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便通の異常(過敏性腸症候群と大腸がん)

便通の異常には要注意

便通の異常には要注意
便通は体調のバロメーターです。

すっきり排便があるということは、お腹もさることながら気分もすっきりします。

その一方で、便秘や下痢を繰り返す、下血や血便などの便通異常は要注意です。

大腸がんは、肺がんとともに、近年急速に増えつつある疾患です。

これには、私たちの食事が、高線維、低脂肪の和食から、高脂肪、

低線維の洋食にシフトしていった結果とも言われています。

その一方で、大腸がんは、早期発見できれば、内視鏡手術でお腹を切らずに切除し、

完治させることも可能という特徴を持ちます。

大腸がんの早期発見のためにも、初期症状のポイントをチェックしておきましょう。


■ 下血と血便

下血(肛門からの出血)や血便(便に血液が付着)は、通常の状態では見られない症状です。

硬い便をしたあとの肛門の傷(裂肛)や、痔(外痔核、内痔核)、良性の大腸ポリープなどでも、

このような症状は見られますが、大腸がんの初期症状としても見られます。

もちろん、大腸がんによって下血や血便が見られる状態でも、自覚症状はほとんどありません。

「痛くもかゆくもないから」ということで放置せずに、痔かどうかのチェックも含めて、

一度、お近くの医療機関(内科)を受診してください。


■ 繰り返す下痢と便秘

下痢や血便と異なり、下痢と便秘は一般的に見られる症状です。

食あたりや風邪などはもちろんのこと、ストレスでも下痢や便秘を来たします。

しかし、これらを繰り返す場合には、大腸がんのチェックはされておいたほうがよいと思います。

また、最近、便が細いなぁ、という方も、要注意です。

検査としては、まずは、便潜血の検査を行います。

便の一部を専用のキットを用いて採取するだけ、という体に負担のない検査です。

あまり、心配しすぎずに、医療機関を受診されることをお勧めします。

大腸がんが進行すると……

大腸がんが進行すると
 

大腸がんの場合、病状の進行に伴って腫瘍が大きくなり、大腸の通過障害、

すなわち食べたものが大腸を通過できないという状態が起こってきます。

症状としては、便秘、腹部の膨満、腹痛などが特徴的です。

さらに進行すると、完全閉塞を来たしたり、大腸がんの細胞が腹膜全体に広がる(がん性腹膜炎)によって、

嘔吐や激しい腹痛など、腸閉塞(イレウス)を引き起こします。


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また、がんに共通のことですが、特に要因なく体重が減少したり、

帯状疱疹(ヘルペス)を発症する場合には、何らかの悪性疾患の存在も疑われますので、

万一、このような兆候が出た場合には医療機関を受診するようにしてください。

治癒率をあげるためには、早期発見・早期治療が大切です。

早期発見のためには、初期症状に注意すると共に、

やはり、年に1回の定期的な健康診断を受けられることをおすすめします

   
 
下痢や便秘をくり返す過敏性腸症候群
                       

                       
 
大腸がんや潰瘍性大腸炎などの身体的な病気は存在しないのに、

腹痛、腹部不快感、便通異常、残便感などの症状が存在する病気のことを言います。

一般的検査では異常所見はみられません。

                                              
  「仕事中や会議中に急にお腹が痛くなる」

「通勤・通学の電車の中で腹部に不快感を感じて途中下車をしてしまう」

「便秘や下痢などの便通異常が慢性化している」

などのような症状があると疑います。

                       
同時に消化管以外の症状、たとえば背部痛、腰痛、易疲労感、頭重感、めまい、倦怠感、不眠、

不安感、抑うつ感などの症状を伴うこともあります。
                                                     

病院で検査を受けて腸に異常は見つからなかったものの、また起こるかもしれないと不安に駆られる――。
                         
 こんな症状をくり返すのが、「過敏性腸症候群」です。

決して特殊な病気ではなく、これに悩まされている人は少なくないようです。

日本人では思春期から50歳代に多くみられ、人口の20%の患者さんがいるといわれるほどポピュラーな病気です。

 


自律神経の乱れから腸がけいれん


腸の運動は自律神経によってコントロールされています。

口から入った食物は、胃を経て小腸、大腸と通過しながら消化・吸収されます。

そうして後に残ったものが、腸の運動によって直腸に運ばれると便意が起こるのですが、

この間に自律神経のバランスが乱れることがあると、腸にけいれんが起きて排便のリズムが崩れ、

腹痛や下痢、便秘といった過敏性腸症候群の症状がもたらされるのです。

自律神経のバランスを乱す主な原因は、緊張、不安といった精神的なストレスです。
                      

  ただし、腹痛や便通異常を起こす病気はさまざまで、

なかには大腸がんなどのように早期発見が必要な病気もありますので、

上記のような症状があったら、まずは医療機関を受診してください。

分類

過敏性腸症候群は、症状によって次の3つのタイプに大きくわけられます。

男性は下痢型、女性は便秘型が多い

下痢型

激しい腹痛があり、下痢便や軟便が1日に何回も出ます。

起床直後、朝食の後など自宅にいるときばかりでなく、通勤電車に乗っているとき、

外出先などでも便意が起こるために、いつも公共トイレの場所が気になってしまいます。

男性に多いとされます。

便秘型

腹痛があり、トイレでの排便量は少なく、それもウサギのふんのようなコロコロした小さな便が便器に浮かびます。

女性に多いタイプといわれます。

下痢・便秘交替型

下痢と便秘を数日ずつ交互にくり返すタイプで、全体ではこのタイプが最も多いといわれます

いずれのタイプも、排便すると症状が改善すること、ストレスを感じると症状が悪化することが特徴的です。

ストレスに弱いタイプがなりやすい           

過敏性腸症候群になりやすい人には、いくつかの性格的なタイプがみられます。

まじめ、きちょうめん、完ぺき主義、内向的などという、いわゆるストレスに弱いタイプの人たちです。

日々のストレスをなくすことはできませんから、

ストレスがかかったときに自分をどのようにコントロールすれば、

ストレスの感じ方を弱めることができるかを考え、実行することが重要です。

治療

慢性の経過をたどることが多く、完全に治癒にいたることは困難なことが多いです。




■ 生活指導

・ストレスをさける

好きな趣味に興じる時間をもつ、

毎日ウオーキングのような軽い運動で汗をかき気分をすっきりさせる

・規則正しい生活をおくる

・夜更かしをせず、十分な睡眠・休養をとる

便意がなくても毎朝決まった時間にトイレに行く習慣をつける

食事をとる時間帯は3食ともできるだけ一定にする

■ 食事療法

下痢型

高脂肪食、アルコール、カフェイン、香辛料、冷たい飲み物、発酵食品など

腸粘膜を刺激し下痢を悪化させる食品を避けます。

消化に悪い食品を避けます。

便秘型

アルコール、香辛料、炭酸飲料、脂肪分の多い食品など、刺激物を避けます。

便秘解消のために野菜や海藻類など食物繊維の多い食品を積極的にとる

ビタミンB、ビタミンCをとります 。

痢・便秘交替型
                        

その時の腸の症状に合わせて食べるものを選びます。

■ 薬物治療

根本的に治癒する薬剤は現在なく、対症療法が主となります。

腹部症状と便通状態に応じた薬物治療が基本です。

あくまで対症療法なので、症状増悪時のみに服用し、緩解期には必ずしも投薬する必要はありません。

抗コリン薬、止痢薬、腸運動機能調整薬、線維製剤などを組み合わせて用います。

精神症状を伴う場合は向精神薬を併用します。

患者の症状および重症度に応じて、下記処方を組み合わせて用います。

1.基本処方

①チアトン⇒カプセル(10mg) 3カプセル
      
②ポリフル⇒錠(500mg) 3錠

③セレキノン⇒錠(100mg)3‐6錠 分3

2.便通異常に対して

下痢

①ロペミン⇒カプセル(1mg) 1-2カプセル 分1-2

便秘

①酸化マグネシウム⇒末 0.5-2g 分1-3

②ラキソベロン⇒錠(2.5mg) 3錠 分1 眠前

ここまでの段階で多くの場合は治りますが、

それでも効果がみられずストレスの影響が強いと考えられるときは、

 心理療法が併用され、抗うつ薬や精神安定薬も使われます。

3.精神症状に対して

不安感

①メイラックス⇒錠(1mg) 1-2錠 分1-2

②コレミナール⇒錠(4mg) 3錠 分3 食後

抑うつ感

①プロチアデン⇒錠(25mg) 3錠 分3 食後

②メイラックス⇒錠(2mg)1錠 分1‐2

③デパス錠(0.5mg)3錠 分3

④セルシン⇒錠(2mg)3錠 分3

⑤ドグマチール⇒⇒錠(50mg)3‐6錠 分3
                                                                 

     
最近、男性の下痢型過敏性腸症候群に新しい薬剤(イリボー)が使用できるようになりました。

ストレスなどによって遊離が促進されたセロトニン(神経伝達物質の1つ)を選択的に阻害するもので

過敏性腸症候群治療の新たな選択肢として期待されています。