感染性胃腸炎・ノロウイルス

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下痢や嘔吐(おうと)などを引き起こす食中毒や感染性の胃腸炎は、

細菌、ロタウイルス、腸管アデノウイルスが原因になることもありますが、

多くを占めるのがノロウイルスです。

ノロウイルスによる感染症は、冬に多く発生します。

ノロウイルスは、食品や人の手を介して感染し、腸管で増殖します。

感染してから1〜2日ほどの潜伏期間を経て、

強い吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などを起こすのが特徴です。

38℃ぐらいの発熱や頭痛などを伴うこともあります。

通常は発症後1〜2日で自然に回復しますが、

高齢者や乳幼児がかかると重症化することもあります。

嘔吐や下痢などにより脱水症状を起こし、

高齢者では、吐いた物を誤嚥して誤嚥性肺炎を起こしたり、

気道に詰まらせて窒息することもあるので特に注意が必要です。

嘔吐する際は、仰向けや横になったままの状態を避け、下を向くなど、

気道に吸い込まないような姿勢をとるようにしましょう。

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ノロウイルスは感染性がとても強く、10~100個ほどで感染が起こるとのことです。

ノロウイルスによって下痢をきたした人の便1グラム中には、

100万〜1兆個のウイルスが含まれているといわれ、

10〜100個というウイルス数がどれだけわずかかがわかります。

 

ノロウイルスはほとんどが経口感染です。

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1.食品を介した感染です。

とくに汚染されたカキなどの二枚貝を、生のまま、あるいは十分に加熱しないで食べると、

食中毒を起こすことがあります。

2.人から人への感染です。

これには、ノロウイルスが大量に含まれる便や吐いた物に触れた手を介して口に入る

「接触感染」や、嘔吐物の飛沫が乾燥して空中に飛び散り、それを吸い込む「飛沫感染」

などがあります。

 

ノロウイルスから身を守るには、食材を十分に加熱する必要があります。

 

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カキなど二枚貝などの場合、中心部を85℃〜90℃で、90秒以上加熱すると感染性がなくなります。

また、調理に使用したまな板や包丁などは、熱湯消毒するとよいでしょう。

その半面、ノロウイルスは寒冷や乾燥には強く、冷凍しても感染力は落ちず、

乾燥したままで20日以上は感染力を持ち続けています。

汚物でよごれた下着や寝具は慎重に扱い、熱湯で洗濯して消毒しましょう。

床に付いた汚物は飛び散らないように、ペーパータオルで徹底的に拭き取り

塩素系漂白剤を薄めた液で消毒しましょう。

 

ノロウイルスを退治できる治療薬もワクチンもない

 

ノロウイルスには、抗ウイルス薬はなく、予防のためのワクチンもありません。

症状が軽い場合には、自宅で安静にします。

下痢は、ウイルスなどの異物を外に出そうとする役割もあるため、

下痢止めなどでむやみに止めてはいけません。

止めてしまうと、治りが遅くなったり、症状が悪化したりしてしまう可能性があるからです。

また、体力の喪失を防ぐために食事をすると、ノロウイルスによる腸の炎症が悪化し、

下痢や嘔吐が激しくなり、脱水症状から重症化する危険性があるため、

早期に医療機関を受診し、輸液(点滴)を行うなどの治療が必要となります。

抗生物質は効果がありませんし、下痢の期間を遷延させることがあるので、

ノロウイルス感染症に対しては通常は使用しません。

その他は吐き気止めや整腸剤などの薬を使用する対症療法が一般的です。

腹痛や吐き気、胃腸炎などの症状に適する医薬品として、漢方薬の柴胡桂枝湯があります。

からだのなかの熱や炎症を鎮めながら、

胃腸を元気にして体力を補うようなはたらきをする漢方で、

微熱、腹痛、吐き気があるかぜの中期から後期の症状にも効果が期待できます。

 

ノロウイルス対策として、もっとも基本となる有効な手段は「手洗い」です。

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石鹸を十分に泡立てて、ブラシなどを用いて手指を洗浄します。

そして温水による流水でしっかりすすぎ、清潔なタオルやペーパータオルで拭き取ります。

石鹸には殺菌効果はありませんが、汚れを落とすことによって、

ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

 

他には

1.睡眠時間を7時間前後確保する

2.1日3食、バランスのよい食事を適量に食べる

3.手作り弁当を持参するなど、外食は控える

4.外出後や食事前などに手洗いや、水やお茶でのうがいをこまめに行う

5.自律神経機能を高めて免疫力を上げるため、なるべく歩くように心掛ける

7.甘いものを食べ過ぎない

糖分が体内に増えすぎると、免疫機能や認知機能が低下しやすくなります。

結果として、アレルギー症状が生じ、感染症にもかかりやすくなります。

 

かかってしまった時の対処法

脱水防止のために、頻回に少しずつ水分補給を行ってください。

 

とくに子どもや高齢者では脱水症状になりやすいので、

水分・栄養補給はしっかりと行いましょう。

ただし、冷たい飲み物はおなかを刺激してしまうこともあるので、

白湯や常温のミネラルウォーターやお茶、

スポーツドリンクなどでこまめに水分補給しましょう。

理論上望ましいとされる経口補水液(市販のOS-1など)もお勧めです。

下痢や嘔吐の症状が出た時には、胃腸をゆっくり休めることが大切です。

できれば下痢が始まって半日~1日は何も食べないのが好ましいです。

症状が落ち着いてきたら、おかゆ、うどん、ヨーグルトなど消化の良い物から

食べ始め、ハンバーグやピザなど、油分が多く消化に悪いものは避けた方が無難です。

二次感染を防ぐため,症状のある間の入浴はシャワーのみにするか,

最後に浴槽へ入るようにしましょう。

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