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過活動膀胱(overactive bladder、OAB)

 

尿意切迫感(排尿したくて我慢がきかない状態)

を自覚する場合、過活動膀胱の可能性があります。

その頻度は加齢とともに増加し、70歳以上では3割以上の方が

この病気にかかっていると考えられています。

生命的な危険はありませんが、生活の質を著しく低下させます。

 

原因
 

排尿筋が過剰に活動することが、過活動膀胱の原因であり、

神経因性(しんけいいんせい)と非神経因性に大別されます。

神経因性とは、神経に障害がある時にみられ、神経因性膀胱の一種ともいえます。

非神経因性とは、前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)などの

下部尿路通過障害や加齢変化、骨盤底筋障害などで生じます。

しかし、病因が特定できない場合も多いのです。

症状の現れ方

 

膀胱には、腎臓で集められた水分と体内の老廃物を尿として保持する機能があり、

膀胱が一定の大きさに達すると、尿意を脳に伝えて排尿を行うはたらきがあります。

過活動膀胱では、膀胱が大きさに関係なく尿意を発生しやすくなり、頻尿が起こります。

具体的な症状としては、

尿意切迫感(急に排尿したくなり、これ以上我慢するともらしてしまいそうになること)、

頻尿(1日8回以上排尿すること)

夜間頻尿(睡眠時間中に1回以上排尿に起きること)、

切迫性尿失禁(排尿したくなってすぐに我慢できずに失禁してしまうこと)

があります。

ただし、同様な症状を来す他の原因が明らかな場合、

たとえば下部尿路の炎症、感染症、悪性腫瘍、尿路結石などの場合は、

治療方法が異なるため過活動膀胱からは除外します。

症状が進行すると、排尿を意識的にコントロールしにくくなり、切迫した尿意が起こりやすくなるため、

トイレに行くのを我慢することができなくなります。

そのため、トイレに行く途中でもらしてしまったり、

トイレに頻繁に行きたくなるため仕事がはかどらなくなったりすることや、

寝ている最中に尿意で目が覚めて睡眠不足になることなどが度々あります。

検査と診断
 

診断は、

尿意切迫感を有し、通常これに頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状

という自覚症状のみで行われます。

主な検査としては、腹部超音波検査と膀胱内圧検査があります。

膀胱内圧検査は必ずしも必要ではないと考えられています。

しかし、尿閉を認める患者では内服薬により症状を増悪させる可能性があるため、

残尿量が超音波検査で50ml以上の場合には、

膀胱内圧測定などの専門的な検査を受けることが好ましいと考えられます。
 

治療の方法

治療法としては、薬物療法と行動療法が主体になります。

薬物療法では、

主に抗コリン薬(コハク酸ソリフェナシン〈ベシケア〉・酒石酸トルテロジン〈デトルシトール〉・

イミダフェナシン〈ステーブラ・ウリトス〉・塩酸プリピベリン〈バップフォー〉・塩酸オキシブチニン〈ポラキス〉など)

を用います。

膀胱を収縮させる信号として神経から「アセチルコリン」という物質が分泌され、膀胱に伝えられます。

このアセチルコリンのはたらきを弱めることで、膀胱の収縮を抑えるのが抗コリン薬のはたらきです。

また、α1受容体遮断薬(塩酸タムスロシン〈ハルナール〉・ウラピジル〈エブランチル〉・

ナフトピジル〈アビショット〉など)という薬も使用されます。

α1受容体遮断薬は、前立腺肥大症の治療薬として使用される薬ですが、

前立腺肥大症で長期間、下部尿道閉塞(尿が出にくい状態)が続くと、過活動膀胱の症状が出やすくなります。

前立腺肥大症の患者が過活動膀胱を呈する場合には、抗コリン薬よりα1受容体遮断薬を優先的に使用します。

行動療法には、

「生活指導」、「排泄介助」、「膀胱訓練」、「理学療法」が含まれます。

生活習慣を改善したり、機能の弱まった膀胱や骨盤底筋を鍛えたりすることによって、

尿トラブルの症状を軽減することが期待されます。