摂るようにします。
 予防のためには普段から暴飲暴食を避け、規則正しい食習慣をつけることが大切です。ストレスに対抗する栄養素を積極的に摂ることも有効です(イラスト参照)。ただし、胃にトラブルがあるときは消化のよいものを選んでください。

〈トラブルがあるときの食事法〉


 


〈好ましい食材〉

〈控えたい食材〉




 

胃をいたわる生活法は?

 

胃をいたわる生活法は?

 

十分な睡眠と適度な運動、ストレス解消など

 ストレスや不規則な生活など現代人の生活は胃に負担をかけることばかり。胃をいたわるために次のことを心がけましょう。

早寝、早起きをし、規則正しい生活を送る。
十分に睡眠をとる。
適度な運動を習慣にする。
ストレスをためない。
たばこを吸う人は禁煙を。
正しい排便習慣を身につけ、便秘を解消して快便に。

 

〈胃をいたわる生活法〉


 

 


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