2021年8月13日 12:30~13:0 出席者 大村 浦 中村 山下
内視鏡前処置に使うブスコパン注について
総称名 | ブスコパン |
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一般名 | ブチルスコポラミン臭化物 |
欧文一般名 | Scopolamine Butylbromide |
製剤名 | ブチルスコポラミン臭化物製剤 |
薬効分類名 | 鎮痙剤 |
次の患者には投与しないこと
2.1 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
2.2 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.3 前立腺肥大による排尿障害のある患者[更に尿を出にくくすることがある。]
2.4 重篤な心疾患のある患者[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
2.5 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
2.6 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
○下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胃・胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、器具挿入による尿道・膀胱痙攣、月経困難症、分娩時の子宮下部痙攣○消化管のX線及び内視鏡検査の前処置
ブスコパンは、緑内障や心疾患、糖尿病などの患者には内視鏡検査の際に使用できない場合があります。ブスコパンは、胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査の前に、腸の動きを抑える鎮痙剤として注射される薬です。しかし、緑内障や心疾患、糖尿病などの患者には副作用が出る可能性があるため、問診で確認されます。ブスコパンが禁忌となる理由としては、次のようなものがあります。
- 緑内障の場合、瞳孔が散大して隅角が狭くなり、眼圧が急上昇する可能性がある
- 心疾患や糖尿病などの患者には副作用が出る可能性がある
- 禁忌疾患を持つ患者や、以前にアレルギー症状・副作用を起こした患者には使用できない
ブスコパンを使用すると、尿が出にくくなったり、眼圧が上がったり、眩しくなったりする副作用があります。
用法及び用量
通常成人には、1回1/2〜1管(ブチルスコポラミン臭化物として10〜20mg)を静脈内又は皮下、筋肉内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
副作用
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
眼 | 調節障害 | 散瞳、閉塞隅角緑内障 | ||
消化器 | 口渇 | 悪心・嘔吐 | ||
泌尿器 | 排尿障害 | |||
精神神経系 | 頭痛、頭重感、眠気、めまい | |||
循環器 | 心悸亢進 | |||
過敏症 | 発疹 | 蕁麻疹、紅斑、そう痒症 | ||
その他 | 顔面紅潮 |