十二指腸潰瘍

 

1. 十二指腸潰瘍とは

 

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fぎうd無題正常な十二指腸球部

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“指12本分を並べた長さがある”ということに由来する十二指腸は、胃と小腸をつなぐ消化管です。

25cmほどあります。

胃から送られてきた食物は、十二指腸で胆汁やすい液などの消化液とまざりあってさらに消化され、

小腸の一部となる空腸へ送られます。

 

この十二指腸の粘膜を自身の胃酸で傷つけてしまった状態が、十二指腸潰瘍です。

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十二指腸は球部(きゅうぶ)、下行部(かこうぶ)、水平部(すいへいぶ)の3つに分けられますが、

潰瘍がもっともできやすいのは、胃酸の影響を受けやすい入り口部分である球部です。

 

30~40代の若い世代が十二指腸潰瘍になりやすいと言われていますが、

10代から高齢の方まで幅広い世代に見られる疾患です。

 

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十二指腸潰瘍は胃酸の分泌が活発で分泌量の多い人がかかりやすい病気といわれています。

胃から分泌(ぶんぴつ)される胃酸の影響(えいきょう)を受けています。

ストレス、食事、喫煙(きつえん)、薬剤(やくざい)などの影響により、

粘膜を守るはたらきが弱くなってしまい、胃酸が十二指腸の粘膜を溶(と)かしてしまいます。

十二指腸の粘膜は胃と比べて酸に弱いため、胃酸の分泌(ぶんぴつ)が多いと傷つきやすくなります。

また、ヘリコバクター・ピロリ菌※(きん)が大きな原因になっていると考えられています。

 

十二指腸潰瘍の患者(かんじゃ)さんの約95パーセントが

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているといわれています

ピロリ菌が胃全体に感染していれば胃潰瘍に、胃の出口付近に感染していれば十二指腸潰瘍

になりやすいという報告があります。

ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリ。

ピロリ菌が胃の中に生息していることは、1982年、オーストラリアの研究者によって発見され、

それ以降、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療は大きく様変わりしました。

ピロリ菌は、おもに5歳以下の乳幼児期に、川の水や井戸水など衛生環境の良くない水を摂取したことや、

母子感染が主な感染経路だと考えられています。

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したがって、衛生環境の悪い時代に子どもであった高齢者ほど感染率が高く、

50歳以上の日本人の6~8割はピロリ菌に感染しているといわれています。

逆に、衛生環境が整い、食べ物の口移しなど母子感染にも注意を払うようになっている

若い世代ほど感染率は低く、20代では20%以下とされています。

ピロリ菌は一度感染すると、除菌するまで胃の中で生き続けます。

長期間、ピロリ菌に感染していると、ピロリ菌が作り出す様々な物質が胃の粘膜を傷つけ、

胃酸の刺激を受け続けることによって、胃潰瘍につながります。

そして胃酸の分泌が高い場合は、十二指腸に胃の粘膜がくっつき、

さらに胃酸が流れ込むことによって、十二指腸潰瘍になると考えられています。

さらに、ピロリ菌に感染している状態では、ストレスも潰瘍を引き起こす原因になるとされています。

ただし、感染している人のほぼ100%が軽い胃炎を発症しますが、

必ずしも胃潰瘍や十二指腸潰瘍になるわけではありません。

ピロリ菌に感染していてもほとんどの人が自覚症状なく過ごしていますが、

ピロリ菌による胃炎の一部は胃がんに進行することもあるため、注意が必要です。

 

ピロリ菌が生息する胃には非常に強い酸(胃酸)が分泌されているにも関わらず、

なぜピロリ菌は生きることができるのでしょうか。

ピロリ菌はウレアーゼという酵素をもっており、ピロリ菌の周りをアルカリ性にすることができます。

そのため菌の周りを中和することができ、強い酸から身を守ることができるのです。

またピロリ菌の端には複数のべん毛があり、べん毛の先には袋のような膜がついています。

ピロリ菌はべん毛によって素早く移動でき、

さらに胃の中でも酸の弱そうなところを探して生息していると言われています。

 

 

2.症状と診断

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典型的な症状としては、みぞおちの痛み。

胃潰瘍の痛みが食後3~4時間で起こるのに対し、十二指腸潰瘍の痛みは空腹時に起こるのが特徴です。

毎日のように襲ってくる疼くような痛みが特徴的です。

食事をすると胃酸が薄まるまで一時的に症状が軽くなります。

吐(は)き気、胸やけなどが起こる場合もあります。

 

また、潰瘍が治る過程で強い変形が起こり、

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幽門狭窄

(胃と十二指腸の間の管がせまくなり、食べ物が通りにくくなった状態)

などを起こすと食物の排出が障害され、嘔吐、食欲不振、体重減少などが

みられることもあります。

十二指腸潰瘍の症状がみられた場合、内視鏡検査(胃カメラ)、バリウム造影検査などを行い、

ピロリ菌の存在が疑われる場合は、ピロリ菌検査が行なわれます。

 

病気が重症になると、十二指腸潰瘍部からの出血で、吐血したり、

下血(真っ黒い便がでる)することがあります。

出血量が、多量の場合は輸血を行うこともあります。

さらに潰瘍が深くなり、十二指腸壁に穴があく(十二指腸穿孔)と、

腹膜炎を起こしてしまい、強い腹痛が出現します。

このような症状があらわれた場合は緊急に処置

(内視鏡的止血や外科的手術)が必要です。

 

 

3.治療

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治療は、潰瘍治療薬(PPI製剤)による内服治療が主流です。

 
十二指腸潰瘍は治癒しても再発することが多いので、継続的な観察が必要です。

 

ピロリ菌の存在が確認できた場合は、初発・再発を問わず除菌治療が第一選択となります。

ピロリ菌がうまく除菌できるとほとんどの方の潰瘍が治癒し、その後再発も少ないといわれています。

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ピロリ菌以外の原因で最近増えているのが、解熱鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)による潰瘍です。

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ピロリ菌による潰瘍に比べ症状が出にくいため、

吐血や下血などの症状が突然現れ、急性十二指腸潰瘍となることが多くあります.。

この場合は、薬の内服を止めることができれば潰瘍は治りますが、それができない場合は、

長期間にわたり胃酸の分泌を抑える薬を併用する必要があります。

 

患者さん本人が日常生活でできることは、

たばこ、アルコール、熱いものや辛(から)いものなどの刺激(しげき)の強い食べ物を避(さ)け、

消化のよいものを食べるようにすることが大切です。

ストレスを上手に解消してリラックスする時間を作ること、

働き過ぎ、過労にならないように気をつけること、十分に睡眠をとること、

食事に関しては決まった時間に食事をして暴飲暴食をしないこと、などです。

 

 

 

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