山口県岩国市尾津町1-12-29
074_telephone 0827-34-0303
 
あなたは 3445701 番目の訪問者様です

« | »

群発頭痛

片頭痛と同じく機能性頭痛の1つです。

有病率は男性で0.4%、女性で0.08%と男女比は5:1で、圧倒的に男性に多く片頭痛とはまったく逆になります。

また片頭痛ほど頻度は高くありません。

発症年齢は比較的若く、20~50歳ぐらいに最も多くみられます。

頭痛の発作は数週間にわたって続きますが、その後まったく発作のない時期が数カ月から数年間続きます。

このようにある時期に集中して発作が頻発するために、“群発”頭痛と呼ばれています。

片頭痛と異なり、遺伝性はまれです。

 

眼の周囲を中心とした片側性で持続性の激しい痛みが特徴的です。

しばしば「きりで刺されるような」「目がえぐられるような」と表現されるように、耐えられないほどの強さです。

あまりの痛さに横になっていることもままらず、痛みをまぎらわせるために動き回らずにはいられない、

といわれています。

あまりの激しさにくも膜下出血ではないかと疑われるほどです。

片頭痛と異なり痛みが拍動することはありません。

痛みは眼の周囲だけでなく眼の奥深くにも感じられ、前頭部、側頭部や頬にしばしば放散します。

頭痛は夜間、とくに睡眠後1時間から2時間の間に生じる傾向があり、前兆や嘔吐を伴うことはありません。

毎日同じ時間帯に規則正しく再発することが特徴です。

一部で何年にもわたって慢性的に持続することがあります。

痛みに伴う症状として、  鼻閉(びへい:鼻づまり)、鼻汁(びじゅう)、結膜充血、流涙(りゅうるい)、

縮瞳(しゅくどう)、頬の紅潮や 浮腫(ふしゅ)などが出現します。

痛みの持続時間は15分から180分で、平均45分ぐらいです。

まれに痛みと同じ側で 眼瞼下垂(がんけんかすい)が生じることがあります。

痛みと同じ側の側頭動脈が発作中に怒張し、触れると痛み、頭部や顔面の皮膚が神経過敏になることもあります。

発作はほとんど再発のたびに同側に生じます。

 

原因としてはいろいろな説が唱えられています。

頭痛発作が1日のうちで同じ時間帯に生じることから、

日周期を支配している視床下部に原因があるのではないかとの説があります。

PET(ペット)という装置を用いて調べたところ、発作中に同部の神経核が活動していることが判明しました。

また発作中に血液中や尿中のヒスタミン濃度が上昇していることがわかっており、

ヒスタミン
が発作に関係しているのではないかともいわれています。

しかし抗ヒスタミン薬は痛みにまったく効果がありません。

ニトログリセリンなどの血管拡張薬や飲酒によって発作が誘発され、

逆に血管収縮薬(酒石〈しゅせき〉酸エルゴタミンなど)が痛みに有効であることから、

発作中には血管拡張が生じていることが推測されます。

また内頸動脈の血管造影中に発作が誘発されたことから、痛みは内頸動脈由来ではないかとの説もあります。

内頸動脈が拡張して動脈周囲に張り巡らされた交感神経線維を障害するために

縮瞳(しゅくどう:瞳が小さくなること)が生じたり、周囲の  炎症が副交感神経を刺激するために

流涙などが発生すると考えられ、群発頭痛に伴う 自律神経症状をうまく説明できます。

いろいろと推測されていますが、まだ原因は不明です。

片頭痛と同様に酒石酸エルゴタミン(カフェルゴット・クリアミン)が有効です。

夜間の発作に対しては、寝る前にエルゴタミンを服用すると予防的効果があります。 

カフェルゴット錠(1mg)(酒石酸エルゴタミン:血管収縮作用)  1回1~2錠


また発作発現前に、イミグラン点鼻液を吸入 するのも良いです。

群発頭痛が起きてしまったら、早い段階で酸素を吸入するのが効果的です。

酸素を多く吸うと、頭部の動脈が収縮して痛みが和らぎます。

純度100%の酸素を毎分7リットル、約10~15分吸入します。


携帯酸素

最近、日本でもスマトリプタンという セロトニン受容体刺激薬の注射が可能となりました。

イミグラン注(3mg)(スマトリプタン)  1ml皮下注射 1日1~2回

自己注射器

片頭痛と同様に群発頭痛に対しても有効です。

その他予防的な薬としては、ステロイドホルモン(プレドニン)、

カルシウム拮抗薬(ベラパミル)やリチウムなどがあります。

なお発作の時期にはアルコールが誘発因子となりますので、飲酒を控えることも大切です。

群発頭痛はなによりも予防が大切です

もっともエビデンスがあるのはカルシウム拮抗薬である

ベラパミル(ワソラン)錠(40mg)で3~6錠分3(保険適用外)服用します。

できれば6錠が良いです。

ただし有効率は6割程度です。

どうしても発作を抑制したいときにはステロイド(たとえばプレドニン、デカドロン)を短期間(1ヵ月以内)併用します。
 

ベラパミルの便秘、ステロイドに対する胃保護を併用します。