胆嚢ポリープ

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胆嚢の内腔にできる粘膜の盛り上がりを胆嚢ポリープといいます。

健診や人間ドックでの超音波検査の普及に伴い発見率は高まっており、

その頻度は5~10%です。

良性のものがほとんどですが、

大きくなるとがんの可能性が高くなるので注意が必要です。

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形態からは、キノコのように茎を持つ有茎性ポリープ

茎がはっきりしない亜有茎性ポリープ

茎を持たず扁平に盛り上がる広基性ポリープなどがあり、

亜有茎性ポリープ・広基性ポリープの中にがんが含まれていることがありますが、

形態だけでがんかどうか断定はできません。



原因は何か

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胆嚢ポリープには、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープがあります。

腫瘍性のポリープは、胆嚢内腔の粘膜細胞が増殖してできます。

良性(腺腫せんしゅ)と悪性(がん)がありますが、これらができる原因はわかっていません。

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一方、胆嚢ポリープの中で最も多いのは、非腫瘍性のコレステロールポリープです。

コレステロールポリープは、

胆汁中のコレステロール成分が胆嚢粘膜に沈着してできます。

多発することが多く、数mm以内のものが多いです。

コレステロールポリープはがんになることはありません。

 

胆嚢の小隆起性病変の内訳

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過形成ポリープ(胆嚢上皮細胞が過剰に増殖)、

 

炎症性ポリープ(上皮細胞の下にある粘膜固有層の増殖によるもので慢性胆嚢炎などにより発生)

 

は良性のポリープです。

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胆嚢腺腫は単発で生じて、基本的には良性ですが、

一部に異型細胞を伴い癌化する可能性もあります。

大きさが10 mmを超えた場合は癌を疑います。


症状の現れ方

胆嚢ポリープは、ほとんどの場合、症状が現れることはありません。

胆石症、胆嚢炎などの合併症があれば、みぞおちの痛みや不快感など出現します。

 

腫瘍性のポリープでがん化し大きくなった場合には、

鈍痛や体重減少などの胆嚢がんの症状が出ることもあります。


検査と診断

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本疾患の診断には超音波検査が有用であり、

ポリープの大きさや数、形を調べます。

ポリープの大きさが10mm以下で数が多い場合には、

コレステロールポリープの可能性が高くなります。

反対に、大きさが10mm以上で、ポリープの茎が太く、

盛り上がりの少ない形はがんを疑います。

精密検査としては、造影CTや超音波内視鏡検査を行います。

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超音波内視鏡とは先端に超音波の機械がついた内視鏡を用いて行う検査で、

胆嚢により近い胃や十二指腸までその内視鏡を挿入し、

胆嚢壁の層構造の変化を調べ、

造影CT検査にて血流を持つポリープか否かをみます。

胆嚢内の組織検査については極めて難しく、

一般的には行われていないのが現状です。


治療の方法

5mm以下の胆嚢ポリープは1年ごと、

6~10mmの胆嚢ポリープは6カ月ごとに超音波検査を行って、

大きくなっていないかなど、がん化の兆候を定期的に確認します。

10mmを超えるものは、超音波内視鏡などで精密検査を行います。

明らかに良性と診断された場合は経過を観察しますが、

がんが否定できない場合には、胆嚢摘出術を行います。

術中検索あるいは術後病理診断で悪性所見あれば、

追加の手術(肝床切除やリンパ節郭清など)を行う。

 

 大きさが10mmを超える胆嚢ポリープの25%にがんが認められています。


健康診断などで胆嚢ポリープと診断されたら、

ポリープの大きさや形に応じて定期的な超音波検査が必要です。

健康診断や人間ドックの際に腹部超音波検査で偶然にみつかることが多い。

 

 

予後については、良性疾患に関しては良好であり、

癌に関してはその進行度によります。

 

たとえ悪性であっても早期なら完治率は高くなります。

胆嚢ポリープの特徴

大きさ 形態など
コレステロール ほとんど10 mm以下 多発 桑の実あるいは金平糖状
過形成性、炎症性 通常5 mm以下 無茎性隆起
腺腫 10 mm前後が多い 単発 小結節状、血流あり
10 mm以上が多い 単発 表面不整、血流あり

 

脳の血流を増やすには

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  街中で知り合いに会って即座に名前が出てこない、
ちょっと前まで手にしていた携帯や家の鍵をどこに置いたか思い出せない……。
こんな風に、脳の老化を感じることはありませんか?
脳の神経細胞は140億個以上あります。
それが20歳を過ぎると1日に10~20万個もの細胞が減少。
日々、脳の老化は起こっているのです。
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上のグラフの通り、脳の血流量は、女性も男性も、
70歳になると、15歳のときに比べると、30%以上減少します。
*1989 Hagstadius & Risberg の調査によります。

脳の活性化には、脳内の血行をよくすることが重要であり
脳が活発に活動するためには、大量の酸素やブドウ糖が必要になります。

 

 

全身の血行がよくなって脳に十分な血液が行きわたり、さらに脳内の血流もよくなれば、

 

必要な酸素やブドウ糖が細胞にしっかりと届くので、脳の活性化につながります。

 

 

脳の血流量を増やす方法

 

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 1. 有酸素運動
有酸素運動が認知症の予防と改善に効果があることは、多くの研究から裏付けられています。
有酸素運動は、ウォーキング、ジョギング、水泳、エアロビクスエクササイズなど、
軽くても長く運動することで、心拍数を増加させ、呼吸器・循環器系の機能を高めます。
最低1週間に3回、30分以上の有酸素運動を行ないましょう。
もっともやり過ぎは禁物です。
脳への血流を増やす観点からのベストの運動時間は、1週間に3時間程度だそうです。

運動による筋肉の収縮は、血液の循環を促進するポンプの働きがあります。
また、有酸素運動で酸素をしっかり取り入れると、脳にも大量の酸素が供給されます。

 

軽いウォーキング程度の運動でも、脳を活性化することができるのです。

 

高齢になっても、積極的に体を動かしている人は、認知症になりにくいという調査結果もあります。

脳トレーニング
「頭は使っている人はボケない」とよく言われますが、
各種の脳トレーニングも、僅かずつですが、脳の血流を増やします。
より効率的に血流を増やすには、運動を伴いながら脳を働かせるエクササイズが良いです。
最新の研究では、左右非対称運動をしながら、バランスを取ることにチャレンジする運動
がもっとも有効な方法であって、血流量の増加に加えて、脳細胞の発達や神経発生の促進、
右脳と左脳の情報交換の改善などの効果も見られたと報告されています。
3.瞑想
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瞑想も脳の血流を良くするのに有効です。
瞑想は呼吸に注意を払いながら行ないますので、自然に呼吸が深く大きくなって、
脳にたくさん酸素が送られ、血流が良くなります。
また、リラックス効果が高いので、アルファ波状態になることも、
血流を良くすることにつながっていると言えます。
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最近、短い昼寝が認知症の予防改善に良いと言われ始めましたが、
昼寝にも瞑想が同じ効果(呼吸が深くなる、リラックス)があるのだと考えます。
4.禁煙
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ニコチンは血管を収縮させますので、脳の血流が悪くなる方向で働きます。
また、血圧が上がり、長期的には動脈硬化の原因にもなります。
禁煙は、血流を元に戻すために先ず実行しなければならないことです。
5.カフェインはほどほどに
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少量のカフェインは、脳の健康にとって有益です。
でも、摂り過ぎは血流を制限し、認知障害の遠因となります。
コーヒーでしたら1日2~3杯までといったところでしょうか。
6.血液をサラサラにする
血液の流動性を高める食品をたくさん摂ることも当然ながら大事です。
  ・オ「お茶」(オリ-ブオイルという説もあり)
  ・サ「魚」
  ・カ「海藻類」
  ・ナ「納豆」
  ・ス「酢」
  ・キ「キノコ類」
  ・ヤ「野菜」
  ・ネ「ネギ類」
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加えて、抗酸化作用のあるものとして知られている食品も、
心がけて摂るようにしましょう。
  ・ブルベリー(アントシアニン)
  ・そば(ルチン、ケルセチン)
  ・シソ(ロズマリン酸)
  ・ゴマ(ゴマリグナン)
  ・トマト(リコピン)
  ・リンゴ(ペクチン)など
  ・赤ワイン(フラボノイド、カテキン、アントシアニン、タンニンなど)
7.サプリメント
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サプリメントも脳の血流を増やし認知機能を高めるのに役立つと言われます。
  ・ビタミンCとビタミンE
   ビタミンCとEを組合わせて摂ることで、高い活性酸素除去効果があります。
脳が一生懸命働く際には、脳細胞は多量のエネルギーを消費します。
その多量のエネルギーはどうやって産生されるかというと、
脳に多量の血液が流れてきて脳細胞に十分な酸素とブドウ糖を供給し、
脳細胞がその酸素とブドウ糖をもとにエネルギーを生み出すのです。
141013-00つまり、脳が一生懸命働いていれば、否が応でも脳には十分な血液が流れ
てきて、脳を若々しい状態に保ってくれるのです。
脳を一生懸命働かせるとは、例えば、ある程度ストレスがかかる環境にい
て、責任あるポストについている場合などが良い例になります。
失敗しないよう、損をしないよう、脳は細かく気を配り、状況を把握しな
がら迅速に判断を下してフル回転で働いているはずです。
会社を経営している人や政治家などがこれに相当します。
そういう人の大半は70歳や80歳を超しているとは思えないほど若々しく見えます。
ちなみに、見かけが若々しい人は脳も若々しく保たれているのが普通です。
そのような環境にいた人が、引退して、何の責任もストレスもなくなり、
訪ねてくる人もほとんどいなくなったら、数か月ないし数年のうちに忘れっぽくなり
認知機能が低下する場合がよくあります。
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最も好ましくないのは、朝遅く起きて、朝食後はテレビの前でコックリ、コックリ
 
と居眠りし、一日中ほとんど居眠りしながら過ごすケースです。これは認知症に到
 
達するための近道を歩いているようなものです。
脳が働きすぎてパンクすることはありません。
できる限りいろいろなストレスや緊張感を与えて脳を刺激し、
 
脳が働くように仕向けるのが認知症にならないための秘訣です。
 
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                 ぼけ予防協会が推奨する「認知症予防の10か条」

朝ごはんで脳を活性化
朝ごはんで脳を活性化

脳が活動をするには、動くためのエネルギーが必要です。

脳は夜寝ている間も活動を続けているので、朝目覚める頃にはエネルギーは空っぽ。

そのため、朝食でエネルギー補給をしなければ、昼食まで脳の動きは鈍ったままになってしまいます。

すると、脳が活発に動けなくなり、若返りが促進できません。

また、寝ている間は体が節約モードになっているので、体温は覚醒時よりも下がっています。

朝は、できるだけすばやく体温を上げて、活動モードにするのが大切。

朝食には熱になって体温を上げる手助けをし、代謝や血液循環を高めるはたらきもあるので、

必ず食べるようにしましょう。

脳を若返らせる栄養素

脳が活発に働くと、大量の酸素とブドウ糖が使われます。

その結果、脳のはたらきを邪魔する要因の活性酸素が発生します。

この活性酸素を解消するには、抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂るのがおすすめです。
緑黄色野菜のβ-カロテンビタミンCビタミンEのほか、

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植物性食品に豊富なフィトケミカルには強い抗酸化作用があります。

魚に含まれるIPA(イコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)という脂肪酸は、

抗酸化作用で血液をサラサラにする効果があり、脳の血行をよくします。

また、脳の信号を伝える部分の材料としても使われ、あらゆる方法で脳の活性化をサポートします。

新しいことに挑戦!

脳は常に活動し、さまざまな信号が細胞を出入りしています。

その量を増やすのが、脳を若返らせる秘訣です。

運動や食事で刺激を与えたりエネルギーを供給するのはもちろん大事ですが、

何かひとつの方法だけで理想通りの効果が出るとは限りません。

脳を活性化するには、運動や食事に加えて考え方も変化させて、

自然と脳を活性化する生活習慣を行うのが有効です。

考え方を変化させるには、今までやったことがないことに挑戦するとよいでしょう。

いつも同じパターンの行動を繰り返すだけでは、脳はあまり活性化しません。

脳のアンチエイジングは、物忘れを防ぐのに加えて、毎日の生活をより楽しくすることにつながります。
これまでとは違う分野の趣味を持つ、知らない土地を旅行するなど、新しい経験は脳の活性化に効果的。
また、仕事でもプライベートでも、新しいことにどんどんチャレンジすると、新しい発想を生み出します。
この新たな発想こそ元気の源。
脳だけでなく全身の健康づくりにも役立つのです。
好奇心を大切に、新しいことに挑戦しながら、いきいきと魅力的な健康人を目指しましょう。

 

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認知症を予防する方法のなかで、もっとも確実でだれにでもできるのが「ウォーキング」です。

まったく運動をしない人と、適度な運動(1日40分以上の歩行程度)をした人を比べると、

適度な運動をしていた人に認知症の発症が少ないという研究があります。

歩くと脳血流が増えるのをご存知ですか。大きな筋肉を動かすと、そこを動かすために脳が働きますから、

脳へ行く血液の量も増えることになるのです。

ネズミの実験では、クルクル回る輪の中を走らせたネズミと、運動をできなくしたネズミを比べると、

運動をしたネズミの記憶力がアップすることがわかっています。

運動が記憶力アップにも関係するのです。

昔から哲学者は歩きながら考えたと言われますが、

そのほうが頭の回転が速くなることを経験的に知っていたからかもしれません。

医学的には、脳血流が増えることがそれをサポートしているのでしょう。

 

また歩くだけで、神経細胞を刺激して活性化する物質である神経栄養因子が増えることもわかっています。

歩くことで神経細胞どうしのネットワークもできやすくなってくるのです。

考えがうまくまとまらない時は、思い切ってしばらく歩いてみてはどうでしょうか。

 

歩くことそのものが脳を刺激するだけでなく、視覚的な体験もさらに脳にとってはいい刺激なのです。

脳の中に新しい地図が完成していくようなものです。

生活習慣病の予防のためにも歩いてみましょう。

メタボリック症候群が話題になっていますが、

体重を基準値まで減らすこと、善玉コレステロールを増やすことの二つは非常に大切です。

この二つを同時に改善していくには、やはり歩くことが欠かせません。

 

脳を活性化することばかりに注目が行きますが、基本はまず生活習慣病の予防であり、

メタボリック症候群であれば、そこから脱出しなければいけません。

そのためにも歩くことがもっとも確実な改善策です。

実際に歩き始めてみると、禁煙と同じようなもので、

始めるきっかけさえあれば、それほど大変なことでないことがわかります

食道静脈瘤

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 食道静脈瘤とは、肝硬変かんこうへんや慢性肝炎、あるいは門脈もんみゃくや肝静脈の狭窄きょうさく・閉鎖によって門脈圧が上昇し、

その結果、食道の粘膜下層の静脈が太くなって、さらには破裂するものです。

その結果、吐血や下血が起こります。

肝硬変の死亡原因の主要なもののひとつで、緊急治療を要する恐ろしい病気です。


 


原因

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胃や腸の血液は集って門脈へ流れ込み、これが肝臓を通って心臓へもどります。

腸で吸収した栄養物を肝臓で処理して自分の体で使えるものに変えています。

胃や腸の血液は肝臓を通る必要があるのですが、肝硬変や慢性肝炎では血液が通りにくくなります。

門脈や肝静脈の狭窄・閉塞でも、同様に門脈に血液が停滞して門脈圧が亢進してきます。

そうすると血液は別の道を通って心臓にもどろうとします。

その道のひとつが食道や胃の粘膜下層の静脈で、

だんだんと太くなって食道静脈瘤や胃静脈瘤となるわけです。

毎日食物が通る道でもあり、静脈瘤が高度になると破裂して出血することになります。


症状の現れ方

 

 食道静脈瘤も胃静脈瘤も、それ自体は痛くもかゆくもありません。

肝炎や肝硬変になっても、気がつかずに経過している人も多数います。

突然吐血して初めて気づくことになります。

時にはタール便が続いて出血に気づくこともあります。


検査と診断

判定因子 記号 細分
1 占拠部位 L Ls 上部食道まで認める静脈瘤
Lm 中部食道まで認める静脈瘤
Li 下部食道まで認める静脈瘤
Lg 胃静脈瘤 Lg-c:噴門輪に近接する静脈瘤
Lg-f:噴門輪より離れて孤在する静脈瘤
2 形態 F F0 静脈瘤として認めないもの
F1 直線的な細い静脈瘤
F2 連珠状の中等度の静脈瘤
F3 結節状あるいは腫瘤状の太い静脈瘤
3 基本色調 C Cw 白色静脈瘤
Cb 青色静脈瘤
4 発赤所見 RC RC(-) 発赤所見をまったく認めない
RC(+) 発赤所見を限局性に少数認める
RC(2+) RC(2+)と(3+)の間
RC(3+) 発赤所見を全周性に多数認める
5 出血所見 出血中の所見 噴出性出血
にじみ出る出血
止血後の所見 赤色栓
白色栓
6 粘膜所見 E びらん
Ul 潰瘍
S 瘢痕

 診断の第一は内視鏡検査です。

食道静脈瘤の存在の有無、存在した場合はどのような形態の静脈瘤がどの位置にあり、

色調は白いか青いか、また赤色所見があるかどうか、などをみることができます。

また、出血例では出血源が確かに食道静脈瘤からで、胃潰瘍などからではないことも確認できます。

その他、超音波検査(エコー検査)、CT、超音波内視鏡、血液検査なども行われます。


治療の方法

 食道静脈瘤が破裂して吐血している時は、まず点滴で輸液・輸血を行います。

出血が著しい場合は、

ゼレグスターケンブレイクモアチューブを挿入して風船をふくらませて圧迫止血をします。

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循環動態が落ち着いていて出血がそれほどでもない場合は、

緊急内視鏡を行って診断とともに内視鏡治療を行います。

 

内視鏡治療には、内視鏡的硬化療法(EIS)と内視鏡的静脈瘤結紮けっさつ術(EVL)があります。

EISは静脈瘤に内視鏡を使って針を刺し、硬化剤を注入して静脈瘤を閉塞させる方法です。

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EVLは内視鏡的に静脈瘤を輪ゴムで結紮して壊死えし脱落させる方法です。何回か治療することが必要です。

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静脈瘤を吸引する
リング(ゴム輪)を押しだし
静脈瘤を縛る
あとは壊死して脱落を待つ

そのほか、血管内にカテーテルを挿入して治療する方法も行われます。


病気に気づいたらどうする

血液検査などでウイルス性肝炎の既往や肝機能異常が発見されたら、

内視鏡検査を受ける必要があります。

出血の危険性が高ければ内視鏡的治療を受けることをすすめます。

原発性胆汁性肝硬変

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肝臓には肝細胞でつくられた胆汁が排泄される管、すなわち胆管系があります。

これは、肝小葉内の隣接する肝細胞により形成される毛細胆管もうさいたんかんに始まり、

細胆管さいたんかんをへて門脈域にある小葉間胆管しょうようかんたんかんに続いています。

さらに、これが集合して太い隔壁胆管かくへきたんかんになって肝管かんかんに連続しています。

肝門部で左右の肝管が合流して総肝管そうかんかんとなり、

肝外胆管に移行して総胆管へとつながっていきます。

 

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原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、中年の女性に発生することが多い特徴的な病気です。

肝臓のなかの小葉間胆管から隔壁胆管にかけての部位が、

自己免疫の機序(メカニズム)によって徐々に破壊されるために胆汁の流れが悪くなり、

その結果「慢性肝内胆汁まんせいかんないたんじゅううったい(慢性非化膿性破壊性胆管炎)」が起こり、

最終的には肝硬変へと進行する病気です。

したがって、原発性胆汁性肝硬変という病名は病気の最終段階の病態を示したもので、

最初から肝硬変で始まるというわけではありません。

事実、ほとんどは肝硬変になる前に診断されているので、

原発性胆汁性肝硬変と診断されても肝硬変になっていない人が大部分です。

日本では、旧厚生省「難治性の肝炎」の調査研究班(1992年)により、

下記に示すような診断基準が定められています。


原因は何か

 

 この病気の胆管破壊には、

胆管上皮たんかんじょうひ細胞を標的とした自己免疫反応が関係していると考えられていますが、

その発症機序が完全に解明されているわけではありません。

しかし、各種自己抗体が陽性で、しばしば他臓器の自己免疫性疾患

(たとえば、シェーグレン症候群慢性甲状腺炎まんせいこうじょうせんえん関節リウマチなど)を合併するなど、

自己免疫性疾患(膠原病こうげんびょうとしての特徴をもっています。

 最近、小葉間胆管もしくは隔壁胆管における主要組織適合性複合体

(MHCクラスI、II抗原)の異常な表出と細胞障害性T細胞の作用、

抗ミトコンドリア抗体の対応抗原のひとつであるピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体

(PDC)のE2成分(PDC‐E2)の胆管上皮への表出とこれを標的とした免疫反応など、

胆管破壊に関係する自己免疫性反応が報告されています。

 原発性胆汁性肝硬変は、母娘、姉妹での発症例の報告があることから、

その発症に何らかの遺伝的要因の関与も推定されています。


症状の現れ方

 

 慢性の肝内胆汁うっ滞の結果として、初発症状としては皮膚のかゆみが最も多く、黄疸おうだんがこれに続きます。

このような症状がみられる場合を「症候性原発性胆汁性肝硬変しょうこうせいげんぱつせいたんじゅうせいかんこうへん」と呼びます。

黄疸がいったん現れると、消えることはなく少しづつ増えることが多いようです。

そのほか、脂質異常症高脂血症)に由来する皮膚の黄色腫おうしょくしゅ(もしくは黄色板)、肝腫大、

カルシウムとビタミンDの吸収障害による骨粗鬆症こつそしょうしょうなどを伴います。

 また、門脈圧亢進症状が高頻度に現れるため、食道静脈瘤しょくどうじょうみゃくりゅうとその破裂による出血もみられます。

少数ですが、肝硬変になる前から門脈圧亢進が先行して、食道静脈瘤や脾腫ひしゅによる血小板減少を伴って、

最初に食道静脈瘤で発見されたり、また、その破裂による消化管出血を初発症状とする患者さんがいます。

 長期の胆汁うっ滞が続くと、最終的には胆汁性肝硬変となり、

高度の黄疸、腹水、浮腫、出血傾向、門脈圧亢進に関連する脾腫、血小板減少症など、

通常の肝硬変の肝不全時にみられる症状が現れるようになります。

 一方、皮膚のかゆみや黄疸などの症状が認められない場合は「無症候性原発性胆汁性肝硬変」とされます。

 最近では、新たに診断される人のほぼ3分の2は無症候性であり、

その多くは検診あるいは他の病気の治療中に偶然発見されています。

無症候性と診断された人の多くは症状が出ないまま経過することが知られていますが、

どの患者さんがやがて進行して症候性になるのか、

また無症候性のまま経過するのかは臨床的に判別することはできません。


検査と診断

 

 肝内の初発病変は、小葉間胆管あるいは隔壁胆管などの中等大の胆管にあり、

その部位の炎症性変化により胆管が破壊されるために、胆汁の流出が阻害され、

それに伴って胆汁成分が血中で増加します。

 一般的な血液検査での特徴は、赤沈の亢進、アルカリホスファターゼ(ALP)、

γガンマ‐GTP、およびLAPなどのいわゆる胆道系酵素の血中レベルの上昇で、

そのほか、高コレステロール血症

血清銅値の上昇がみられます。

 銅は、十二指腸や小腸上部で吸収され、肝に運ばれます。

肝にて、銅は、セルロプラスミンという銅結合蛋白質となり、血液中に流れて行きます。

また、脳や骨髄(造血器)など全身の諸臓器に必要量が分布し、

過剰な銅は肝から胆汁中に排泄され平衡を保っているのです。

しかし、肝臓での銅代謝が障害されると肝臓中に取り込まれた銅がセルロプラスミンと結合できず、

胆汁中へ銅が排泄されず、肝臓に貯まっていきます。

そして、肝臓からあふれて血液中へ流れ出た銅が、脳・角膜・腎臓などへ蓄積します。

 

胆汁の流れが悪くなるために、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンの吸収も悪くなるので、

骨粗鬆症が悪化する原因になります。

 AST(GOT)、ALT(GPT)などの肝細胞障害を反映する検査項目は、

病気の初期には上昇がみられないか、もしくは軽度上昇にとどまります。

しかし、胆汁うっ滞が強くなって肝細胞障害が現れるとALT、AST値も上昇します。

 最も特徴的な検査所見は、IgMの上昇、抗ミトコンドリア抗体陽性、

抗ミトコンドリア抗体亜分画の抗M2抗体陽性などです。

 確定診断は、腹腔鏡下もしくは超音波下で肝生検を行って、

この病気に特徴的な「慢性非化膿性破壊性胆管炎まんせいひかのうせいはかいせいたんかんえん」の病理組織学的所見を確認することです。

 区別すべき疾患として、慢性肝内胆汁うっ滞症の共通した臨床像を示す薬剤起因性肝内胆汁うっ滞、

肝内型原発性硬化性胆肝炎、成人性胆管減少症、閉塞性黄疸などがありますが、

いずれの病気も抗ミトコンドリア抗体が陰性です。


治療の方法

 

(1)日常生活と食事

 診断が確定したあとは、定期的な検査を行って経過観察をする必要があります。

無症候性の場合はもちろん、症候性であっても、症状が比較的落ち着いていたり、

ウルソデオキシコール酸(UDCA:ウルソ)などの服用で経過が良好な場合も、

同薬剤の服用を続けながら普通の日常生活が可能です。

 食事は銅含有量の多い食品(貝類、レバー、キノコ類、チョコレートなど)を避け、

胆汁分泌が不良であることを考慮して、脂肪をとりすぎないように注意します。

とくに黄色腫や高コレステロール血症が明らかな場合には、高脂血症に準じた食事療法が大切です。

 骨粗鬆症は中年以降の女性では注意が必要なので、カルシウム、リン、亜鉛などのミネラルの摂取と

適度な運動による骨塩量の減少予防対策が重要です。

(2)薬物療法

 確立した治療法はありませんが、

そのなかで有用性が認められているのはウルソデオキシコール酸(ウルソ:UDCA)と肝移植療法です。

そのほか、対症的に、高脂血症にベザフィブラート(ベザトールSR)の内服を、

皮膚のかゆみにコレスチミド(コレバイン)や抗ヒスタミン薬(ポララミン、ジルテックなど)の内服を、

そしてビタミン吸収障害に脂溶性ビタミン製剤(A、D、K)の注射などで、それぞれ投与します。

 コルチコステロイド(副腎皮質ホルモン薬)は、

初期の原発性胆汁性肝硬変や自己免疫性肝炎を合併している場合に適応されますが、

長期に服用すると骨粗鬆症を悪化させます。

眼の乾燥、口腔乾燥などのシェーグレン症候群に対しては、対症的に人工涙液・唾液などを用います。

 原発性胆汁性肝硬変に対するUDCA療法では、治癒するという報告はありませんが、

血液生化学検査ではALP、γ‐GTP、総ビリルビン、トランスアミナーゼなどが改善するとされています。

アルブミンや凝固能は変わりません。

また、皮膚のかゆみや全身倦怠感けんたいかんなどの自覚症状は変わらないという報告が多くみられます。

最も重要な肝生検組織像や生存率に及ぼす影響については、一致した見解はありません。

 UDCA療法が普及して十数年が経過して、この病気の生存率は改善されてきたような印象を受けます。

しかし、実際には経過がゆっくりであり、また患者さんによって進行がさまざまなので、

肝組織や生存率の改善の効果判定には、

多数の患者さんについてより長期に観察する必要があると思われます。

 最近、高脂血症治療薬のベザフィブラートには、

胆汁うっ滞による胆管障害とそれに伴う炎症の改善、

免疫調整作用など多様な効果があることが明らかにされています。

ベザフィブラート単独、もしくはUDCAとの併用療法が

肝内胆汁うっ滞の改善に有効との報告があります。

(3)肝移植かんいしょく

原発性胆汁性肝硬変は肝移植のよい適応疾患です。

日本では、欧米と異なって脳死肝移植はまだ少数で、

生体部分肝移植が行われることが多くなっています。

米国のピッツバーグ大学における脳死肝移植の成績では、

原発性胆汁性肝硬変を含む胆汁うっ滞性肝硬変は、

適切な移植時期を選択することで移植後の5年生存率は70%を超えています。

移植時期を決定するための予後予測モデルが開発されていますが、

病期の進んだ患者さんでは移植後の生存率は低くなっています。

低カリウム血症

体内のカリウムの98%は細胞内にあり、2%が血液中など細胞外に存在しています。

しかし、血液中のカリウムは細胞のはたらきを調節するうえでとても重要で、

この値が乱れると全身に重大な障害が生じます。

通常、血液中のカリウム濃度は3・5〜5・0mEqlという狭い範囲内で維持されていますが、

3・5mEql以下に低下した状態を低カリウム血症といいます。

 

低カリウム血症が起こる原因は、

 

(1)カリウムの摂取量が少ない

(2)体外に出ていくカリウムの量が多い

(3)血液中から細胞のなかにカリウムが取り込まれてしまう

 

の3つがあげられます。

 

(1)の原因としては拒食症(きょしょくしょう)、大酒家など長期間にわたって偏った食生活をした場合です。


(2)の原因はさまざまですが、

下痢や嘔吐などで消化管から消化液とともにカリウムが失われてしまう場合や、

利尿薬や副腎皮質(ふくじんひしつ)の病気アルドステロン症クッシング症候群など)により

腎臓から尿中にカリウムが失われてしまう場合などがあります。

漢方薬に含まれる甘草(かんぞう)の成分が腎臓で副腎皮質ホルモンの作用を増強して、

尿中に大量のカリウムが失われることもあります。


(3)はアルカローシスといって、何らかの原因で血液がアルカリ性に傾くことや

血糖を下げるインスリンというホルモンが血液中に増えることなどが原因になります。

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)の場合にもしばしば起こります。 

 

カリウムの低下で障害を受けやすいのは、筋肉(骨格筋や心筋)、消化管、腎臓です。

実際に現れる症状としては、軽症であれば脱力感や筋力低下など骨格筋の症状、

悪心(おしん)、嘔吐、便秘など消化管の症状、そして多尿、多飲など腎臓の症状が主体ですが、

重症の場合は四肢麻痺(ししまひ)、呼吸筋麻痺、不整脈、腸閉塞(ちょうへいそく)などに至ります。 

 

低カリウム血症を診断するには、血液中のカリウム濃度を測定するだけで可能ですが、

その原因を明らかにしなければ治療ができません。

前述のとおり、低カリウム血症には3つの大きな原因があるので、

そのうちのどれにあてはまるのかをまず明らかにします。

 

具体的には、食べ物、薬、点滴などによって体に入るカリウムと、

尿中その他に出るカリウムのバランスを調べるわけですが、

これには血液中、尿中の電解質濃度、動脈血ガス分析などの検査が必要です。

 

消化管からのカリウム喪失が疑われる時は消化管の検査(内視鏡検査など)が行われ、

腎臓からのカリウム喪失が予想されれば、腎機能検査や副腎皮質ホルモンの検査などが必要になります。

また、全身の症状を調べるために心電図や腹部のX線検査なども必要です。

 

治療の原則は、原因になっている状態を改善することです。

対症療法としてカリウムの補充も行われます。

軽症の場合は、まずカリウムを多く含む食事(野菜や果物)がすすめられ、

さらに経口カリウム製剤の内服が加えられます。

重い低カリウム血症や経口摂取が不可能な場合には点滴により補充されますが、

急激な血中カリウム値の上昇も逆に危険なので、時間をかけて慎重に投与されます。

 

また、場合によっては尿からのカリウム排泄を抑える薬(スピロノラクトン)を服用します。

この薬は、副腎皮質ホルモンのうちの鉱質コルチコイド(アルドステロン)の作用を阻害する薬で、

副腎疾患や甘草が原因の低カリウム血症にはとくに有効です。


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