山口県岩国市尾津町1-12-29
074_telephone 0827-34-0303
 
あなたは 3294184 番目の訪問者様です

« | »

肛門周囲膿瘍

肛門は約3~4cmの肛門管という管ですが、その約中間に歯状(しじょう)線という線があります。

その歯状線に十数個の肛門腺という分泌腺が開口しています。

その肛門腺の開口部(肛門陰窩〈いんか〉あるいは肛門小窩(しょうか)から

便が逆流性に肛門腺に入り込むと感染を起こし、化膿します。

(肛門周囲 膿瘍)。

肛門周囲 膿瘍の症状は、 局所の激しい 疼痛(しばしば拍動性)が特徴で全身の発熱を伴う場合があります。

肛門周囲膿瘍の治療の原則は、膿瘍を切開して膿を外に出してやること(排膿)です。

膿を出してあげれば、症状は改善されます。

細菌感染による炎症なので、切開後は抗生物質と鎮痛薬が使用されます。

この治療は外来通院でできますが、炎症が落ちつく前に切開した創が閉じてしまうと、

また膿がたまって症状が悪くなることがあるため、治療が完了するまで通院を続けることがたいせつです。

大抵は通院で切開できますが、 膿瘍が非常に大きい場合や

合併症 重篤〈じゅうとく〉な糖尿病など)がある場合は入院して行います。

切開後2~3週間は抗菌剤等を 投与して、 炎症を抑えます。

 

肛門周囲膿瘍は、痔瘻の前段階と考えられています。

膿が出たり出なかったりをくり返したり、治ったようにみえて再び膿が出てくるようなら、

痔瘻に移行した可能性があります。

痔瘻を起こす菌は、好気性菌の大腸菌、クレブシエラ菌、 嫌気性菌のバクテロイデス菌などです。

痔瘻は体型ががっしりした青年から壮年の男性に多いといわれ、発生場所も背中側が一般的です。

その理由は、直腸と肛門の形から便の流れが背中側に強く当たることと、

体型ががっちりした男性は便を強く息むことができ、

その結果、便が肛門腺窩に入り込みやすいからと説明されています。

常時分泌物や膿が出て、下着を汚したり痒みの原因となります。

ひどい場合は痔瘻の出口(2次口)から便が漏れるようになります。

2次口が塞がるとまた中で膿が溜まり、肛門周囲 膿瘍の症状を繰り返すこととなります。

痔瘻を長く放っておくと、痔瘻の管が枝分かれして何カ所も2次口をつくったり(複雑痔瘻)、

ガン化して(痔瘻ガン)常時肛門の疼痛を訴えるようになります。


炎症
を抑えた後、痔瘻になっていることが判明したら、100%手術が必要です。

痔瘻はガン化する可能性があるため、手術は避けられません。

手術は、瘻管に沿って皮膚や粘膜を切開し、瘻管を開放して切除または掻爬(そうは)する方法や、

瘻管だけをくり抜き、炎症をおこすもとになっている部分を切除する方法などがあります。


手術の時期は、痛みや腫れなどの急性の炎症が落ちついた時期が最適です。

最近では、肛門括約筋(こうもんかつやくきん)を温存する手術が行なわれており、

手術後に便が垂れ流し状態になる心配はほとんどありません。

入院期間は施設によって異なりますが、だいたい2~3週間です。

ただし、入院期間や創が完全に治るまでの期間は、瘻管の走行の複雑さや痔瘻のできた場所によって異なります。

複雑な走行をしている痔瘻や深い場所の痔瘻ほど時間がかかります。

手術後の再発は数%と低くなっていますが、痔瘻が複雑に走行しているほど、また深い場所の痔瘻ほど、

再発する可能性は高くなります。

最近、痔瘻を手術しないで治すシートン法という治療が行なわれるようになってきました。

これは、皮膚とつながった瘻管内に糸や管を通して長期間留置し、

瘻管内の肉を盛り上げながら皮膚をゆっくり切っていくという方法です。

外来でできる治療法ですが、治るまでに時間がかかり、おしりに糸や管がついたままの状態が続きます。

また、どんな痔瘻にも使える方法ではありません。

切開開放術

瘻管を切開して、そのまま縫合せずに開放する手術です。

肛門の後方部ならば、括約筋を切除しても肛門の機能には影響しません。

再発がほとんどみられない手術法です。


括約筋温存手術

括約筋を切断せずに、なるべく傷つけないように 行う手術です。

くりぬき法といって、 瘻管だけをくりぬく方法などがあります。

入院が必要です。

シートン法


瘻管の原発口から二次口へゴム糸を通して縛り、

徐々に瘻管を切開して開放する方法です。

長くかかりますが筋肉に負担がかかりにくく、肛門の変形が少なくてすみます。

便が激しい勢いで肛門腺に入り込み 炎症を起こし、化膿すると痔瘻になってしまいます。

局所の免疫力を低下させる疲れやストレスは痔瘻発生の原因になります。

度の飲酒や息んで排便をする習慣、下痢も痔瘻の原因となります。疲れやストレスをためず、

下痢や過度の飲酒を控える生活習慣が重要です。