山口県岩国市尾津町1-12-29
074_telephone 0827-34-0303
 
あなたは 3349634 番目の訪問者様です

« | »

E型肝炎

E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(hepatitis E virus、 以下「HEV」という)の感染によって引き起こされる

急性肝炎(稀に劇症肝炎)で、肝細胞の破壊、肝機能の低下を示す病気です。

慢性化することはありません

HEVは経口感染(ウイルスに汚染された水や食品を飲食することにより感染)しますが、

ごく稀に、感染初期にウイルス血症をおこしている患者さん

(あるいは不顕性感染者)の血液を介して感染することもあります。

本疾患は、アジアやアフリカなどの衛生環境不良な発展途上国で流行する急性肝炎であり、

先進国では、発展途上国への旅行者が持ち帰る輸入感染症と考えられてきました。

しかし、渡航歴のないE型肝炎症例の解析などから、日本にすみ着いたウイルスが存在すること、

自然界における感染のサイクルは未だ不明ですが、

ブタ、イノシシ、シカなどの肉やレバーを生で食べることにより感染すること

輸血による感染も存在することなどが近年明らかにされてきています。

感染症法上、届け出対象となっており、年間40~70例の発症が報告されています。

症状

E型肝炎ウイルス(HEV)に感染した場合、不顕性感染が多いとされています(特に若年者)。

肝炎を発症した場合の臨床症状は感染後、2~9週間(平均6週間)の潜伏期間をおいて、

発熱、倦怠感(けんたいかん)、食欲低下、悪心、吐き気、腹痛などの消化器症状を示し、

肝腫大、肝機能の悪化(トランスアミナーゼ上昇・黄疸・γGTP、ALPの上昇

・アルブミン、コレステロール、コリンエステラーゼの低下など)が出現し、

大半の症例では安静臥床により1~2カ月の経過で完治しますが、稀に劇症化するケースもあり、

1~2%の死亡率を示します。

また、妊娠後期に感染すると劇症化率が高いという特徴をもち、死亡率が20%に達します。

また、大流行でも散発例の場合でも罹患率が青年と大人では高く、 

小児では低いこと(A型肝炎は通常小児の間で流行する)です。


診断

診断には発症直後の急性期と2週間ほど後の回復期のペア血清のHEV IgG抗体価の上昇をみる

のがよく使われる方法ですが、HEVの場合日本での感染の機会が少ないため、

肝炎を発症した時点で、血中に大量に産生されるHEVに対する特異的なIgM抗体検出が迅速、かつ有用です。

確実な検査法としては、核酸増幅検査(NAT、RT-PCR)によるHEV RNAの検出があげられます。

治療法


E型肝炎の治療方法は、現在のところ急性期の対症療法しかありません。

急性期には入院、安静臥床を原則とし、自然治癒を待ちます。

劇症化した場合には、血漿交換、人工肝補助療法、肝移植などの特殊治療が必要となります。

食欲がなく経口摂取不能な場合は、ブドウ糖、ビタミンなどの輸液が行われます。

なお、感染予防のためのワクチンはいまだ開発されていません。

予防

A型肝炎ウイルス及びE型肝炎ウイルスの感染経路は経口感染であり、

ウイルスに汚染された食物、水の摂取により罹患することが多いので、予防には手洗い、飲食物の加熱が重要です。

E型肝炎流行地域へ旅行する際は、飲料水、食物に注意し、基本的には加熱したもののみを摂取するように心がけ,

清潔の保証がない飲料水(氷入り清涼飲料を含む)、非加熱の貝類、自分自身で皮をむかない非調理の果物・野菜

をとらないように注意する必要があります。

E型肝炎は、中央アジアでの流行はに見られる一方、

東南アジアでは雨期に、 特に広範に洪水が起こった後に発生するといわれています。

E型肝炎は糞口経路によって伝播し、 中でも水系感染による大流行がこれまでに報告されています。

ウイルスは糞便から排泄され、糞便で汚染された水や食物から感染するため、生の食品はもちろん、

水、氷なども注意が必要です。

日本をはじめとする先進国でもE型肝炎の発生は時折見られますが、

大部分は発展途上国で感染をうけ、  帰国後発症した輸入感染例ですが、

近年、 日本や米国などで海外渡航歴の無いE型肝炎の散発的な発生例が報告されています。

1993年に採血された日本の健常人血清におけるHEV 抗体保有率は5.4%(49/900)で、

20代以下では非常に低く(0.4%)、 30代(6.2%)、 40代(16%)、 50代(23%)と

年齢が高いほど保有率も高いことが報告されています。

感染経路は経口感染であり、HEVに汚染された食物、水等の摂取により感染することが多いとされています。

ヒトからヒトへの感染は報告されていません。

E型肝炎ウイルスは妊婦や高齢者に感染すると劇症肝炎を発症し、

死亡する率が高いという研究結果があることから、

妊婦及び高齢者は特に野生動物の肉等を生で食べることを控えるべきです。

野生動物の肉等を生で食べることは避けることが望ましいと言えます。

 
これらの病原体は一般に通常の加熱によって死滅することが知られていることから、

野生動物の肉等を食べる際には加熱を十分に行うことにより感染を避けることができます。

加熱不十分な豚レバーが人にHEVを感染させる可能性が指摘されています。

なお、同一の豚レバーを食べた患者家族からの聞き取り調査およびHEV抗体検査により、

十分に加熱して摂食した家族では感染がなかったことが分かっています。

豚レバーなどに万一ウイルスが残っていたとしても、通常の加熱調理を行えばHEVは感染性を失うため、

豚レバーなどの豚由来食品を食べることによる感染の危険性はありません。

ハム・ソーセージ等の加熱済み食品についても、HEVは、63℃で30分間と同等以上の熱処理で感染性を失うため、

心配はありません。

なお、厚生労働省では腸管出血性大腸菌食中毒予防の観点から若齢者、

高齢者のほか抵抗力の弱い者については、生肉等を食べさせないよう従来から注意喚起を行っています。