なぜ女性に便秘が多いのか

厚生労働省の調査では、女性は男性の2.4倍も多く便秘に悩んでいるとの結果がでています。

女性の月経・排卵には、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンが関係しています。

このうち、黄体ホルモン(プロジェストロン)は生理の約2週間前くらいから分泌されますが、

この女性ホルモンには、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑える作用があります。


蠕動運動とは、腸が食べた物を肛門まで移動させるために、

収縮したり伸びたりする腸の運動のことをいい、

その動きがよくミミズや芋虫が這う姿に例えられたりします。

この腸の運動が鈍ると便は腸内に止まってしまうために便秘となります。

黄体ホルモンはまた、体内の水分やミネラル分を溜め込むよう指示を出しますので、この結果、

大腸の腸壁から水分が普段よりも増して吸収されるため、

大腸内の便が硬くなり排便されず便秘となるのです。

さらに、黄体ホルモンは、妊娠したとき、流産しないように

子宮筋の収縮を抑制する働きもあるので、それが腸を動かす筋肉にも影響を及ぼし、

その結果、腸の動きが鈍って一層便が排泄されにくくなるのです。

このように、女性においては女性ホルモンの影響で、

生理前の便秘や妊娠中の便秘が起こりやすくなるのです。


女性ホルモンによる便秘では、普段以上に水分の補給に心掛けましょう

また、腸の蠕動運動を刺激するために、冷たい水が便秘に有効な場合もあります。

 

日本人の便は大体7~8割が水分です。

残りの1~2割くらいが腸内細菌の死骸、食べ物の残りかすが1割強、

残りは脂肪やその他のものという構成になっています。

ダイエットによって便の量が少なくなりますと、相対的に便の水分量が減り、

硬い便となって便秘を起こしますし、また、少ない便の量は、腸の蠕動運動を弱めてしまい、

さらに便秘が悪化する原因となります。

このタイプの便秘は、取り分け、若い女性あるいは結婚前の女性に多くみられます。

水分が不足すると、便が硬くなって便が移動しずらくなりますし、あまりに脂肪分を控え過ぎると、

便のすべりが悪くなるということも起こり得ます。

偏った食生活、ストレス、過労、食物繊維の少ない食事、不規則な生活でも便秘は悪化しがち。

できるだけ規則正しい生活習慣を心がけてください。。

女性は男性と比較して骨盤が広いです。

これは女性特有の器官である子宮が存在しているためだとされています。

骨盤が広いことによって腸は骨盤に落ち込みやすくなります。

骨盤に落ち込んだ腸は不自然な曲がりが生じてたるみやすくなります。

腸にたるみが生じるということは、便がその分長い時間を掛けて腸を通過する必要があるということ。 

便というのは小腸の段階ではかなり多くの水分を含んでいます。

大腸に送られた便が水分を吸収することによって便として形成されていくのですが、

腸を通過する時間がかかればかかるだけ水分はどんどん吸収されてしまうため便が硬くなりやすくなり、

排便しにくい、つまり便秘になりやすくなります。

 

一方で男性は骨盤が女性よりも狭いために腸のたるみが無く、

便が腸を通過する時間が比較的短い傾向にあるため女性よりも下痢を起こしやすいと考えられています。

 

その他にも、女性は男性よりも筋力が低いという点も便秘とつながりがあります。

筋力が弱いため、胃下垂や内臓下垂がおこりやすいようです。

下垂した臓器に腸が圧迫されると便秘になりやすいですし、

筋力が弱いこと自体が腸の運動が鈍くなる原因になると思われます。

排便を行うためには、腹筋や横隔膜の筋肉が必要です。

しかしこれらは運動量が極端に低下した現代では衰える一方。

運動不足だと腸が刺激されないのでこれもまた便秘の原因になってしまいます。

これによって排便する力が無く、便秘となるケースも少なくありません。

さらにそういった方は同時に痔にもなりやすくなります。

さらに、女性の場合、ただでさえ朝はお化粧などで忙しいため、

ゆっくりとトイレに入っている時間が取れず、

便意があってもそれを我慢してしまい、便秘の原因になってしまうことがあります。

 



更年期
になると、 女性ホルモンのバランスが崩れることにより便秘になりやすくなります。

これは、女性ホルモンの低下など、女性の体が閉経に向けて大きく変化する過程で、

自律神経が不安定となり、その結果、便秘になるものです。

自律神経は腸管運動を支配していますので、

閉経による自律神経が不安定となりますと便秘が起こる原因となります。



 

 

 

なぜめまいは女性に多いのか?

めまいは、現代女性に増えている不調の1つです。

全般的にめまいの引き金になる要素としては、以下のとおりです。


・  慢性的な疲労や睡眠不足

・ 人間関係のトラブル

・ 冷房・暖房の効いたオフィスで過ごすことによる体のアンバランス

・ 食生活の乱れ

・ 運動不足



女性に多いめまいの1つに、自律神経の乱れによるものがあります。

自律神経は呼吸や消化、血流などをコントロールする神経。

ストレスがかかったり、女性ホルモンのバランスが崩れたりすると、血圧の調節機能などがうまく働かなくなり、

その結果、めまいなどの症状を起こすことになります。

女性には低血圧の人や貧血の人が多く、これも女性のめまいの大きな原因となっています。

月経、妊娠、出産、授乳などのほか、ダイエットや栄養バランスの悪い食事も、

鉄分不足による貧血を招きやすいので注意が必要です。

急に立ち上がったり、起きあがったりしたときに、血圧が下がり(普通は一定の値を保つように調節される)、

脳への血液が不足することによって起立性調節障害が起こります。

もともと血圧が低い低血圧症の女性で、自律神経系のコントロールがうまくいかない状態を起立性低血圧症といいます。

血圧が下がりすぎてしまうとうまく血液が循環せず、特に脳への血液が不足し、

一次的に虚血状態に陥ることを俗に脳貧血と呼んでいます。

しかし、体質的に低血圧の場合は特に治療の必要はありません。

血圧がさらに下がらないよう栄養バランスの取れた食事をとり、適度な運動と十分な睡眠をとって

規則正しい生活をすることで改善できます。

一方、「貧血」は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となる鉄分の不足で、

ヘモグロビンの量が少ない状態で、体内に酸素が十分に行き渡らない状態のことです。

鉄は全身における酸素運搬を担うヘモグロビンを構成していますので、その不足によりヘモグロビン値も低下し、

心臓から遠く、かつ体の中で最も酸素に敏感な脳が、酸欠状態になり、めまい感やたちくらみを起こします。

貧血の場合はこの他に、息切れ、動悸、だるさ、疲れやすい等の症状を伴います。

不規則な食生活やダイエットなどで、日本の成人女性の約半数が貧血予備軍といわれています。

特に毎月月経を迎える女性にとって、日頃からレバーやほうれん草といった鉄分の多い食事

を心がけることは非常に重要です

女性ホルモンが減少する更年期には、自律神経のバランスが崩れやすく、めまいが起こりやすくなります。

めまいは30代半ば~40代半ばのプレ更年期の人にも多い症状ですが、

この年代ではホルモンの減少よりもストレスや過労が原因であることが多いようです。

更年期障害や月経前症候群など、女性ホルモンのバランスの乱れによるめまいの治療は、

精神的な安定を目的に精神安定剤や血流の循環を良くするための循環改善剤、漢方薬などが処方されます。

診断結果、女性ホルモンが足りない状態であれば、低用量ピルなどのホルモン剤を服用します。

女性ホルモンが不足して、めまいを起こしている場合、治まるまでに時間がかかることがありますが、

ホルモン剤の助けを借りながら、女性ホルモンの分泌が安定してくるので、めまいの症状が緩和されていきます。

ではこの女性ホルモン(エストロゲン)を増やすことはできないのでしょうか?

エストロゲンは年齢とともに減少します。

体内でしか作ることができないのですが、年齢がある一定に達すると作ることもできなくなります。

つまり減る一方なのです。

そこで、エストロゲンに似た作用のあるイソフラボンという植物性エストロゲンといわれるものがあります。

大豆製品などに含まれていて、大豆イソフラボンとも呼ばれています。
 
大豆製品にはイソフラボンを過剰吸収させないような働きがあるといわれていますので、

過剰摂取になることは食事からの場合ははまずないそうです。

ストレス、不安はめまいを悪化させることがあります!

精神的に不安なことがあると、めまいが治まらないことがあります。

ストレスが多い女性ほどめまいの症状が悪くなる傾向にあるようです。

仕事など生活のリズムを調整して、過労や睡眠不足がない生活を心がけてください。
 

何はさておき、ストレスや不安を取り除く努力をしてくださいl。

最近はめまいが若年化しているといわれています。

食生活の乱れや生活習慣の多様化によって、身体がはやくから老化して、

卵巣機能や子宮も老化がはやくなりつつあります。

偏った食生活、コンビニ弁当やファーストフードなどではなく、

生の食材から作った料理をバランスよく食べることに努めてください。

ブロッコリー、人参、アスパラガス、芋などが老化対策になる健康美容食品です。


高齢女性にもめまいが多いのはなぜでしょう?

老化による後方重心姿勢の強調に原因があると考えています。

勿論、個人差はありますが40代以降、重力による姿勢変化が始まります。

70代以降特に骨格が華奢(きゃしゃ)な女性には、日本人の骨格に由来する後方重心姿勢が顕著となり、

胸部の湾曲は増大し、胸郭圧や腹圧の障害が顕在化します。

これらの要因が、体腔内圧を高めることからリンパ循環や自律神経の促通に障害を与え、

めまいの症状を誘発していくものと 考えられます。

便が細い



便通異常で一番多いのが便秘。

次にストレス性や食あたりでの下痢。

それから痔のため便に少し血液が付いてしまうという人もいます。

大腸がんも、便通異常は特徴的な症状の一つ。

特に便通異常が症状としてでやすいのが「S状結腸がん(S字結腸がん)」です。

S状結腸は、上行・横行・下行結腸に続く部位で、その名の通りアルファベットのS字のように屈曲・蛇行している臓器。

私たちが食べたものは、胃・十二指腸・空腸・回腸を通って、

どろどろの状態(便汁(べんじゅう)とも呼ばれます)で上行結腸に流れ込みます。

この後、水分が腸管で吸収されて少しずつ固形化していきます。

下行結腸に入ると便としての形ができはじめ、S状結腸ではかなり便らしくなり、

その後ろの直腸に溜まってくると便意を催すようになります。

大腸にがんができると腸管の内腔が狭くなりますが、上行結腸や横行結腸などでは便汁の状態のため、

なかなか症状が出づらいことが多いです。

一方、S状結腸の位置までくると便はかなり固形化しているため症状が出やすくなります。

この部分にできるのがS状結腸がん。

他の大腸がんと同様、やや男性に多く、50~70歳代に多く見られます。

早期発見・早期治療で治癒率が格段にアップするのも特徴。

その反面、直腸とともに肛門に近い部位であり、出血の症状が痔に類似しているため

「痔の出血だろう」という自己判断で見過ごされやすいことが多いのが特徴です。

 

S状結腸がんの注意すべき症状は以下の通り。

■繰り返す下痢と便秘

もともと便秘気味という場合は別として、下痢と便秘を繰り返すようなケース。

■血便

便の表面に血液が付着していたり、便の中に血の塊が混じっていたりするようなケース

■便柱狭小

細い便しか出ていないようなケース。

がんによる腸の内腔の狭小化に伴って見られる。

もちろん、これらの症状が出たからといって心配しすぎることはありません。

下痢や便秘のほとんどは心配ないものですし、血便は痔や憩室炎といった良性疾患の可能性もあります。

便柱狭小も毎回見られるのでなければ食事や体調の影響によるケースがほとんどです。

ただ、少しでも気になったときには、まず、お近くの医療機関を受診し、

大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

慢性の裂肛や、痔瘻(じろう)、肛門手術後の狭窄で肛門が狭くなると、便も細くなります。

また、直腸などにポリープやがんができて便の通り道が狭くなっている可能性もあります。

でも細い便の時も有ればそうでない時もある場合は、別の原因が有るかも知れません

特に細い便が出る時に腹痛が伴う時や 、お腹が痛くなってトイレに行っても なかなか出ない 、

やっと出ても まるでマヨネーズがちゅるちゅると出てくるような便になったり 、

粘土を細長く伸ばしたような便しかでない

その反面便が出るとお腹の痛みが消えてしまう  、翌日からは逆に便秘になったりする

こんな場合は過敏性大腸症候群に代表されるようにストレスによるものが多そうです

過敏性腸症候群では、最大の治療法は規則正しい生活習慣とリラックスです。

自分ではなかなか改善できない場合は、

症状を緩和するために消化管のはたらきを改善する薬などを処方してもらいます。

精神的なストレスが原因であることがわかれば、うつや不安を抑える薬などを併用することもあります。

ではストレスでどうして細い便になるのでしょう

ストレスによって自律神経が狂ってしまっているのです

特に自律神経の影響を受けやすいS状結腸がおかしくなっているのです

自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立つのですが

ストレスが酷くなると交感神経が優位の状態になります

しかしすぐに副交感神経がバランスをとろうとします

でもバランスの取り方が極端になってしまい、今度は副交感神経が優位になってしまいます

そうなると腸の働きが活発になって便が出やすくなるのですが、交感神経のバランスが壊れていると

その信号と排便準備がうまくいかなくなります

またS状結腸がけいれん状態になることもあります

腸は順番に便を押し出そうとするのに 、途中のS状結腸が痙攣して小さく縮んでいるので

送られてきた便が細くなったS状結腸でまるでトコロテンを押し出す時のように 、押し出されて細い便になるのです

便が細いとは交感神経と副交感神経は常にバランスをとっているのですが、

ストレスによってそのバランスがうまくいかなくなる為に起こる一つの症状です

また細い便の原因は、柔らかすぎる便の便秘ということも多いようです。

一般的には便秘になると水分が吸収されて便が固くなるのですが、便が柔らかすぎて出ない事があるのです。

便が柔らかいので腸の収縮などで変形しやすく、細い肛門から出る時は細いままの便で出てきます。

通常の便は食べたものの残りかすと食物繊維や腸内細菌の死骸で出来ています。

食物繊維は便の量を増やし腸壁を刺激し快適な状態にしていきますが、

食物繊維が足りない便は柔らかく、べとべとした便になります。

腸内で便が動く為には蠕動運動と滑りをよくする腸液が必要です。

べとべとの便はその腸液を吸い取ってしまうため腸内での動きがにぶくなってしまいます。

この便秘は排便しても残便感が強くすっきりしません。

また、ダイエットなどで食事の量が少ない方でも便が細くなることがあります

 

 

 

片頭痛

頭痛には、

(1)検査をしても病変が見つからず、頭痛自体が治療対象となる「一次性頭痛」

(2)何らかの病気の症状として起こる「二次性頭痛」-があります。

片頭痛は一次性頭痛で、発作の前には、血管を収縮させるセロトニンという物質が大量に血液中に増え、

発作時には反対に減り、脳の血管が広がり周りの三叉神経が圧迫されることで起こるといわれます。


脳への動脈が狭く収縮した後に急に拡張し、脳の血流が良くなること、また急に血液の流れがよくなるので、

血管の近くにある痛みの受容体が活性化されて頭痛が起こる、という説がありますが、

はっきりとは解明されていないようです。


頭痛持ちと言えば、たいてい女性の方です。

こめかみの辺りがズキズキと痛む片頭痛。

15才以上の日本人の片頭痛有病率は約8.4%で、840万人と言われます。

その中で女性の割合は男性の3.6倍です。

片頭痛の方の4人のうち3人が女性と言うことになります。

年齢的には仕事、結婚、出産、育児など社会的にも肉体的にも変化の多い20-40代が最も多いです。

生理が始まるまでは片頭痛の有病率は男女差はありませんが、

初潮を迎える頃になると女性の片頭痛持ちが増えるのです。

では、女性になぜ片頭痛が多いのでしょうか。


それには、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく関与しています。

生理の2日前から生理3日目までに頭痛が発症することが多く、

中には排卵期や月経直後に頭痛のする方もおられます。

生理による片頭痛は、「プロゲステロン」という黄体ホルモンと

「エストロゲン」という卵胞ホルモンのバランスが崩れることによって、生じやすくなっているのだそうです。

エストロゲンの量が減ると、セロトニンも減少するので精神的にイライラしやすくなったり、

血管が拡張して片頭痛などをひき起こすようになるといわれています。
 

 このように生理が始まる、つまり、エストロゲンという女性ホルモンが減少することによって

片頭痛が引き起こされると言われています。

このような『月経時片頭痛』は一般の片頭痛と異なり、頭痛の程度が強く、吐き気・嘔吐を伴うことが多く、

薬が効きにくいという特徴があります。

女性ホルモンの分泌が安定する妊娠中は発症が減りますが、大半は出産後に再び発症します。

 また、名前のごとく、月経時に起こりますから、月経がなくなれば、頭痛が消失するか軽快することが多く、

また、更年期が近づくと典型的な片頭痛は減り、閉経に伴い頭痛の軽減・消失を認めます。

緊張型頭痛に似た重い感じの痛みに変わる人が多くなります。

では、このようなやっかいな片頭痛に対してどのように対処すればいいのでしょうか。

片頭痛の特効薬であるトリプタン製剤の頓服で効果が十分な方はそれだけでよいと思われます。

しかし、大抵の方はそれでは不十分で、生理前から生理中のみの短期間の予防薬の投与、

何種類かの鎮痛剤の併用などをして頭痛の軽減を図ります。

このように、片頭痛は女性に多い病気で、仕事、育児、家事など休めないことも多く、

日常生活に支障の多いものです。

とくに生理に関係した片頭痛は頭痛の程度も強く、薬も効きにくいということで非常にやっかいです。

しかし、専門の医師による診断と正しい薬物療法により頭痛の程度は改善します。

痛みがときどき発作的に起こるのは片頭痛の特徴です。

個人差がありますが、同じような強い痛みが毎日続くのではなく数時間から2~3日程度続き、

こうした症状が月1~2回から年数回発作的に起こるのであれば片頭痛の可能性があります。

頭の片側だけでなく両側が痛む人もいます。

片頭痛の特徴的な症状として、「ズキン、ズキン」という脈打つような痛みがあり、

騒がしい場所やまぶしい場所で痛みがひどくなったりします。

吐き気や嘔吐、下痢などを伴うこともあります。

階段の上り下りなど運動で頭痛が激しくなったりします。

天候や気温、気圧の変化が大きいときは頭痛を起こしやすく、

強い光
で影響を受けることもあるので、外出するときには帽子やサングラスを用意するといいです。

人混みの中から帰ると頭痛がしたり、仕事などの忙しさが無くなると発作が起こるなど、

ストレスや緊張感から解放された時に起こる人も多いです。

背中や肩、首などの筋肉が緊張して血行が悪くなることで起こる「緊張型頭痛」と違い、

片頭痛の場合、頭痛のときに頭の位置を変えるだけで痛みが悪化したり、

 

片頭痛の 前兆として、発作の10分から1時間前に視野の中にギザギザした明るい模様が現れたり(閃輝暗点)、

体の半身がしびれたり(片麻痺)することがあります。
 

また、発作の数日前に予兆として、首や肩の張り、あくび、イライラ、空腹感、めまいなどが起こることもあります。

しかし、こうした症状がまったく起こらない人も大勢います。

発作の引き金となる食べ物としては、アルコール・赤ワインなどが挙げられますが、

まったく引き金にならない人もいますので、そうした人は気にする必要はありません。

また、脳内の血管が過剰に拡張すると片頭痛が起こるため、

オリーブオイルやかんきつ類、チーズやチョコレートなど血行を良くする食材を食べるときには注意が必要です。

入浴がきっかけで痛みが強くなることもあります。

治療には主に薬が使われます。

脳の血管を収縮させ、三叉神経から痛みの原因物質が放出されるのを抑えるトリプタン製剤などです。

母親に片頭痛があると、娘の約70%・息子の約30%に片頭痛が出るとされ、

父親に片頭痛がある場合には、その遺伝比率は母親の場合の半分程度といわれています。

若い女性に発現が多いのは体内ホルモンの変化によるといわれています。

 

群発頭痛

片頭痛と同じく機能性頭痛の1つです。

有病率は男性で0.4%、女性で0.08%と男女比は5:1で、圧倒的に男性に多く片頭痛とはまったく逆になります。

また片頭痛ほど頻度は高くありません。

発症年齢は比較的若く、20~50歳ぐらいに最も多くみられます。

頭痛の発作は数週間にわたって続きますが、その後まったく発作のない時期が数カ月から数年間続きます。

このようにある時期に集中して発作が頻発するために、“群発”頭痛と呼ばれています。

片頭痛と異なり、遺伝性はまれです。

 

眼の周囲を中心とした片側性で持続性の激しい痛みが特徴的です。

しばしば「きりで刺されるような」「目がえぐられるような」と表現されるように、耐えられないほどの強さです。

あまりの痛さに横になっていることもままらず、痛みをまぎらわせるために動き回らずにはいられない、

といわれています。

あまりの激しさにくも膜下出血ではないかと疑われるほどです。

片頭痛と異なり痛みが拍動することはありません。

痛みは眼の周囲だけでなく眼の奥深くにも感じられ、前頭部、側頭部や頬にしばしば放散します。

頭痛は夜間、とくに睡眠後1時間から2時間の間に生じる傾向があり、前兆や嘔吐を伴うことはありません。

毎日同じ時間帯に規則正しく再発することが特徴です。

一部で何年にもわたって慢性的に持続することがあります。

痛みに伴う症状として、  鼻閉(びへい:鼻づまり)、鼻汁(びじゅう)、結膜充血、流涙(りゅうるい)、

縮瞳(しゅくどう)、頬の紅潮や 浮腫(ふしゅ)などが出現します。

痛みの持続時間は15分から180分で、平均45分ぐらいです。

まれに痛みと同じ側で 眼瞼下垂(がんけんかすい)が生じることがあります。

痛みと同じ側の側頭動脈が発作中に怒張し、触れると痛み、頭部や顔面の皮膚が神経過敏になることもあります。

発作はほとんど再発のたびに同側に生じます。

 

原因としてはいろいろな説が唱えられています。

頭痛発作が1日のうちで同じ時間帯に生じることから、

日周期を支配している視床下部に原因があるのではないかとの説があります。

PET(ペット)という装置を用いて調べたところ、発作中に同部の神経核が活動していることが判明しました。

また発作中に血液中や尿中のヒスタミン濃度が上昇していることがわかっており、

ヒスタミン
が発作に関係しているのではないかともいわれています。

しかし抗ヒスタミン薬は痛みにまったく効果がありません。

ニトログリセリンなどの血管拡張薬や飲酒によって発作が誘発され、

逆に血管収縮薬(酒石〈しゅせき〉酸エルゴタミンなど)が痛みに有効であることから、

発作中には血管拡張が生じていることが推測されます。

また内頸動脈の血管造影中に発作が誘発されたことから、痛みは内頸動脈由来ではないかとの説もあります。

内頸動脈が拡張して動脈周囲に張り巡らされた交感神経線維を障害するために

縮瞳(しゅくどう:瞳が小さくなること)が生じたり、周囲の  炎症が副交感神経を刺激するために

流涙などが発生すると考えられ、群発頭痛に伴う 自律神経症状をうまく説明できます。

いろいろと推測されていますが、まだ原因は不明です。

片頭痛と同様に酒石酸エルゴタミン(カフェルゴット・クリアミン)が有効です。

夜間の発作に対しては、寝る前にエルゴタミンを服用すると予防的効果があります。 

カフェルゴット錠(1mg)(酒石酸エルゴタミン:血管収縮作用)  1回1~2錠


また発作発現前に、イミグラン点鼻液を吸入 するのも良いです。

群発頭痛が起きてしまったら、早い段階で酸素を吸入するのが効果的です。

酸素を多く吸うと、頭部の動脈が収縮して痛みが和らぎます。

純度100%の酸素を毎分7リットル、約10~15分吸入します。


携帯酸素

最近、日本でもスマトリプタンという セロトニン受容体刺激薬の注射が可能となりました。

イミグラン注(3mg)(スマトリプタン)  1ml皮下注射 1日1~2回

自己注射器

片頭痛と同様に群発頭痛に対しても有効です。

その他予防的な薬としては、ステロイドホルモン(プレドニン)、

カルシウム拮抗薬(ベラパミル)やリチウムなどがあります。

なお発作の時期にはアルコールが誘発因子となりますので、飲酒を控えることも大切です。

群発頭痛はなによりも予防が大切です

もっともエビデンスがあるのはカルシウム拮抗薬である

ベラパミル(ワソラン)錠(40mg)で3~6錠分3(保険適用外)服用します。

できれば6錠が良いです。

ただし有効率は6割程度です。

どうしても発作を抑制したいときにはステロイド(たとえばプレドニン、デカドロン)を短期間(1ヵ月以内)併用します。
 

ベラパミルの便秘、ステロイドに対する胃保護を併用します。 

化膿性唾液腺炎(耳下腺炎・顎下腺炎)

唾液腺炎には、口腔常在菌(こうくうじょうざいきん)による感染、ウイルスによる感染、

または自己免疫性疾患などがあります。


化膿性(かのうせい)唾液腺炎

唾液分泌が低下すると口腔の常在菌(細菌)が導管(唾液腺の腺房から唾液を口腔内に導く管)より侵入し、

化膿性唾液腺炎となります。

唾液腺に炎症が生じると痛みを伴う腫脹(しゅちょう)(はれ)が現れ、さらに唾液腺周囲にも炎症が拡大します。

唾液腺炎の特徴は、導管の開口部に腫脹がみられ、圧迫によって開口部から排膿(はいのう)があることです。

唾液腺炎は耳下腺(じかせん)に多く現れ、次いで顎下腺(がくかせん)にみられます。

化膿性唾液腺炎では抗菌薬(抗生物質など)ならびに消炎鎮痛薬で治療します。

炎症部に膿瘍(のうよう)(うみのたまり)が形成された場合では、切開などの消炎手術を行います。

ウイルス性唾液腺炎では、対症療法が主であり、鎮痛と解熱に努め、

二次的な細菌感染の予防のために抗菌薬による治療が行われます。
 

(1)耳下腺炎

耳前部皮膚の腫脹および発赤(ほっせき)、側頭部から顔面部への痛みの放散が現れます。

耳下腺部の圧迫によって、導管開口部から排膿がみられます。
 

(2)顎下腺炎

唾液を口の中へ運ぶ唾液腺管の中に唾石(だせき)と呼ばれる石が作られて詰まってしまい、

唾液の出が悪くなった時などに起こります。

これに口中の細菌が感染して化膿することがあります。

舌と歯茎の間の舌下口底部の粘膜が赤く腫れ上がり、痛みや熱をともないます。

この場合、顎下腺のすぐ前にある舌下腺にも同時に舌下腺炎を併発して腫脹することが多く見られます。

また、流行性耳下腺炎でも、顎下腺が侵される場合もあります。

口底部または顎下部の圧迫によって舌下部の導管開口部から排膿がみられます。

唾石症

原因は不明ですが、唾液の排出管に入り込んだ異物や細菌などを核として、

そのまわりに唾液に含まれるカルシウムが沈着してできると考えられます。

治療のため摘出した結石を割ってみると、沈着したカルシウムが年輪のようにみえます。

結石のできはじめは当然小さいのですが、自然に排出されないと次第に大きくなっていきます。 

唾液は唾液腺を構成する無数の腺房(せんぼう)というところで作られます。

腺房で作られた唾液は管を通じて集まり、最終的には1本の管(排出管)に集まり、口のなかに出てきます。

多くの場合、結石はこの排出管のなかにできます。

1本しかない排出管に結石があると、唾液の通過障害が起こります。

食事をすると、唾液腺は唾液を作って口のなかに出そうとしますが、

途中の結石のために唾液が口のなかに出ることができず、

唾液腺内にたまり、腺そのものが痛みを伴ってはれてきます。

酸味の強いものを食べた時などはとくに症状が強く出ます。

ほとんどの唾石は顎下腺に生じますが、顎下腺の唾石では左右どちらかの(一度に両側にできることはほとんどない)

あごの下がはれます。

耳下腺では耳の前から下のほうが痛みを伴ってはれます。

はれは、食事後しばらくするとだんだん取れてきますが、次の食事をするとまたはれるということを繰り返します。

この症状は結石の大きさに比例しないことが多く、ごく小さなものでも管の出口をふさぐと強い症状が出ます。

また食事ごとの症状はある時期にひどく出ても、一時的に出なくなることもあります。

結石が次第に大きくなると、腺そのものの機能が低下し、唾液の分泌が少なくなってしまいます。

このようになると、口のなかから細菌が管を通じて入っていき、急性の唾液腺炎を生じることがあります。

唾液腺が痛みを伴ってはれ、排出管の存在部位の粘膜が赤くはれて、開口部からはうみが出ます。

石は自然に排出されることもありますが、多くの場合は手術が必要です。

排出管でも出口に近い部位にできたものでは、口のなかで排出管を切り開いて石だけを摘出することにより

容易に治療できます。

この手術では、まれに摘出部に粘液嚢胞(ねんえきのうほう)ができたり、結石が再発したりすることがあります。

腺に近い部位や腺内にできたものでは、腺ごと石を摘出する必要のある場合がありますが、

これを行えば再発することはありません。

 

(3)小唾液腺炎:

小唾液腺(口唇腺、口蓋腺、頬腺、舌腺など)に化膿性唾液腺炎が起こると、

小唾液腺が存在する部位の口腔粘膜の腫脹、発赤ならびに自発痛が現れます。

流行性耳下腺炎

過労や衰弱など全身の抵抗力が弱まった状態で多く発症します。

おたふくかぜ」と通称されます。

ムンプスウイルスによる伝染性疾患で、感染者の唾液の飛沫(ひまつ)で感染します。

小児、とくに2〜6歳児で感受性が高く、潜伏期間は2〜3週間です。

感染すると耳下腺をはじめ甲状腺(こうじょうせん)、睾丸(こうがん)、卵巣(らんそう)、膵臓(すいぞう)

などの腺性臓器に臓器障害を引き起こすことがあります。 

症状は発熱および頭痛、四肢の筋肉痛などの初期症状に続いて、耳下腺部の痛みと腫脹が現れます。

両側の耳下腺の腫れによって「おたふく」の顔になります。

発症から約7〜10日で軽快しますが、髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎の合併には注意が必要です。 

成人では、小児に比べ症状が重くなる傾向があります。

胃悪性リンパ腫

胃の悪性リンパ腫とはどのような病気なのでしょうか。

リンパ組織ががん化した悪性腫瘍

男性に多く、胃での発生は6割

悪性リンパ腫は、リンパ組織から発生した腫瘍で、免疫細胞が増殖して腫瘍を形成する悪性腫瘍をいいます。

このうち、全身のリンパ節が腫瘍化したものを「ホジキン病」、

主に胃や大腸に腫瘍細胞ができるものを「非ホジキン病」といいます。

そして胃の悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化した悪性腫瘍で、

全身のリンパ節が腫れたり、臓器に腫瘍ができたりします。

50~60歳代の男性に多く見られ、発生部位としては胃、小腸、大腸が挙げられます。

そのうち、最も多いのは胃で、約6割を占めています。

MALTリンパ腫(low grade B-cell lymphoma of MALT type)


胃原発MALTリンパ腫は,悪性度の低いリンパ腫として知られており、

病巣が多発し広範囲に及ぶ傾向にあるため,胃全摘術が選択されていましたが、

リンパ節転移の頻度は決して低いわけではなく,時に脾門部リンパ節を含む2群リンパ節

(『胃癌取扱い規約』第13版)までの転移が観察されています。

それでも,Type I,すなわち,MALT リンパ腫成分のみからなる腫瘍の

外科的切除による治療成績はきわめて良好でした。

 

しかし,現在ではHelicobacter pylori の除菌療法が胃原発MALTリンパ腫の治療の第一選択であり,

多くの場合,一定の時間をかけて病変は退縮します。


もともとHelicobacter pylori 陰性である場合や,除菌療法に対する不応例に対しては

これ以外の治療が必要となりますが,放射線療法や化学療法が有効な場合もあります。

MALTリンパ腫はびらん状の浅い病変が主体であり,

非外科的療法の合併症として重篤な出血や穿孔をきたす可能性はきわめて低いことから,

安易に手術療法,すなわち胃全摘術を選択することは避けることが望ましいと思われます。


ピロリ菌の除菌で腫瘍小さく

胃カメラでは、(1)腫瘍浸潤型 (2)腫瘍形成型 (3)広範浸潤型 

(4)浅い潰瘍型(早期胃がん型)のタイプを見極めることができます。

胃に発生する悪性リンパ腫には二つの形態があります。

一つは低悪性度の「胃MALTリンパ腫」で、B細胞リンパ腫の一種です。

ヘリコバクター・ピロリ菌が関与しているといわれ、まずは除菌療法を行い、

腫瘍が小さくなるかどうか経過を見なければなりません。

びまん性大細胞B 細胞性リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma;DLBCL)

化学療法と放射線治療が効果あり

もう一つは、高悪性度の「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」で、

小腸、大腸に発生するリンパ腫の中で、最も多いリンパ腫です。

胃カメラで組織を採取しただけでは悪性かどうか分かりづらい場合が多く、

手術後に初めて悪性リンパ腫と診断されることがあるので注意が必要です。

手術と化学療法または放射線治療を行います。

化学療法や放射線療法は、感受性が高いので、予後に期待がもてる治療法と考えられます。

血液・腫瘍内科を受診して

悪性リンパ腫の疑いがある場合は、血液・腫瘍内科の専門医によく相談した上で、

手術や抗がん剤治療を受けられることをお勧めします。

Lugano 国際会議で作成された消化管悪性リンパ腫の臨床病期分類

これまでわが国では,胃リンパ腫を胃癌と同様に局所的な疾患として取り扱い,

外科切除できるものは手術するという考え方で治療されてきた歴史があり,

現在でも胃リンパ腫の治療として外科切除を第一選択とする施設もありますが、

最近では,胃リンパ腫の治療は,化学療法や放射線治療など,非外科的な治療法が主体となってきています。

胃原発悪性リンパ腫は多彩な内視鏡所見を呈し、肉眼所見のみならず,

病理組織学的所見においても癌との鑑別が問題となる場合があります。

また,MALTリンパ腫とDLBCLの組織像がしばしば混在する点には注意が必要です。

原病死のみをイベントとして作成した生存曲線をみると,

Type Iは全例生存中であるのに対し,

Type IIからType IVにかけてはDLBCL 成分が多いほど早期に再発していますが,

長期にわたる観察の結果としては,どれもほぼ同じ生存率を示していました(図1)。

すなわち,DLBCL 成分の有無が予後を分ける可能性が示唆されています。

1)進行期(Lugano 分類でⅡ2 期以上)

DLBCL は進行期であっても治癒が望める悪性腫瘍であり,全身性の DLBCL と考え,

手術や放射線治療のような局所療法単独治療は行わない。

現在では,成人の全年齢層において

抗 CD20 モノクローナル抗体(リツキシマブ)併用 CHOP

(シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン)療法(R-CHOP 療法),

6~8コースが基本的な標準治療である。


 


2)限局期(Lugano 分類で病期Ⅱ1 期まで)

手術後化学療法3~4コースの治療群と化学療法単独群の治療成績は変わらないという報告もあるが,

手術した場合と化学療法放射線併用し,胃を温存した場合の全生存は変わらないため,

現在では手術の適応は穿孔や止血困難な出血がある場合などに限られている。

胃原発を含む限局期 DLBCL は,巨大腫瘤病変や予後不良因子(61歳以上,病期 Ⅱ期,血清 LDH 高値,PS2 以上)

を認めない限局期において CHOP 療法3コース後放射線治療群と CHOP 療法8コース群を比較した結果,

CHOP 療法後放射線治療群は5年の無増悪生存率が77%,全生存率が82%と

CHOP 療法単独群より有意に優れていたため
 
CHOP 療法3コース後放射線治療群が予後不良因子のない標準治療となった。

しかし,① 長期間のフォローアップをすると CHOP 療法 3コース+放射線治療群で

晩期再発が多い傾向がみられる,

② CHOP 療法8コース終了後放射線治療(30Gy)の有無で比較した臨床試験で,

放射線治療追加群は無病生存期間の延長や局所コントロールは可能になるが全生存期間は変わらない,

60歳以上のリスク因子のない患者では CHOP 療法 4コースと CHOP 療法 4コース実施後放射線治療(40Gy)群

との無作為比較試験の結果で全生存期間は変わらないなどの報告があり,

放射線治療の位置づけはやや不明瞭とも考えられる。

ただし,対象患者が少し異なることや長期間のフォローが完全でないことなどから

現時点で放射線治療が不要と結論づけることはできない。 

 
限局期胃 DLBCL のような予後良好群に R-CHOP 療法を行うことで,

さらに治療成績を改善させられるかが議論されてきたが,

(1)前述したように進行期DLBCLの標準治療は R-CHOP 療法であることと,

(2)主に限局期 DLBCL を対象とした臨床試験(MInT study)において IPI=0 の低リスク群においても

リツキシマブ併用化学療法が化学療法単独に比べてすぐれた結果を示していること,

(3)historical control との比較で,preliminary なデータであるが,

限局期 DLBCL 全体では R-CHOP 療法+放射線治療の成績が CHOP 療法+放射線治療より良好なため,

実際は RCHOP 療法+放射線治療が行われることが多い。

そのため,現在の治療方針として NCCN のガイドラインでは,

① 前述の予後不良因子がない場合は R-CHOP 療法3コース後放射線治療,

② 予後不良因子がある場合は R-CHOP 療法 6~8コースもしくは R-CHOP 療法3コース後放射線治療

が推奨されるとなっているが,PET を用いた治療効果判定基準が提唱されており,

今後化学療法後放射線治療の対象となる患者は減少するかもしれない。

また,胃腫瘤の大きさと治療方法の選択にコンセンサスのある明確な基準はないが,

参考として NCCN ガイドラインでは10cm以上の巨大腫瘤病変がある場合は
 
R-CHOP 療法6~8コース後放射線治療が推奨されるとなっている。

一方で,DLBCL は放射線や抗癌剤に対する感受性が高く,

放射線療法と化学療法(R-CHOP療法)の組み合わせで治療されており,

胃原発であるばかりに例外と考える理由はない。

胃原発DLBCLはしばしば巨大な腫瘍像を呈し,化学療法による出血や穿孔を危惧する見解もあったが,

そのリスクはきわめて高いとはいえず,

とくに欧米では胃切除術を行うことそのものの生命リスクとの兼ね合いがあるので,問題視されていない。

その一方で,胃が温存されることでの術後の食生活,QOLにおける価値は大きいといえる。

 

StageⅠ-Ⅱ1 の DLBCL については,胃癌に準じた D2 郭清を伴う胃切除術を行うことにより,

手術単独による治療でも90%程度の5年生存率を得ることができるとの報告がある。

しかし,再発は5年を過ぎてもみられている。

外科的切除後の再発の特徴は遠隔のリンパ組織に再発している点である。

DLBCL は一般に放射線治療と化学療法の組み合わせで治療されているが,手術は局所療法であり,

強いていえば放射線治療に置き換わるものである。

したがって,何らかの理由で照射を避け,外科治療を行った場合には,化学療法を追加しない限り,

標準療法と同等とはいえない。

反面,化学療法を行わない場合でも,胃癌に準じた手術を行うことにより,治癒の可能性は残される。

一方,治療不応例に対しては,外科治療で根治を求める立場から,

胃癌に準じたリンパ節郭清を伴う根治的な手術を行うことになる。

占居部位や腫瘍の大きさゆえに胃全摘が必要となる可能性が高い。

しかし、胃全摘を受けた直後の患者にとって,CHOP 療法は相当厳しい治療である。
 

 

胃原発悪性リンパ腫は主にMALT リンパ腫とDLBCL に分かれ,

前者は除菌療法,後者は放射線療法と化学療法が第一選択である。

しかし,両方の組織型が混在することも多く,その鑑別と治療,フォローアップには

同疾患の豊富な診療経験が役立つ場合がある。

手術療法は今や主流とはいえない。

胃原発悪性リンパ腫が疑われた場合には,経験豊富な内視鏡医,病理医,血液内科医の連携が必要となる。

 

 


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