吐き気

                吐き気

 

吐き気とは、みぞおちから胸の辺りがむかむかする不快感で、

悪心(おしん)ともいいます。

消化器をはじめ、心血管、脳神経、目や耳などさまざまな疾患が

原因となって起こり、生命に関わる危険信号の場合もあります。

 

胃や腸に原因がある場合には、

 

もっとも多い原因は急性胃炎急性胃腸炎です。

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食べすぎ飲みすぎやストレス、ウイルス、ピロリ菌の感染、食中毒、アレルギー

などが原因で胃の粘膜がただれ、みぞおちが突然キリキリと痛むことがあります。

胃痛の他に、吐き気や下痢、発熱をともなうこともあり、

ひどい場合は嘔吐や吐血、下血を起こすこともあります。

ウイルスではノロウイルスやロタウイルス、

細菌では黄色ブドウ球菌や病原性大腸菌などが有名です。

秋のきのこ狩りなどでのきのこや、海外でのなま水、ふぐなどによる食あたりです。

また、近年はカキやシジミなどの魚介類に生息するノロウイルス、

生肉などに生息するO157(病原性大腸菌)による食中毒も多くみられます。

周囲にかかっている人がいる、生ものや加熱が不十分なものを食べた、

不衛生な地域への海外旅行から帰ってきたばかりなどの場合は注意が必要です。

多くの場合、安静にしていれば2~3日で治まります。

 

肝炎、胆石症、膵炎

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肝炎ウイルスに感染して起きる急性肝炎では、黄疸、発熱、全身倦怠感、吐き気・嘔吐

などの症状があらわれます。また、胆汁が固まって胆のうに石ができる胆石症や

急性胆嚢炎などでも急な吐き気や嘔吐が起こる場合があります。

たんぱく質を分解する酵素が膵臓自身を攻撃してしまう膵炎も、

腹痛や吐き気、嘔吐、発熱や背中の痛み、右上腹部の鈍痛などの症状が

みられる事が多いとされています。

胆のうや膵臓の疾患は、脂肪の多い食事やアルコールの飲みすぎ

などが原因と考えられています。

 

急性虫垂炎(盲腸)

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盲腸の先についている虫垂という部分に炎症が起きる疾患です。

突然みぞおちやおへその部分が痛くなり、次第に右下腹部へと痛みが移動する

のが特徴で、吐き気や嘔吐、発熱をともないます。

放置すると重篤な腹膜炎を起こす危険性もあります。

10~30代に多く発症し、暴飲暴食、過労などが引き金

になって起きると考えられています。

 

腹膜炎

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内臓を包んでいる腹膜が細菌に感染して炎症が起きる疾患です。

急性虫垂炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどで胃や腸に穴が開いたり、

腸閉塞によって組織が部分的に死滅する壊死などが原因となります。

代表的な症状は腹痛ですが、その他に高熱、吐き気、嘔吐、呼吸障害などがあります。

適切な処置を行わないと、生命に関わる場合もあります。

 

腸閉塞

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さまざまな原因で腸の一部の通りが悪くなる腸閉塞では、吐き気の他にお腹が張る、

便秘、腹痛などの症状が出る場合があります。

過去にお腹の手術をした事がある人は腸閉塞のリスクが他の人に比べて高いため、

当てはまる症状が現れた場合は注意が必要です。

 

 

胃潰瘍/十二指腸潰瘍

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胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌や非ステロイド性鎮痛剤、ストレスなどが

主な原因で起こると考えられています。

強い胃酸と消化酵素によって胃や十二指腸の粘膜が局所的に欠損する疾患です。

胃潰瘍は食事中から食後にかけてみぞおち周辺に重苦しい痛みが起こりますが、

十二指腸潰瘍は早朝や空腹時にみぞおち周辺がシクシクと痛み、

食事をとると治まるのが特徴です。

共に胃もたれや吐き気、胸やけ、食欲不振をともないます。

 

胃がんは、胃にできる悪性腫瘍です。胃がんのリスクを上昇させる原因として、

ピロリ菌に感染していること、喫煙、野菜や果物の摂取不足などがあるといわれています。

自覚症状として、胃やみぞおちの痛みや不快感、胸やけや食欲低下が多いとされています。

特に胃がんが進み、胃の出口が狭くなった場合は、食べてしばらくしてから吐きます。

 

食道がんで狭くなった場合は、飲み込みにくくなり、食べてすぐに吐きます。

 

糖尿病性ケトアシドーシス

 

糖尿病でインスリンが不足すると糖を代謝できなくなり、

エネルギーを作るために脂肪が分解され、血液が酸性に傾いた状態を

糖尿病性ケトアシドーシスと呼びます。

口の渇き、意識がぼーっとするなど様々な症状を引き起こしますが、

吐き気や腹痛を伴うこともあります

 

 

脳や神経の病気

 

くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍

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くも膜の内側の動脈が破裂して、くも膜下腔に出血が起きるくも膜下出血では、

突然激しい頭痛と吐き気、嘔吐を生じ、意識を失って危険な状態に陥ることがあります。

脳内の細い動脈が破れる脳出血では、激しい頭痛や吐き気、手足のマヒ、片マヒ

などの症状があらわれます。脳腫瘍の場合も頭痛や吐き気が起き、腫瘍ができた場所

によって視力障害、言語障害などさまざまな症状があらわれます。

 

吐き気や嘔吐は比較的胃腸の病気である事が多いですが、脳梗塞脳出血脳炎髄膜炎など、

脳や神経の病気の症状として現れている可能性もあります。

脳梗塞脳出血の場合には呂律(ろれつ)が回らない、しびれや麻痺、頭痛髄膜炎

などの場合には高熱などの症状がよく見られます。

頭痛を伴う吐き気は、脳腫瘍や頭部外傷によって、

脳圧亢進(のうあつこうしん:脳がはれたりして大きくなること)

が生じた場合にみられることがあります。

めまいを伴う耳の病気

 

メニエール病・良性発作性頭位めまい症

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自分や周囲がぐるぐる回るめまいと、どちらか一方の耳にだけ起きる耳鳴り、

そして難聴の3つが同時に起き、多くの場合、強い吐き気や嘔吐をともないます。

過労やストレスが引き金になることがあります。

 

 

突発性難聴

 

突然、片方の耳に強い耳鳴りと難聴が起こり、その約半数がグルグルと回転する、

吐き気をともなうめまいに襲われます。

重い場合は、耳がまったく聞こえなくなります。

発作は一度きりで繰り返すことはほとんどありません。

ウイルス感染や内耳の血流障害が原因と考えられ、

過労やストレスが引き金になることが多いといわれています。

 

 

自律神経失調症

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精神的なストレスや過労が引き金となって自律神経が乱れ、

心や体に不調があらわれた状態です。

不安や緊張、抑うつなどの心のトラブルにより、吐き気をはじめ多汗、

全身の倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、

めまい、不眠などの状があらわれます。

 

うつ病など

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うつ病は気分が落ち込んだり、気力が出ない状態がつづき、

体そのものに不調を感じることも多い病気です。

体の症状のひとつとして吐き気や嘔吐があらわれる

場合があるといわれています。

 

 

緑内障

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緑内障は眼圧が上昇し、視野が狭くなったり、視力が低下する疾患です。

放置すると失明に至ることもあります。

緑内障の中には眼圧が急上昇するタイプがあり、目の激痛、頭痛や吐き気、嘔吐

などの症状が起こり、光の周りに虹がかかったように見えることがあります。

このような場合には発症48時間以内に早急に処置をしないと、失明の可能性が高くなります。

 

ストレス

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吐き気は、脳にある吐き気、嘔吐の司令を出す脳の特定の部分に、

末梢から自律神経が信号を送ることによっても起きます。

ストレスによって自律神経が乱れると、体にさまざまな症状があらわれますが、

胃腸症状の一つとして吐き気が起きる場合があります。

 

薬によるもの

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薬の副作用として吐き気が起きる場合があります。

代表的なものは、抗がん剤、モルヒネなどの医療用麻薬、

心不全の治療薬であるジキタリス製剤、

気管支拡張薬のテオフィリン薬、

貧血の治療に用いる造血薬(鉄剤)などです。

 

食べ過ぎ・飲みすぎ

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暴飲暴食により胃に負担がかかると、胃の粘膜に炎症が起きて、痛みや胸やけ、吐き気

などの症状が起きることがあります。

また、アルコールを飲みすぎることによって、肝臓がアルコールを分解する過程

でできる有害物質・アセトアルデヒドの解毒が間に合わなくなると、

防御反応として吐き気、嘔吐が起きます。

一度に大量のアルコールを摂取した場合やアルコールと相性の良くない方の飲酒などは、

急性アルコール中毒になる危険性もありますのでお酒の飲みすぎには十分注意しましょう。

 

妊娠

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妊娠初期に起こるつわりでは、朝の空腹時などに胸のむかつきや強烈な吐き気に襲われ、

吐くものの少ない嘔吐に苦しむことがあります。

妊婦の50~80%が経験するというつわりは、約6~8週間続きますがそれ以降はおさまります。

つわりが起こる原因は、ホルモンのバランスの変化や心理状態が関係している

のではないかと考えられています。

 

悪臭や煙、タバコの吸いすぎ

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不潔な場所や排気ガスの不快な臭いで嗅覚が刺激されると、吐き気を感じることがあります。

また、タバコを吸いすぎると、タバコに含まれるニコチンなどの

有害物質によって吐き気が引き起こされます。

 

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