そけいヘルニア(鼠径ヘルニア)(脱腸)

ヘルニアとは「飛び出す」という意味

ヘルニアの語源は、ラテン語で「飛び出す」という意味です。

そけいヘルニアは太もものつけねから身体の中の小腸などの組織が出てくる病気です。

お腹から腸が飛出す、そけいヘルニア(脱腸)のイメージ

そけいヘルニアになる理由(ワケ)は?

 

太もものつけね(足のつけね)の部分を「そけい部」といいます。

そけい部は腹圧や足の運動に耐えるために筋肉や筋膜が重なった複雑な構造になっています。

ここにそけい管という直径が1cmぐらいのトンネルがあります。

このトンネルが男性では精子を運ぶ精管や精巣に行く血管、

女性では子宮を固定するじん帯の通り道となっています。

このトンネルの入り口やその周囲の筋肉や筋膜が弱くなり、

お腹の中の組織が外に出てくることでそけいヘルニアが発病するわけです。

男性の場合、このトンネルが太いためそけいヘルニアになりやすいといわれています。

 

“飛び出る”場所で3つのタイプ

そけいヘルニアはお腹の中の組織が出てくる場所(穴)の違いで、3つのタイプに分かれます。
そけいヘルニアの位置とカントンの状態

1) そけい管のトンネルの隙間から出てくるタイプがそけいヘルニアで

一番多い「外そけいヘルニア」です。

年をとってきて筋膜が衰えてくると鼠径管の入り口が緩んできます。

お腹に力を入れた時などに筋膜が緩んで出来た入り口の隙間から腹膜が出てくるようになり、

次第に袋状<ヘルニア嚢(のう)といいます>に伸びてそけい管内を通り脱出します。

いったんできた袋はなくならず、お腹に力を入れるとヘルニアのうの中に腸など、

お腹の中の組織が出てくるようになります。

これを外そけいヘルニアといいます。

2) そけい管を通らず筋肉層の切れ目から出てくるタイプが

内そけいヘルニア」で高齢者に多くみられます。

腹壁には弱い場所があり、年をとってきて筋肉が衰えてくるとここを直接、

押し上げるようにして腹膜がそこから袋状に伸びて途中からそけい管内に脱出します。

これを内そけいヘルニアといいます。

外観は外そけいヘルニアと変わりません。


3) そけい管より少し足よりにある大たい管と呼ばれるトンネルから出てくるタイプが

大たいヘルニア」で、中年以降の女性に多くみられます。

そけい部の下、大腿部(だいたい部)の筋肉、筋膜が弱くなって膨らみが発生するヘルニアを

大腿ヘルニア(だいたいヘルニア)といいます。

 
はれが急に硬くなったり、膨れた部分が押さえても引っ込まなくなることがあり、お腹が痛くなったり吐いたりします。

これをヘルニアのカントン(嵌頓)といい、急いで手術をしなければ、命にかかわることになります

大たいヘルニアの発生率は少ないですが、カントンになる可能性が高いといわれています。 

〈そけいヘルニアの3つのタイプ〉

1) 外そけいヘルニア
  一番多い
  男性に多い
 e38398e383abe3838be382a2e381aee7a8aee9a19e4 太もものつけねが膨らみます
2) 内そけいヘルニア
   高齢者に多い
   男性に多い
3) 大たいヘルニア
   比較的少ない
   女性に多い
   カントンになる可能性が高い

 

鼠径ヘルニア(脱腸)の症状

初期のころは、立った時とかお腹に力を入れた時に鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部などが

出てきて柔らかいはれができますが、普通は指で押さえると引っ込みます。

太ももや足のつけね(そけい部)に何か出てくる感じがあり

それがお腹の中から腸が脱出してくるので「脱腸」と呼ばれています。

次第に小腸などの臓器が出てくるので不快感や痛みを伴ってきます。


鼠径ヘルニア(脱腸)になりやすい人

 鼠径ヘルニア(そけいヘルニア)は、乳幼児の場合はほとんど先天的なものですが、

成人の場合は加齢により身体の組織が弱くなることが原因で、特に40代以上の男性に多く起こる傾向があります。

乳幼児でも中高年でも鼠径ヘルニア患者の80%以上が男性ですが、

これは、鼠径管のサイズが女性は男性より小さく、比較的腸が脱出しにくいためと考えられています。

また、40代以上では、鼠径ヘルニアの発生に職業が関係していることが指摘されており、

腹圧のかかる製造業や立ち仕事に従事する人に多く見られます。

便秘症の人、肥満の人、前立腺肥大の人、咳をよくする人、妊婦も要注意です。

ヘルニアの治療・手術


下記URL参照してください

http://bcove.me/y1ev5352

高尿酸血症

尿酸は、細胞の中にある「核酸」という遺伝子の成分が分解されてできた、いわゆる古い細胞の残りかすでもあり、

また、体の中のエネルギーのもととなっている物質の燃えかすでもあります。

すなわち、新陳代謝によって細胞が分解されたり、エネルギーを使うと、体内で尿酸が作られるわけです。
 
また、尿酸の原料は食物(特に肉類)にも含まれており、

これらを食べることによっても体内で尿酸が作られることになります。

われわれの体内では、尿酸が毎日一定量つくられ、一定量が主に腎臓から排泄されてバランスを保っています。

ところが、なんらかの原因で尿酸が過剰に作られたり、腎臓などでの排泄がうまくいかなくなると、

体内の尿酸濃度が一定以上に高くなってしまいます。この状態を「高尿酸血症」といいます。
 
体内で尿酸が溶けきれなくなると、その結晶が関節や他の臓器に沈着し、

さまざまな合併症を引き起こしますので注意が必要です。

血液中の尿酸の値が7を超えると高尿酸血症と定義されます。

尿酸の結晶が関節に沈着して引き起こされる病気が痛風です。

足の親指の付け根に起こることが多く、激しい痛み、発赤、腫脹を認めます。

高尿酸血症の患者さん全員が必ず痛風になるわけではありませんが、その状態が長く続いたり、

血清尿酸値が高くなればなるほど痛風発作が起こりやすくなります。
 
また、痛風の有り無しにかかわらず、尿酸値が高くなること自体が、

ある種の代謝障害として注意が必要な状態であることは理解しておいてください。

現在、全国の痛風患者は約60万人と言われています。

そして高尿酸血症患者はその約10倍にも及ぶと推定されており、

高尿酸血症は、今や高血圧症や糖尿病などと同様な生活習慣病として注目を集めています。

痛風は男性の病気と言われており、患者の99%は男性です。

女性に痛風が少ないのは、女性ホルモンが尿酸を体外へ排泄しやすくしているからだと言われています。

したがって、一般に女性が痛風になるのは、女性ホルモンが減る更年期以降です。

また、痛風はその体質が遺伝するとも言われています。


尿酸の値をみるときに「7」「8」「9」のルールがあります。

血清尿酸値が7を越えたら生活習慣の見直し、尿路管理をはじめ、

8を越えて痛風発作の既往や尿路結石があれば、薬物治療をはじめ、

9を越えたら積極的に薬物治療を考慮しましょうというものです。


高尿酸血症の治療の目的は次の4つです。

痛風発作を防ぐ。

尿酸沈着による合併症である腎障害(痛風腎)を防ぐ。

尿路管理を行い、尿路結石を起きないようにする。

高尿酸血症の患者さんは高血圧、血糖異常、脂質異常、肥満を合併することが多いため、

これらの併発と心血管病変の進展を防ぐ。

血液中の尿酸の値が高くなるのは、

①尿中への尿酸の排泄が低下する(排泄低下型)

②尿酸の産生が過剰になる(産生過剰型)

③これらの両方の要因が混じっている(混合型)の3つの原因があります。

 

  

痛風発作が起きないように食事、運動療法、必要なときには薬物治療を行っていくことが必要です。

痛風発作時には発作治療の薬を使います。

①コルヒチン
:発作の前兆の時期(患部がむずむずしたり腫れたりする時期)に使用します。

発作の極期にしようすると効果は乏しいと言われています。

②NSAID(
非ステロイド性抗炎症薬):急性炎症である痛風関節炎治療の中心薬剤です。

軽快すれば投与は中止します。

③ステロイド
:NSAIDが使えない場合や、NSAIDが無効な場合に使用します。

※ 痛風発作中に尿酸値が変動すると痛みがさらに強まると言われています。

発作中, 尿酸値を下げる薬を飲んでいる人はそのまま服用を続け、

飲んでいない人は発作がおさまってから飲み始め、発作中に尿酸降下薬を開始しないことを原則としています。

 

尿酸高値が続くと腎臓に尿酸が沈着し腎障害(痛風腎)が進むことがあります。

尿酸値のコントロールを行い、定期的な血液検査により腎機能障害の程度も確認していきます。

尿酸値が高い方は肥満を合併し高血圧、高脂血症、

糖尿病などの他の生活習慣病と一緒になって動脈硬化が促進され、

心血管障害(狭心症や心筋梗塞)、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)の危険性が高くなります。

このため、血圧、脂質、血糖値などを全般的に改善しながら血清尿酸値を下げることが大事になります。

尿酸は尿中に溶けて排出されます。

ところが尿が酸性になっていると尿酸が溶けずに析出して尿路結石が起こりやすくなります。

尿が中性になると尿酸が尿に溶けやすい状態になります。

尿酸値が高い方は尿が酸性になっていることが多いので、尿検査で尿のpHを確認し、

酸性に傾いているようであれば、尿をアルカリ化する薬を使用します。

水分を多くとって尿量を多くすることも大事になります。

この場合には水やお茶をこまめにとって尿量を1日2L以上にすることがよいとされています。

ただし、水分制限が必要な方はよく相談をしてください。

※痛風発作の予防や合併症の予防を考慮して高尿酸血症・痛風治療の時の尿酸値の目標は

6mg/dl以下に維持することが望ましいとされています。

痛風の誘因としては、以下のものが考えられています。

1. 食べ過ぎ(高エネルギー食、動物性食品)

肥満を助長するとともに尿酸の原料の過剰摂取につながります。
2. アルコールの飲み過ぎ

アルコールは尿酸の産生を促進するとともに、尿酸排泄を抑制します。
3. 肥満

内臓脂肪の蓄積は尿酸産生の促進につながり、皮下脂肪の蓄積は尿酸排泄が抑制されることがわかっています。
4. ストレス

脱水傾向が出たり、ストレスホルモンの影響で尿酸排泄が抑制されるのではないかと言われています。
5. その他二次性のもの

血液の病気や腫瘍などの他の病気が関係している場合や、薬(利尿薬など)の副作用で起こる場合もあります。

 

細胞の新陳代謝の時にできる老廃物が尿酸であり、体内ではプリン体という物質から作られます。

このためプリン体を多く含む食品を避けることが大事になります。

プリン体を多く含む食品、中等度含む食品をあげておきます。

数字は食品100gあたりに含まれるプリン体の含有量です。

1日の摂取量がプリン体として 400mgを超えないようにすることが推奨されております。


(食事療法シリーズ 痛風 萬有製薬より引用)

①肥満の方は減量を心がけましょう。

BMI=体重(kg)÷身長(m)2が25を超えないようにしましょう。

②アルコールの摂取を制限しましょう。

アルコールはプリン体を含まなくてもそれ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させてしまうので、

アルコールの種類を問わず過剰摂取は慎むことが大事です。

尿酸値への影響は日本酒なら1合、ビールは500ml、ウイスキーは60ml(ダブル1杯)

くらいから出現すると考えられているので、それ以下の摂取が望ましいと言えます。

③ 適度な運動をしましょう。

適正な体重(BMIで25未満)を目標にして有酸素運動を行いましょう。

有酸素運動は体脂肪の減少、高血圧の改善、耐糖能障害の改善など

高尿酸血症に合併しやすい種々の状態を改善します。

生活習慣病としての高尿酸血症から自分の体を守りましょう!

 

 

膀胱炎

膀胱炎とは、膀胱に大腸菌やセラチア菌などの細菌が侵入し、どんどん繁殖して炎症を起こす病気で、

女性の罹患率が高く、女性にとって大変ポピュラーな病気です。

膀胱炎になると、尿を出し切った直後、または排尿が終わる頃からしみるような強い痛み出ます。

また、残尿感があり、頻繁にトイレに行きたくなります。

下腹部に痛み出ることもあります。ひどくなると、痛みや残尿感が増し、

白くにごった尿が出たり、尿に血が混じったりします

膀胱炎の場合、通常発熱はありません。

排尿時の痛みだけでなく、高熱が出たり、腰痛があったりする場合は、腎臓の腎盂まで炎症が広がり、

腎盂腎炎になっている恐れがあります。



膀胱炎の原因は?



腎臓でつくられた尿は尿道を通って、膀胱に貯められ、体外へ排泄されますが、

膀胱炎の原因は尿道から侵入する細菌に感染することです。

女性に膀胱炎が多いのは、男性に比べて尿道が短く、3、4cmしかないため、細菌が膀胱内に侵入しやすいからです。

膀胱炎の原因になる細菌の中で一番多い、大腸菌が、肛門と尿道が近いために、侵入しやすいと言えます。

トイレでは、前から後ろに向って拭くようにしましょう。

膀胱は本来、細菌に対する抵抗力・免疫力を持っていますが、病気やダイエット、過労で体力が落ちているときや

ストレスたまっているとき、生理が終わったあとや不潔なセックスをしたあとなどに膀胱炎にかかりやすくなります。

妊娠

妊娠すると抵抗力も弱まり、膀胱も圧迫されるために膀胱炎になりやすくなっています。

女性ホルモン

更年期の女性にも、膀胱炎が多く見られます。

これは、女性ホルモンが減少することにより、抵抗力が低下することに加え、膀胱の粘膜も薄くなるので、

膀胱から出血しやすい環境になるためだと考えられます。

性生活

性行為が膀胱炎の原因になることがあります。

摩擦によって尿道が傷つき、細菌が侵入しやすくなるからだと言われています。

性行為の前は、自分もパートナー清潔にして手も洗い、性行為のあとは細菌を洗い流すように、

しっかりと排尿する習慣をつけましょう。

また、避妊具のペッサリーを入れている女性も、膀胱炎になりやすいです。

使用する殺精子薬で膣内の細菌バランスが崩れます。

それにより、膀胱炎の原因になる細菌が増えてしまうため、膀胱炎になりやすいのです。

 普通、健康な体であれば、膀胱内の温度も36~38度を保っていられます。

この温度は細菌が侵入してきても、繁殖することなく、感染もすることができません。

一方、冷え性や低体温症の人では、膀胱内の温度が32度以下になることもあり、

膀胱炎の原因になる細菌が、繁殖しやすい環境になってしまうのです。

そのため、何度も何度も膀胱炎を繰り返したり、慢性化してしまうのです。

女性の多くが冷え性を持っているため、

女性が膀胱炎になりやすいといわれる要因の一つに挙げられるのです。




膀胱炎の治療法

細菌性の膀胱炎の場合、抗生剤を3日ほど服用すれば症状は治まってきます。

症状が治まってもすぐ薬を中止しないで、主治医が指示する期間(1週間前後)は、服用を続けましょう。

きちんと治しておかないと、慢性化したり、再発を繰り返す場合が多いからです。

もし薬が効かない場合は、血液検査や細菌検査などを行って薬を変えてもらいます。

また、尿の量を増やし、細菌を洗い流すために、水分を十分とることも大切です

膀胱炎の予防法・・・膀胱炎を防ぐには、次のようなことに気をつけましょう。

過労や極端なダイエットを避け、精神的なストレスを溜めないようにする。

細菌に対する抵抗力や免疫力を落とさないようにするためです。

細菌が体外から侵入しないよう、外陰部をいつも清潔にしておく。

入浴の際にていねいに洗うのはもちろん、生理用のナプキンは、

汚れていなくても2、3時間ごとに替えることなどにも気をつけましょう。


水分を十分取る。

女性の場合、外陰部の構造に加えて、生理、セックス、妊娠、出産が重なるわけですから、

膀胱炎は宿命ともいえます。

しかし、食後にお茶やお水を2、3杯飲む、汗をかいたら水分を多めにとる、

日中3時間ぐらいでトイレに行くという普通の習慣がもっとも大切なのです。

なお、セックス後10分以内にトイレに行くことも、膀胱炎を予防するうえでとても有効です。

排尿を長時間我慢しない。

排尿を長時間我慢すると、膀胱内で細菌が繁殖しやすくなります。

尿は、血液の上澄み(血球成分を除いたもの)ですから栄養分が多く、細菌の繁殖には最適な場所といえます。

したがって、膀胱内に細菌が入った状態でトイレをガマンすると、細菌はネズミ算式に増えてしまうため、

膀胱炎になってしまいます。

下腹部を冷やさない。

下腹部が冷えて血液循環が悪くなると、膀胱粘膜の抵抗力が低下します。


再発を繰り返すとき

症状から膀胱炎だと勝手に判断して、市販の薬を飲んで治す人も多いようです。

しかし、きちんと泌尿器科で診てもらい、膀胱炎と診断された上で薬を処方してもらわないと、

膀胱炎ではないほかの病気だったり、再発を繰り返したりする恐れがあるので、注意しましょう。

 

甲状腺機能亢進症

甲状腺の働きと調節

甲状腺は、胃や心臓のような体にある臓器の一つで内分泌器官に属します。

内分泌とは、内分泌器官からホルモンといわれる物質が分泌され、

ホルモンが血流に乗り全身に行き渡り、

そのホルモンを必要とする細胞(標的器官)にある受容体に結合して

その作用を発揮するシステムのことす。

甲状腺は前頚部に位置して甲状腺ホルモンを分泌しています。

甲状腺ホルモンは、海藻などの食物に含まれているヨードを材料として合成され、

それぞれの細胞の新陳代謝を刺激したり促進したりする作用があります。

換言すると、体が円滑に活動し成長するためになくてはならないホルモンと言えます。


甲状腺機能亢進症


甲状腺から甲状腺ホルモンが多量に分泌され、全身の代謝が高まる病気です。

バセドウ病とは、この病気を報告したドイツの医師の名前に由来するもので、

米国や英国では別の医師の名前をとってグレーブス病と呼んでいます。


原因は何か

血液中に抗TSHレセプター抗体(TRAb)ができることが原因です。

自己抗体とは自己組織に対する抗体で、

自己抗体により引き起こされる病気は自己免疫疾患と言われ、

甲状腺疾患はその代表的なものです。

自己免疫疾患は他の自己免疫疾患を合併しやすいことも注意が必要です。


この抗体は、甲状腺の機能を調節している甲状腺刺激ホルモン(TSH)

というホルモンの情報の受け手であるTSHレセプターに対する抗体です。

これが甲状腺を無制限に刺激するので、

甲状腺ホルモンが過剰につくられて機能亢進症が起こります。
 

このTRAbができる原因はまだ詳細にはわかっていませんが、

甲状腺の病気は家族に同じ病気の人が多いことでもわかるように、

遺伝的素因が関係しています。
 

症状の現れ方

甲状腺ホルモンが過剰になると全身の代謝が亢進するので、

食欲が出てよく食べるのに体重が減り(高齢になると体重減少だけ)、

暑がりになり、全身に汗をかくようになります

精神
的には興奮して活発になるわりにまとまりがなく、疲れやすくなり、

動悸(どうき)を1日中感じるようになります。

手が震えて字が書きにくくなり、ひどくなると足や全身が震えるようになります。

イライラして怒りっぽくなり、排便の回数が増えます

大きさに差はありますが、ほとんどの症例で軟らかいびまん性の甲状腺腫が認められます。
 

眼球が突出するとよくいわれますが、実際には5人に1人くらいです。
 

検査と診断

甲状腺ホルモン(遊離チロキシン:FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定することで、診断できます。

さらにバセドウ病であることを確認するには、

原因物質である抗TSHレセプター抗体(TRAb)を測定します。

治療の方法

抗甲状腺薬治療、

手術、

アイソトープ治療の3種類がありますが、

通常、抗甲状腺薬治療をまず行います。
 

抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)は甲状腺ホルモンの合成を抑える薬です。

この薬で合成を抑えると、4週間くらいで甲状腺ホルモンが下がり始め、

2カ月もすると正常になって、自覚症状はなくなり、完全に治ったようになります。

しかし、原因のTRAbが消えるのは2~3年後なので、

TRAbが陽性の間は抗甲状腺薬をのみ続ける必要があります。


いつまでもTRAbが陰性にならない時は、

甲状腺を一部残して切除する甲状腺亜全摘(あぜんてき)出術をするか、

放射性ヨードを投与して甲状腺を壊すアイソトープ治療をすることになります。

このどちらを選ぶかは、甲状腺の大きさや年齢、妊娠の希望などを考慮して決定します。

 

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の放射性ヨード治療とは?

 

  • 海藻にはヨードと呼ばれる栄養素がたくさん含まれています。
  •  
  • 食事から入ったヨードは甲状腺に集まり、そこで甲状腺ホルモンが作られています。
  •  
  • 放射性ヨードも食事のヨードと同じ性質をもっているので、
  •  
  • 薬として服用すれば同じように甲状腺に集まります。
  •  
  • しかし放射性ヨードと食事中のヨードの違いは、
  •  
  • 放射性ヨードがベータ線と呼ばれる特殊な放射線を出すことです。
  •  
  • これが甲状腺を部分的に破壊し、ホルモン合成を抑える働きをします。
  •  
  • これがヨード治療の原理です。
  •  
  • 放射性ヨードのほとんどの放射線は甲状腺が受けます。


服用した放射性ヨードはどうなりますか

  • 放射性ヨードは、ほとんどが甲状腺に集まり、一時的に身体の中に残ります。
  •  
  • 一方、甲状腺に取り込まれなかった放射性ヨードは、
  •  
  • 最初の1日間でほとんどが尿中に排泄されます。
  •  
  • 身体の中の放射性ヨードはしだいに減っていき、
  •  
  • 治療が終わったときには身体の中には放射能は残っていません。


治療前にどのような準備が必要ですか

  • 検査の2週間前からヨードを含まない食事(禁ヨード食)が必要です。

    ヨード制限中に食べてはいけない食品


    • ヨードは海藻類に多く含まれています。
    •  
    • 寒天・昆布だしなどの形で思いがけなく入っていることもありますので、
    •  
    • 食品の原材料表示を確認するよう心がけましょう。
      •  
      • すべての海藻類
        •  
        • 昆布、わかめ、海苔、ひじき、もずくなど
        •  
        • 昆布のだし汁
      •  
      • 海藻加工食品
        •  
        • 昆布茶、寒天、ところてん、おぼろこんぶ、海苔の入ったふりかけ、
        •  
        • 昆布の佃煮、こんにゃく(黒色、緑色)など
      •  
      • 昆布エキスを含んだ食品
        •  
        • 和風だし、だし入り味噌、めんつゆ、ドライカレーの素、
        •  
        • 昆布エキスを含むスポーツ飲料やお茶飲料など
      •  
      • 寒天を含んだ菓子類
        •  
        • ようかん、ゼリー、ヨーグルトなど
      •  
      • ヨードを添加した食品
        •  
        • ヨード卵など
      •  
      • カラギナンを含んだ食品(海藻由来の食品添加物のこと)
        •  
        • 豆乳、ドレッシング、ゼリー、プリンアイスクリームなど
        •  
    •  
    • 魚介類の中にもヨードが多く含まれています。
      •  
      • 赤身魚
        •  
        • まぐろ、さけ、ます、さわら(カジキマグロ)、ツナ缶詰、など
      •  
      • 青身魚
        •  
        • かつお、さば、あじ、さんま、にしん、いわし、ぶり、ふくらぎ、こぞくら、
        •  
        • はまちなど
        •  
        • かつお節(かつお節の出し汁は可)
      •  
      • 白身魚
        •  
        • たら、たらの練り製品(かまぼこ、ちくわ、ふかし、はんぺんなど)
      •  
      • 貝・えび
        •  
        • すべて
    •  
    • 動物の甲状腺ホルモンを含んでいると思われる食品も検査に影響を与える場合があります。
      •  
      • 動物の内臓など
        •  
        • レバー
  •  
  • ヨードを多く含むこんぶ、わかめ、のりなどの海藻類と、
  •  
  • そのだしや寒天などの加工食品を避けてください。
  •  
  • その後甲状腺のヨードの取り込み率と甲状腺の写真撮影(シンチグラフィ)をし、
  •  
  • ちょうど良い治療量を決めます。
  •  
  • なお、禁ヨード食は治療終了の1週間後まで続けてください。
  •  
  •  
  •  
  • 治療はどのようにしますか
  •  
  • 放射性ヨードが入ったカプセルを服用するだけです。
  •  
  • ヨードは微量であり、ヨード過敏症の人でも安心して治療できます。
  •  
  • 簡単な治療であり、副作用はありません。


       入院期間はどのくらいですか

  •  
  • バセドウ病の治療には通常4-8週の入院期間が必要です。
  •  
  • ただしこの期間は甲状腺機能亢進の症状の強さにより異なります。
  •  
  • ヨード治療のみを行なう場合は短期間の入院になることもあります。
  •  
  • いずれにせよ、甲状腺に集まらなかった放射性ヨードのほとんどが尿に排泄されるため、
  •  
  • 専用の治療病室に最低1日の入院が必要です。
  •  
  • 入院期間は状況により異なりますので、担当医と相談してください。

治療効果はどのように現われますか

  •  
  • 放射性ヨード治療の効果はゆっくり現われます。
  •  
  • 早ければ2週間くらいで機能が下がり始め、
  •  
  • 半年くらいまで徐々に甲状腺の働きが下がっていきます。
  •  
  • 甲状腺腫の大きさは、治療により縮小します。
  •  
  • これは抗甲状腺薬にみられない効果です。
  •  
  • この治療により甲状腺機能は確実に下がりますが、放射性ヨードの効果には個人差があります。

効き足りなければ?

  • 効き足りなければ放射性ヨードの再治療を行ないます。
  •  
  • あるいは少量の抗甲状腺剤を服用します。

効き過ぎれば?

  • 効き過ぎる場合には、甲状腺機能低下症になります。
  •  
  • このときは足りないホルモンを補うために、甲状腺ホルモンを生涯飲み続ける必要があります。
  •  
  • 一般に、甲状腺機能亢進症が確実に直る量の放射性ヨードを服用すると、
  •  
  • 機能低下の可能性は避けられません。
  •  
  • ただし、適量のホルモンを飲んでいれば副作用は全くなく、
  •  
  • 普通の人と同じように生活できます。
  •  
  • また、身体の管理も抗甲状腺薬を飲み続けるよりは容易です。


放射能により将来、癌になることはありませんか

  • その心配は全くありません。
  •  
  • 放射性ヨード治療はすでに長年にわたって行なわれており、安全性が確認されています。


家族
など周囲の人は放射線の影響を受けますか

  • 服用直後の入院だけで、実際上は問題がありません。
  •  
  • ただし、身体の中に残った放射性ヨードからはわずかの放射線がでます。
  •  
  • ごくわずかとはいえ、周囲の人に不要な放射線の影響を与えないため、
  •  
  • 最初の2、3日間だけ、トイレの後など良く手を洗うなど清潔にすることに御配慮ください。


治療後妊娠しても、赤ちゃんに影響はありませんか

  • 全く問題ありません。
  •  
  • 過去の治療経験からも、生まれた子供に奇形が多くなるなどの悪影響が出ることはありません。
  •  
  • ただし、治療後の半年間は、甲状腺機能のコントロールのため、妊娠を避けることが勧められます。


治療後の甲状腺機能および健康の管理はどのようにしたらよいですか

  • ヨード治療は安全な治療法です。
  •  
  • ただし、治療後の半年くらいは甲状腺機能が変化しますので、
  •  
  • その時の状態にあわせて対処する必要があります。
  •  
  • 仕事を軽減したり、休息が必要な場合もあります。
  •  
  • 放射性ヨード治療後は長期的に見て、甲状腺機能低下症が高率に発生します。
  •  
  • このため、一旦機能が正常化しても通院を中止することなく、経過観察を受けることが大切です。

なお、抗甲状腺薬は妊娠中でも医師の指示のもとに服用することができます。

バセドウ病は女性では100人に1人の頻度でみられる病気で、

決してまれなものではありません。

自覚症状がなくなっても治ったわけではなく、いつ薬をやめるか、

薬物治療以外の治療に切り替えるかなど難しい点もあるので、

できれば甲状腺専門医と相談しながら治療することをすすめます。
 

 

卵巣のう腫 茎捻転(けいねんてん)

卵巣は骨盤の中にあって、子宮の両側に一つずつ靭帯(じんたい)でぶら下がっています。

健康な状態では親指の先ほどの小さな器官で、子宮から左右に延びた卵管のちょうど下に位置しています。

思春期になると卵巣は女性ホルモンを分泌し、毎月排卵をくり返します。

言いかえると、毎月細胞分裂をくり返すことになるため、

卵巣は体の中で最も腫瘍(しゅよう)ができやすい臓器なのです。

卵巣腫瘍は10代から70代まで幅広い年代の女性がかかるのが特徴で、近年患者数は急激に増加しています。

卵巣にできる腫瘍はさまざまですが、大きく分けて、

触ると軟らかい「のう胞性腫瘍(卵巣のう腫)」と硬いこぶのような「充実性腫瘍」とがあり、

前者がおよそ9割を占めています。

卵巣のう腫のほとんどは良性ですが、

残り1割の「充実性腫瘍」のうち8割が悪性であり、その代表的なものが卵巣がんなのです。

卵巣のう腫の「のう」とは袋のこと。

袋の中に水や粘液、脂などがたまってはれ、どんどん大きくなることがあります。

「卵巣のう腫」は、腫瘍の中身によって、

漿液性のう腫(しょうえきせいのうしゅ)、粘液性のう腫(ねんえきせいのうしゅ)、皮様のう腫(ひようのうしゅ)

に分けられます

漿液性のう腫

のう腫の中にサラサラした液体がたまります。

多くは片側の卵巣にのみ発生します。

卵巣のう腫の中でもっとも多いタイプです。

粘液性のう腫

卵の白身のようなドロッとした粘液(ムチン)がたまります。

皮様のう腫

脂肪や髪の毛、歯などの成分がたまります。

大きくなりやすいのが特徴です。

両側の卵巣にできることも珍しくありません。

 
症状

卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれ、腫瘍が小さいうちはほとんど自覚症状がありません。

症状が現れたときには、こぶし大(6~7cm)以上に成長していることが多いようです。

腫瘍が大きくなると下腹部がふくらんでスカートのウエストがきつくなったり、

おなかが張ったような感じがしたり、しこりを触れるようになります。

また大きくなった卵巣が周囲の臓器を圧迫し、下腹部痛、腰痛、月経痛、頻尿(ひんにょう)、

便秘などさまざまな症状を起こします。

 

原因

卵巣のう腫がなぜできるのか、はっきりした原因はわかっていません。

診断
 

卵巣腫瘍の早期診断には経膣(けいちつ)超音波検査が有効ですが、

大きくなったものでは経腹超音波検査のほうが有効な場合もあります。

また、腫瘍の種類や周囲の臓器との位置関係などを確認するのにCTやMRI 検査が、

腫瘍が良性か悪性かの判断の目安には腫瘍マーカーが用いられますが、

最終的な判断は、手術で摘出した腫瘍を顕微鏡で調べる病理検査によって行われます。 

 
治療

のう腫が良性で小さい場合は、3~6か月ごとに定期的に検査をしながら経過を観察します。

のう腫ではなくて、一時的に生じて自然に消えてしまうのう胞もありますから、

良性で自覚症状もない場合は経過観察のみ行いますが、大きくなる場合は、悪性に変化したり、

捻転を起こす危険が高まるため手術が必要になります。

のう腫が5~6cmを超える場合は、腫瘍の根元がねじれる茎捻転(けいねんてん)を起こし、、

(この確率は10%くらいと言われています)

卵巣がくるりと1回転してしまい、靭帯(じんたい)や卵管などがねじれることで血流がさえぎられ、

激しい吐き気、発熱、嘔吐を伴う腹痛が起こり時には意識不明に陥る場合もあります。

下腹部痛がとても強いため、急性虫垂炎と間違われることももあるようです。

また、腫瘍が破裂し、出血、化膿の症状が起こる場合もあります。

茎捻転になった場合には、早急に手術を受ける必要があります。

良性で腫瘍の大きさが直径10cm以内なら、腹腔鏡(内視鏡の一種)による手術が可能なことが多く、

手術の傷も小さく2日~数日の入院ですみます。

しかし、それ以上大きい腫瘍や、癒着があったり悪性が疑われるときには開腹手術が必要になります。

 手術は、腫瘍部分だけを摘出する場合と、卵巣全体を摘出する場合とがあり、腫瘍の大きさや性質、

患者さんの年齢や妊娠の希望などを考慮して選択されます。
 
たとえば若い人で、これから妊娠したい希望がある場合には腫瘍部分だけを摘出します。

閉経後の女性では卵巣全体、または反対側の卵巣もとるなど、

患者さんの状況によって異なる手術法を選択できる場合もあるため、自分の希望をはっきり伝えることが大切です。

 しかし、腫瘍が大きく癒着がある場合などでは、卵巣ごと摘出しなければならないこともあります。

その場合も、卵巣は1つ摘出しても残った1つが正常に働けば、妊娠は可能です。

やむを得ず両側の卵巣を摘出した場合、更年期障害に似た症状が出やすいため、

卵巣ホルモン補充療法などを行うこともあります。

卵巣腫瘍は発見が遅れがちな病気。

腫瘍が卵巣がんでなかったとしても、卵巣の腫瘍は大きな疾病につながることがあるのです。

卵巣がんにかかっていないか、腫瘍はできていないかなどをチェックするためにも、

子宮検査とセットにして卵巣を定期健診することが必要です。

 もう少し早く発見していれば出産も可能だったのに…、卵巣を切除しなくてもすんだのに…、

ということにならないために、異常を感じたら婦人科を受診し、腫瘍の有無を確認しておくことが望まれます。 

 

 

 

  

 

尿路結石

 

 
尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱(ぼうこう)に運ばれます。

そして一定量の尿が膀胱にためられ、膀胱から尿道を通って排出されます。

この腎臓、尿管、膀胱、尿道など、尿の通り道を尿路といい、尿路のどこかに石ができる病気が尿路結石です。

症状は激痛、血尿、排尿のトラブルなど。

 尿路結石は10人に1人がかかるといわれるほど多い病気で、現在もじわじわと増加中です。

なかでも20~40代の多忙な男性に多く、少し前までは男性の病気と考えられていました。

しかし、更年期をすぎた女性も尿路結石にかかりやすく、さらに最近は若い女性にも増えています
 
その原因は、肉類や糖質などのとりすぎといった食生活があげられます。

つまり、尿路結石は誰もがかかり得る病気、決して他人事ではないのです。

 

結石は成分によって数タイプに分かれますが、カルシウム結石が全体の8割以上を占め、尿酸結石が5%程度。

どちらも食生活が引き金となって発症する生活習慣病で、結石ができる人の多くが糖尿病、高血圧、

高脂血症などの予備軍であるといわれています。

 

どうして結石ができるのか?

 カルシウム結石のほとんどはシュウ酸カルシウム結石で、

尿の中にカルシウムとシュウ酸(ほうれん草などに多く含まれる)が増えすぎて結合し、

それが腎臓で結晶化して結石に成長したもの。

原因は、肉類や糖質のとりすぎ、カルシウム不足、

過度の飲酒などといわれています。

 本来なら、シュウ酸とカルシウムは腸の中で結合し、便として排泄されます。

しかし肉類中心の食事を続けていると、肉類に多く含まれる脂肪酸がカルシウムと結合してしまい、

結合できず余ったシュウ酸が尿の中へ吸収されます。

そこで尿中のカルシウムと結合して結石ができるのです。

 カルシウムが不足した食事が続いた場合も、結合相手であるカルシウムが足りないため腸内にシュウ酸が余り、

尿中へ。

そこでカルシウムと結合して結石となります。
 
また、腎臓にはもともとクエン酸やマグネシウムなど結晶化を阻止する物質が存在しますが、

これらが不足することによっても、結石はできやすくなります。

 痛まなくても放置は禁物! 腎臓に悪影響が

 

尿路結石は、腎臓、尿管、膀胱(ぼうこう)、尿道など、尿路のどこに位置しているかによって、

腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれます。

一般に結石は腎臓でできて、大きくなりながら下に向かって移動します。

そのため、できたときは腎臓結石でも、尿管に入ると尿管結石というように呼び名が変わります。

また、石の移動にともなって痛む場所も移っていきます。

 
尿路結石の主な症状は痛みと血尿です。

痛みは主に側背部や腰、わき腹に起こります。

結石といえば、脂汗が出るほどの激痛と思いがちですが、腎臓結石や膀胱結石では通常痛みはないか、

あっても鈍痛程度です。

しかし痛まないからといって油断は禁物。

結石が長くとどまれば尿の流れが妨げられ、腎臓の機能を悪化させることもあるからです。

健診などで結石の疑いを指摘されたら、痛まなくても泌尿器科を受診しましょう。
 
また血尿は、肉眼では気づかない、検査しなければわからないものがほとんどですから、

定期的に健診を受けることが必要です。

また、トイレに行く回数が増えた、残尿感がある、尿が出にくいといった症状がでたときも、早めに受診しましょう。


尿路結石の治療


治療は、小さいものならできるだけ自然排出を促します。

5mm以下で尿の流れが邪魔されていなければ、水をたくさん飲み、石が尿と一緒に自然に排出されるのを待ちます。

痛みには鎮痛剤や、けいれんを抑える鎮痙剤(ちんけいざい)などが処方されます。
 
痛みがひどい、結石が大きくなる、血尿が続く、腎臓障害が現れたときなどは、外科的治療を行います。

といっても開腹手術はほとんど行われなくなっています。

最も多いのは体外衝撃波結石破砕術といって、外から結石に衝撃波を当てて砕き、

小さくなった石を尿とともに自然排出させるというもの。

一度で砕けないときは数回行います。

それでも砕けない場合は、尿道から内視鏡を入れ、鉗子(かんし)で石をはさんで取り出したり、

レーザーなどで石を砕いたりします。

 

尿路結石の予防

日ごろの食事と生活改善で石をつくらない!

尿路結石は再発しやすい病気ですが、食事など生活習慣の改善で予防と再発防止が可能です。

1日2リットルの水を飲む
 
結石は、1日の尿量が2リットル以上だとできにくく、1リットル以下だとできやすいことがわかっている。

2リットル以上の尿量を確保するには、食事以外に毎日2リットルの水を飲むこと。

水分の種類は、水や麦茶、ほうじ茶などがおすすめ。

シュウ酸を多く含む緑茶や紅茶、糖分の多い清涼飲料水は控え目に。

肉を減らし、魚を増やす
 
肉類をとりすぎると、脂肪酸が結石の原因になるだけでなく、

たんぱく質も尿酸や尿中のカルシウムを増やし石ができやすくなる。

逆に、魚介類に多いEPA(エイコサペンタエン酸)は、

カルシウムやシュウ酸が尿中に出るのを減少させ石をつくりにくくする。

主食のドカ食い、夜食の習慣はやめる
 
ご飯などの主食や、その他の糖質の食べすぎ、

特に短時間の大食いは血中のインスリン濃度を高めて尿中へのカルシウム排出を促進、

石をつくりやすくする。

夜遅い食事も石をつくりやすいため、できれば寝る4時間前に夕食をすませたい。

カルシウム、クエン酸を含んだ食品をたっぷりとる
 
カルシウム、クエン酸、食物繊維は結石を防ぐ働きをするので、これらを豊富に含む食べ物を十分にとる。

クエン酸はレモンやミカンなどのかんきつ類に多く、尿中でカルシウムと結合して排泄されやすく、結石を防ぐ。

梅干しにも多いが、塩分に注意。

飲みすぎは要注意
 
お酒を飲みすぎると尿酸が増え、尿酸結石ができやすくなる。

以前はビールをたくさん飲んで石を流すと言われたが、アルコールはシュウ酸も含むうえ、

飲みすぎると脱水を招きやすく、尿が濃くなってかえって危険。

 

便潜血反応の重要性

便潜血反応は大腸癌を早期発見するための簡易検査です。

便に微量に含まれる血液を調べることで、大腸癌を早期に発見しようとするものです。 

現在行われている便潜血反応は、ヒトヘモグロビンに対する抗体を用いて、

免疫学的な抗原・抗体反応で判定する方法のため、原則的にヒトの血液にしか反応ません。

動物の血液には反応しません。

現在はこの方法が主流です。

欠点としては、上部消化管出血に反応しにくいことです。

これは上部消化管出血は便に出るまでにヘモグロビンが変性してしまい、反応しなくなることがあるためです。

 

便潜血反応は大腸癌が出血しやすいことから、便に含まれる微量の血液をチェックすることで、

大腸癌の早期発見をしようとするものです。

しかし、大腸癌があっても常に出血をするわけではありません。

また、出血していても便の取り方により陰性となることもあります。

それではどのくらいの頻度で見逃しがあるのでしょうか?

進行がんでも1割ほど、早期がんでは50%、つまり約半分が見逃されてしまうといわれております。

しかし、便潜血陽性の人の3%ほどに癌が見つかるといわれており、

大腸癌の死亡率を15-30%ほど下げることができると報告されています。

それでは、便潜血陽性でも97%は大丈夫だから

苦しそうな大腸内視鏡検査なんて受けなくてもと思う人もいることでしょう。

大腸癌の多くは腺腫という良性の大腸ポリープから大腸癌になると言われています。

実際に大腸ポリープを内視鏡で切除していけば

大腸癌でなくなる確率が(0%にはならなくとも)少なくなると言われています。

この大腸腺腫と大腸癌をあわせると便潜血陽性の人の30%ぐらいに達します。

そして、大腸ポリープは内視鏡で治療できて大腸癌の予防になるのです。

幸いにも大腸癌は進行がんでみつかっても7割近くの人で根治することができますが、

可能ならばもっと早期に発見したいものです。

便潜血検査は通常一度に2回分または3回分検査を行うことが多いでしょう。

このうち一度でも陽性(+)となった場合には大腸精密検査を受けることが必要となります。

大腸癌や大腸ポリープがあっても毎日出血をするとは限らないからです。

その証拠に大腸癌の診断がついている人で便潜血検査を行ってみると2回、3回と陰性になる人がいます。

消化器の専門医であれば便潜血陽性にもかかわらず精密検査を行わずに

便潜血検査を再検することはまずありませんが、

消化器専門医でない医者の中には知識がなく再検査を行い便潜血陰性であれば

精密検査を行わないでよいと思っている医者もいます。

便潜血陽性でも半分弱の人は大腸内視鏡で異常を認めませんので

陽性だからといってすぐに悲観的になる必要はありません。

逆に便潜血陽性でも精密検査を受けないでいるのは非常に危険です。

重要なことは一度でも便潜血陽性になったら精密検査を受けることです。
 

非常に危険なことです。

便潜血検査は一度でも陽性であれば精密検査が必要です。 


 

痔核(いぼ痔)を代表とする痔疾患や女性の場合、月経血が混ざっている場合には

大腸ポリープや大腸癌がなくても便潜血陽性になることがあります。

これは便潜血が便に混ざっている血を検出する検査なので当然のことです。

しかし、便潜血陽性の原因を大腸内視鏡などの大腸精密検査を行わずに

それらの原因に決め付けてしまうことは非常に危険なことです。

本人が痔だと思っていても実は大腸癌だったということは良くあることです。

その証拠に痔の専門病院で内視鏡検査を行うと沢山の大腸癌や大腸ポリープが見つかるのです。

典型的な場合には出血の仕方は痔の場合と大腸癌の場合では違いますが、

痔の出血がある人には大腸癌の症状の一つである出血といつもの出血との区別するのは非常に難しいことです。

便潜血検査の便を取るタイミングとしては痔の出血のないとき、

生理でないときなどという注意書きが書かれていることがあります。

確かに、ほんとは大腸癌でないのに便潜血陽性になってしまう『偽陽性』を減らすためには重要なことなのですが、

痔の出血がある人の場合には一度は必ず大腸内視鏡検査を受けておくべきだと思います。

それで大腸ポリープもない場合には数年後の精密検査となることが多いと思いますが、

その間の便潜血検査では痔の出血のないときに採取するというのは正しい方法だと思います。 

 

 

 

 

急性胃粘膜病変(AGML= acute gastric mucosal lesion)

急性胃粘膜病変(AGML= acute gastric mucosal lesion)は急性胃炎の重症型です。

心窩部(みぞおち)の強い痛み、吐き気、膨満感などで急に発症し、

内視鏡検査の結果、胃の粘膜に広範にびらんや潰瘍をみとめるものです。

症状は急激に悪くなり、強い痛みで食事が摂れなくなります。

ときに多量の吐血や下血をともなうようになります。

重症になると入院措置が必要です。


原因

さまざまな原因で起こります。

原因として重要なものには鎮痛薬(非ステロイド系消炎鎮痛薬)の長期服用があります。

解熱鎮痛剤が胃を傷めることは一般的に知られていますが、

それが重篤な障害の原因となることまでは考えていないかも知れません。

精神的・肉体的(手術、外傷、熱傷(ねっしょう))ストレスなども多く見られます。

 アニサキス(寄生虫)感染

アニサキス(鯖やイカに多い)などの寄生虫が発見できれば、それを摘出することもできます。

 内視鏡検査によるヘリコバクター・ピロリの感染、アルコール・香辛料などの多量摂取、

治療によるもの(肝動脈塞栓術(そくせんじゅつ)、食道静脈(じょうみゃく)瘤硬化療法など)があります。

極度の緊張の時などに胃がきゅーっと痛むのもこの病変のきっかけになります。  

診断

   すみやかな内視鏡検査が唯一の診断法です。

病変は粘膜に限局しており、内視鏡検査のタイミングが遅れると病変がわからなくなることも少なくありません。

発症早期には、多発性・不整形の急性潰瘍・びらん(しばしば出血性)、

凝血塊(ぎょうけつかい)の付着、びまん性・斑状・点状の粘膜発赤などが認められます。


治療


原因となった食物や薬物が分かれば、これをまずやめて原因の除去をおこないます。

吐き気や嘔吐がつよいときには、明らかな吐下血がなければ、

まずは輸液をして全身状態の改善を待ってから検査を行います。

もちろん、吐下血や嘔吐が頻繁で、全身状態が不安定なときは

急いで検査をすすめなければいけません。

薬物治療としては、症状が軽ければ急性胃炎治療に準じて制酸薬、H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、

プロトンポンプ阻害薬(PPI)、胃粘膜保護薬などを服用すると数日でよくなります。

しばらくの間だけ薬を服用し、症状がなくなれば休薬できます。

いったん治癒してしまえば、通常の胃潰瘍のように再発したり慢性化することはまれです。

吐血・下血が認められた場合や痛みが激しい場合は急いで消化器専門医を受診して

早めに内視鏡検査を受けてください。

潰瘍の範囲や出血の程度を正確に診断します。

内視鏡検査の結果、潰瘍が深く、出血がみとめられた場合には入院し絶食のうえ、

消化性潰瘍治療に準じてH2受容体拮抗薬の点滴、止血薬の投与がおこなわれます。

潰瘍から大きな動脈性の出血があれば、内視鏡下に止血をおこないます。

 

 

口内炎

口内炎とは、口の中の粘膜に炎症がおき、痛みが出る症状です。

口内炎には様々な種類のものがありますが、最も多いのは「アフタ性口内炎」と言って、

中心が白く周囲が赤みを帯びた口内炎です。

口内炎の原因として最も有力視されているのが細菌やウィルスへの感染です。

空気中に含まれている様々な細菌やウィルスが、

口内の抵抗力が弱っている部位に感染することで炎症が起こるという考え方で、

多くの口内炎の原因になっていると見られています。

口内炎の原因の一つとして、歯や食べ物で口内が傷つけられることが挙げられます。

歯並びの悪さが原因になって起こる不正咬合などによって頬が傷つけられることや、

魚の骨などの硬いものが引っかかるなどが炎症の原因となると考えられています。

偏食や食生活の多様化などが原因となる栄養バランスの偏りも、口内炎の原因の一つになります。

特に、ビタミンやミネラルの不足は頬の粘膜の新陳代謝を妨げる原因になり、

口内炎の発症リスクを高めてしまいます。

特にビタミンB群が不足することにより口内炎になりやすくなることが分かっています。

ビタミンBは主に豚肉などに多く含まれています。

 口を開けっ放しにするなどして口内が乾燥することも口内炎の原因になります。

口内は、常時唾液などで湿った状態になっていることで粘膜が保護されていますが、

乾燥してしまうと粘膜としての機能が低下して口内炎を引き起こしやすくしてしまうのです。

病気の中には、口内炎が症状の一つとして現れるものもあります。

膠原病やベーチェット病などの免疫疾患や白血病などに付随する形で現れることが多く、

病気の予兆として見られる場合もあります。


特定の食品に対するアレルギーが原因の場合もあります。

ただ、アレルギーの原因となる食品を特定することはなかなか難しいというのが現状です。


多くの病気の原因となるストレスも、口内炎の原因となります。

過剰なストレスの蓄積によって、口内の粘膜の再生力が低下することによって

傷の潰瘍化が進行して口内炎を発生させるためです。


口内炎の種類


アフタ性口内炎

アフタ性口内炎は、発症した口内炎の大半を占める最もポピュラーな口内炎といえます。

表面が白く周囲が赤い潰瘍(円形またはだ円形で中央部が浅くくぼんでいる)が1~数個できる。

瘢痕が白くなるのが特徴の一つで、強い痛みを伴い複数個の瘢痕を発生させることがあります。

発生する部位は多岐にわたり、時には舌やその下の口底などにも発生します。

10日ほどで跡を残さず自然完治しますが、再発性が高いのも特徴の一つです。

また、アフタ性口内炎は発症原因が特定されておらず、ストレスの増加などで発症すると考えられています。


カタル性口内炎

カタル性口内炎は、歯の刺激によって発生する性質を持った口内炎です。

瘢痕は赤く、健康な粘膜と見分けが付けにくいという特徴を持っています。

唾液の分泌量が増えて口臭が強まったり、味覚が鈍くなったりといった特徴があります。

虫歯が原因となって発生する場合もあります。


ヘルペス性口内炎




ヘルペス性口内炎は生後六ヶ月以降の乳幼児に多く見られる口内炎で、

くちびるや口の中の粘膜に小さな水疱ができ、破れてびらんや潰瘍になるもの。

単純ヘルペスウィルスへの感染を原因として発症します。

単純ヘルペスウィルスは大人から乳幼児に感染するもので大人が使ったタオルや箸、

赤ちゃんへのキスなどを媒介して感染します。

ヘルペス性口内炎は唇や頬などを中心にして発生する特徴を持っています。


口角炎

口角炎は、唇の端にある口角周辺に発生する口内炎のことです。

口角炎を発症するとただれたようになり、

皮膚にヒビが入りかさぶたでボロボロになってしまうのが特徴です。

出血と痛みを伴い、見た目に大きな影響を与えるという特徴を備えています。


カンジタ性口内炎

カンジタ性口内炎は、真菌の一種であるカンジタ菌を原因として発症する口内炎です。

カンジタ菌は常在細菌の一種で、

口内炎を引き起こした場合は抵抗力や免疫力の低下が大きな原因となっています。

患部に白い苔状のものが張り付き、

その下に炎症を起こしているのがカンジタ性口内炎の特徴の一つとなっています。


このほか、アレルギー性の口内炎、ヘビースモーカーがかかりやすいニコチン性の口内炎などがあります。

これらは見た目もアフタ性口内炎とは異なります。

また、一部の人では、歯磨き剤に含まれる発泡成分であるラウリル硫酸ナトリウムが原因になることもわかっています。
 
アフタ性口内炎以外の、原因がはっきりしている口内炎は、

原因を取り除くために早めに内科や耳鼻咽喉科、歯科などで相談を。


ストレスや過労などが引き金に


最も一般的にみられるアフタ性口内炎は、触ると痛い、

すっぱいものや塩辛いものがしみると痛みが増すという特徴があります。

口の中がしみて痛む程度から、ひどくなると、しゃべりにくい、飲み込みにくいといった症状が出ることもあり、

若い人に発症しやすいようです。
 
原因はよくわかっていませんが、睡眠不足や過労、ストレス、不規則な食事など、

心と体の疲れが引き金になることがよくあります。

たいていはそのままにしておいても7日から10日間ほどで治りますが、再発することも少なくありません。

大きくならず数も少なければ様子をみてかまいませんが、痛みが気になるときは受診しましょう。

また、なかなか治らなかったり、何度も繰り返すような場合、まれに大きな病気が隠れていることもあります。

とくに再発性のアフタ性口内炎は、ベーチェット病という皮膚症状、眼症状、

外陰部潰瘍などを伴う全身性の炎症性疾患(膠原病周辺疾患)のこともあるので、念のため内科を受診するとよいでしょう。

口内炎の予防と改善は、次のことをこころがけましょう。


(1)まず口の中を清潔に。毎食後に歯磨きやうがいで常に清潔にする。また口の中が乾かないようにする

(2)疲労・ストレス・睡眠不足に気をつけて。ゆっくりと休養をとって、睡眠を十分に。

(3)バランスのよい食生活を。とくに緑黄色野菜をたっぷり、ビタミンB群やCを含む食品を積極的にとって免疫力アップを。

(4)禁煙し、アルコールを控える。


それでもできてしまったら、

「睡眠は十分か?」

「栄養バランスはとれているか?」

「ストレスをためていないか?」

など日ごろの生活を見直すようにすれば、病気を予防することもできるかもしれません。

そうなると口内炎は厄介者どころか、無理をしないよう警告を発してくれるありがたい存在! 

口内炎ができたら生活と健康を見直すよいチャンス、健康管理に利用しない手はありませんね。

 


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074_telephone 0827-34-0303