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卵巣のう腫 茎捻転(けいねんてん)

卵巣は骨盤の中にあって、子宮の両側に一つずつ靭帯(じんたい)でぶら下がっています。

健康な状態では親指の先ほどの小さな器官で、子宮から左右に延びた卵管のちょうど下に位置しています。

思春期になると卵巣は女性ホルモンを分泌し、毎月排卵をくり返します。

言いかえると、毎月細胞分裂をくり返すことになるため、

卵巣は体の中で最も腫瘍(しゅよう)ができやすい臓器なのです。

卵巣腫瘍は10代から70代まで幅広い年代の女性がかかるのが特徴で、近年患者数は急激に増加しています。

卵巣にできる腫瘍はさまざまですが、大きく分けて、

触ると軟らかい「のう胞性腫瘍(卵巣のう腫)」と硬いこぶのような「充実性腫瘍」とがあり、

前者がおよそ9割を占めています。

卵巣のう腫のほとんどは良性ですが、

残り1割の「充実性腫瘍」のうち8割が悪性であり、その代表的なものが卵巣がんなのです。

卵巣のう腫の「のう」とは袋のこと。

袋の中に水や粘液、脂などがたまってはれ、どんどん大きくなることがあります。

「卵巣のう腫」は、腫瘍の中身によって、

漿液性のう腫(しょうえきせいのうしゅ)、粘液性のう腫(ねんえきせいのうしゅ)、皮様のう腫(ひようのうしゅ)

に分けられます

漿液性のう腫

のう腫の中にサラサラした液体がたまります。

多くは片側の卵巣にのみ発生します。

卵巣のう腫の中でもっとも多いタイプです。

粘液性のう腫

卵の白身のようなドロッとした粘液(ムチン)がたまります。

皮様のう腫

脂肪や髪の毛、歯などの成分がたまります。

大きくなりやすいのが特徴です。

両側の卵巣にできることも珍しくありません。

 
症状

卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれ、腫瘍が小さいうちはほとんど自覚症状がありません。

症状が現れたときには、こぶし大(6~7cm)以上に成長していることが多いようです。

腫瘍が大きくなると下腹部がふくらんでスカートのウエストがきつくなったり、

おなかが張ったような感じがしたり、しこりを触れるようになります。

また大きくなった卵巣が周囲の臓器を圧迫し、下腹部痛、腰痛、月経痛、頻尿(ひんにょう)、

便秘などさまざまな症状を起こします。

 

原因

卵巣のう腫がなぜできるのか、はっきりした原因はわかっていません。

診断
 

卵巣腫瘍の早期診断には経膣(けいちつ)超音波検査が有効ですが、

大きくなったものでは経腹超音波検査のほうが有効な場合もあります。

また、腫瘍の種類や周囲の臓器との位置関係などを確認するのにCTやMRI 検査が、

腫瘍が良性か悪性かの判断の目安には腫瘍マーカーが用いられますが、

最終的な判断は、手術で摘出した腫瘍を顕微鏡で調べる病理検査によって行われます。 

 
治療

のう腫が良性で小さい場合は、3~6か月ごとに定期的に検査をしながら経過を観察します。

のう腫ではなくて、一時的に生じて自然に消えてしまうのう胞もありますから、

良性で自覚症状もない場合は経過観察のみ行いますが、大きくなる場合は、悪性に変化したり、

捻転を起こす危険が高まるため手術が必要になります。

のう腫が5~6cmを超える場合は、腫瘍の根元がねじれる茎捻転(けいねんてん)を起こし、、

(この確率は10%くらいと言われています)

卵巣がくるりと1回転してしまい、靭帯(じんたい)や卵管などがねじれることで血流がさえぎられ、

激しい吐き気、発熱、嘔吐を伴う腹痛が起こり時には意識不明に陥る場合もあります。

下腹部痛がとても強いため、急性虫垂炎と間違われることももあるようです。

また、腫瘍が破裂し、出血、化膿の症状が起こる場合もあります。

茎捻転になった場合には、早急に手術を受ける必要があります。

良性で腫瘍の大きさが直径10cm以内なら、腹腔鏡(内視鏡の一種)による手術が可能なことが多く、

手術の傷も小さく2日~数日の入院ですみます。

しかし、それ以上大きい腫瘍や、癒着があったり悪性が疑われるときには開腹手術が必要になります。

 手術は、腫瘍部分だけを摘出する場合と、卵巣全体を摘出する場合とがあり、腫瘍の大きさや性質、

患者さんの年齢や妊娠の希望などを考慮して選択されます。
 
たとえば若い人で、これから妊娠したい希望がある場合には腫瘍部分だけを摘出します。

閉経後の女性では卵巣全体、または反対側の卵巣もとるなど、

患者さんの状況によって異なる手術法を選択できる場合もあるため、自分の希望をはっきり伝えることが大切です。

 しかし、腫瘍が大きく癒着がある場合などでは、卵巣ごと摘出しなければならないこともあります。

その場合も、卵巣は1つ摘出しても残った1つが正常に働けば、妊娠は可能です。

やむを得ず両側の卵巣を摘出した場合、更年期障害に似た症状が出やすいため、

卵巣ホルモン補充療法などを行うこともあります。

卵巣腫瘍は発見が遅れがちな病気。

腫瘍が卵巣がんでなかったとしても、卵巣の腫瘍は大きな疾病につながることがあるのです。

卵巣がんにかかっていないか、腫瘍はできていないかなどをチェックするためにも、

子宮検査とセットにして卵巣を定期健診することが必要です。

 もう少し早く発見していれば出産も可能だったのに…、卵巣を切除しなくてもすんだのに…、

ということにならないために、異常を感じたら婦人科を受診し、腫瘍の有無を確認しておくことが望まれます。