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ドライマウス(口腔乾燥症)

舌粘膜の乾燥

ドライマウスとは?

ドライマウス(口腔乾燥症)とは唾液が少なくなり、口の中が乾く病気で、

様々な症状が生じることをいいます。

 口腔乾燥は

のどが渇くという表現の状態(口渇〈こうかつ〉)とは厳密には区別されます。

           
口渇は、健常者でも運動をして発汗した時に起こりますし、

病的には

甲状腺機能亢進(こうしん)による過度の発汗に伴って起こります。

また、糖尿病などの尿量が増える内科的疾患や、

嘔吐(おうと)や下痢の結果としての脱水状態、

他にも心臓病、腎臓病などにより循環血流量の減少時にもみられます。

           
このように、口渇は原因が明らかであり、疾患の治療と水分を摂取することで解決できます。

           
しかし、口腔乾燥は

           
唾液の分泌量の減少に加えて、

義歯を入れている、

口で呼吸をする(口呼吸)、

長期に何らかの治療薬を服用している、

精神緊張が続いている
           
           
といった要因が複雑に絡んでいる場合が多く、

したがって若年より高齢者に多く、診断と治療を難しくしています。

唾液の分泌量が減ってくると、口内の乾燥だけでなく、

           
 味覚異常や食べ物が飲み込みにくくなったり(嚥下障害)、

会話をするのに困難を感じる、

口内炎や虫歯になりやすくなる

           
などのトラブルが起こりやすくなります。

唾液量の減少には、

唾液腺自体が萎縮することや

ミネラルの亜鉛が足りなかったり、

糖尿病や自己免疫疾患の発症、

過度なストレスや

薬の副作用
           
などの影響が言われています。

加齢とともに、唾液の分泌に関係してくる、口周囲の筋力の低下などは、

唾液量を減らしたり、口呼吸を悪化させる原因になります。

 口呼吸は、扁桃腺の乾燥を招き、それが、身体全体の免疫力の低下を招いてしまうので

就寝時には、口が開かないように、サージカルテープなどを利用して口をとめ、

乾燥を防ぐことが大切になります。

更年期を迎える女性の場合、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌量の変化から、

口の渇きを感じる人も多いです。

症状

           
[1]口腔・口唇粘膜の 炎症

口腔内の灼熱(しゃくねつ)感、舌のひりつき、香辛料や濃い味がしみる、唇の皮がむける。

           
[2]機能障害

しゃべりにくい、食べ物の 嚥下障害(えんげしょうがい)、総義歯がはずれやすい。

           
[3]味覚障害

食べ物の味がしない。

           
[4]粘膜の乾燥

頬粘膜(きょうねんまく)や口唇粘膜(こうしんねんまく)に皺襞(しゅうへき:しわ、ひだ)や

亀裂がみられる。

舌乳頭(ぜつにゅうとう)の 萎縮(いしゅく)や舌背の平滑化。

粘膜が傷つきやすく、出血しやすい。

           
[5]口腔内の汚れ
           
唾液による 自浄作用が低下するために、 

プラーク(歯垢)や食物残渣(食べかす)が歯や周辺の粘膜に多く付着し、

歯周病やむし歯が多くなる、口臭が出る。

           
[6]余病併発
           
口角に治りにくい びらん 潰瘍(かいよう)をつくる。

口腔 カンジダ症を起こす。


シェーグレン症候群
           

※ドライマウスに関連して「シェーグレン症候群」という病気が注目されています。

「シェーグレン症候群」とは涙腺や唾液腺を侵す自己免疫疾患で、

その症状は目が乾く、口が渇く、耳下腺の腫れの繰り返し、

リウマチ様関節炎などがあります。

中年の女性に多く見られ、唾液量の低下によりむし歯の増加が見られます。

※自己免疫疾患とは、

本来は細菌・ウイルス・腫瘍などの自己と異なる異物を認識し

排除するための役割を持つ免疫系が、

自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し、

攻撃を加えてしまうことで症状をおこす疾患のことです。
                

 放射線治療の後遺症

 頭頸部のガンの治療に放射線を照射した結果、

唾液腺の腺房細胞が障害を受けて唾液分泌機能が低下します。
              

治療薬の副作用

             
利尿剤
降圧剤、抗ヒスタミン剤、抗うつ剤、抗コリン剤、抗 炎症剤、鎮痛剤、

気管支拡張剤、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)治療剤の多くは

副作用として口腔乾燥が起こります。

とくに高齢者は、多臓器の慢性的疾患を抱えている場合が多く、

数種類の薬を日常的に服用していますから、
           

その副作用が相乗効果的に倍増されてでてくることが推測されます。

この場合には薬の服用を中止すれば、唾液の分泌が回復すると思われますが、

本来の病気の治療が優先されて、

口腔乾燥程度の副作用でドクターが服用を中止することは期待できません。

           
 心因性

           
神経症、うつ病などの症状の1つとして口腔乾燥を訴えることがあります。

さらに、舌の痛みや口腔粘膜の違和感を強く訴えることがあります。

この場合に、向精神薬を 投与すると、

一時的に口腔乾燥がより強くなることがありますから要注意です。
           

ドライマウスの予防法

ガムを咬んだり、おしゃぶり昆布などを食べましょう。

レモンや梅干しは食べなくても見るだけで唾液が出ます。

        

内服薬

                     
サラジェン錠は長期連用で効果が期待できます。

ビタミン剤はB1、B2、B6、C、E、ニコチン酸アミドを服用します。

漢方薬は白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、

芝苓湯(しれいとう)などが処方されますが、

           
漢方薬は単独使用ではなく、

ビソルボンやムコソルバンなどと併用したほうがよく効くことがあります。

           
心因性の場合には、精神安定剤や抗うつ剤が使われますが、

副作用として口腔乾燥の一時的な増強の可能性があります。

人工唾液
           

           
 サリベートは正常唾液と同じ無機 電解質を配合したエアゾール製剤です。

1回につき1~2秒間、1日数回口腔内に噴霧(ふんむ)します。

副作用は少なく、シェーグレン 症候群の患者さんに70%、

放射線治療後の口腔乾燥についても55%の効果があったとされています。
           
シュー
は義歯を使っている人がその粘膜面に吹きつけて使うもので、

義歯の装着を容易にする口腔湿潤剤で、成分的には人工唾液といえます。

           
唾液分泌促進トローチ
           

           
ドロップSSTはソルビトールを主成分としたもので、口に入れると酸味がし、

その刺激で唾液の分泌が促進されるようになっています。

いわば梅干しを口にしたり、前にした時の効果と共通します。

           
           
口腔乾燥症の口では、

唾液の表面張力が低下しますから大きな義歯がはずれやすく、

咀嚼(そしゃく)も思うようにいかず、食べ物が飲み込まれて

食道を通過する時に胸がつかえるようになりがちです。

このような症状が出る人は、

水気の少ない食物は一口に入れる量をずっと少なくすることです。

噛む回数を増やしてよく噛めば、唾液の分泌が促進されて、

噛みつぶされた食物が食塊形成され、

飲み込みやすくなります。

また食物の味もよく出ます。

乾燥した口の粘膜は傷つきやすいので、

歯磨きは柔らかめの歯ブラシで、ゆっくりして下さい。

 

           

           

           
           

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