過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、大腸や小腸に原因となる異常が見つから

ないのに、腹痛、腹部不快感、便通異常、残便感

が続く病気です。

英語では、Irritable Bowel Syndrome(略してIBS

といいます。

過敏性腸症候群の症状

 いつもおなかが張った感じがする
 おなかがゴロゴロ鳴る
 ゲップが多い
 吐き気や嘔吐がある
 食欲がない
 頭痛
 肩こり
 気分の落ち込み、不眠
 人混みに出かけるのがおっくうに感じる
 通勤電車(バス)が苦手
 人前で緊張しやすい
 よくおならが出る
 便が残っているような気がする
 よくおなかが痛くなる
 おなかに不快感がある
 胃がむかつく

一般的検査では異常所見はみられません。

                                              
「仕事中や会議中に急にお腹が痛くなる」

「通勤・通学の電車の中で腹部に不快感を感じて

途中下車をしてしまう」

「便秘や下痢などの便通異常が慢性化している」

などのような症状があると疑います。

同時に消化管以外の症状、たとえば背部痛、腰痛、易疲労感、

頭重感、めまい、倦怠感、不眠、不安感、抑うつ感

などの症状を伴うこともあります。

病院で検査を受けて腸に異常は見つからなかったものの、

また起こるかもしれないと不安に駆られる――。

こんな症状をくり返すのが、「過敏性腸症候群」です。

決して特殊な病気ではなく、これに悩まされている人は

少なくないようです。

日本人では思春期から50歳代に多くみられ、人口の20%の患者

さんがいるといわれるほどポピュラーな病気です。

自律神経の乱れから腸がけいれん


腸の運動は自律神経によってコントロールされています。

口から入った食物は、胃を経て小腸、大腸と通過しながら

消化・吸収されます。

そうして後に残ったものが、腸の運動によって直腸に運ばれると

便意が起こるのですが、この間に自律神経のバランスが乱れる

ことがあると、腸にけいれんが起きて排便のリズムが崩れ、

腹痛や下痢、便秘といった過敏性腸症候群の症状が

もたらされるのです。

自律神経のバランスを乱す主な原因は、

緊張、不安といった精神的なストレスです。

  ただし、腹痛や便通異常を起こす病気はさまざまで、

なかには大腸がんなどのように早期発見が必要な病気

もありますので、上記のような症状があったら、

まずは医療機関を受診してください。

分類

過敏性腸症候群は、症状によって次の3つのタイプに

大きくわけられます。

男性は下痢型、女性は便秘型が多い

下痢型

激しい腹痛があり、下痢便や軟便が1日に何回も出ます。

【例】電車に乗ると、腹痛あり、何度も途中下車して

トイレにかけ込む

起床直後、朝食の後など自宅にいるときばかりでなく、

通勤電車に乗っているとき、外出先などでも便意が起こる

ために、いつも公共トイレの場所が気になってしまいます。

男性に多いとされます。しょっちゅうおなかが痛くなり、

下痢をする緊張すると、おなかが痛くなって下痢をする

便秘型

便秘型

何日も排便がなく、うさぎの糞のようなコロコロとした

固い便しか出ない

なかには下痢と便秘を交互にくり返す人もいます。

下痢や便秘などの症状が1か月以上続いていて、ほかに原因と

なる病気がない方は、過敏性腸症候群(IBS)の可能性

が考えられます。

下痢や便秘のほかに、次のような症状に悩まされる人もいます。

 

腹痛があり、トイレでの排便量は少なく、それもウサギのふんの

ようなコロコロした小さな便が便器に浮かびます。

女性に多いタイプといわれます。

下痢・便秘交替型

下痢と便秘を数日ずつ交互にくり返すタイプで、

全体ではこのタイプが最も多いといわれます。

いずれのタイプも、排便すると症状が改善すること、

ストレスを感じると症状が悪化することが特徴的です。

ストレスに弱いタイプがなりやすい

過敏性腸症候群になりやすい人には、

いくつかの性格的なタイプがみられます。

まじめ、きちょうめん、完ぺき主義、内向的などという、

いわゆるストレスに弱いタイプの人たちです。

日々のストレスをなくすことはできませんから、

ストレスがかかったときに自分をどのように

コントロールすれば、ストレスの感じ方を弱めることが

できるかを考え、実行することが重要です。

治療

慢性の経過をたどることが多く、

完全に治癒にいたることは困難なことが多いです。


■ 生活指導

・ストレスをさける

好きな趣味に興じる時間をもつ、

毎日ウオーキングのような軽い運動で汗をかき

気分をすっきりさせる

 

・規則正しい生活をおくる

・夜更かしをせず、十分な睡眠・休養をとる

便意がなくても毎朝決まった時間にトイレに行く習慣をつける

食事をとる時間帯は3食ともできるだけ一定にする

 

■ 食事療法

腸にやさしい生活6つのポイント
  
ポイント1 朝食は抜かない

朝食は、胃腸を目覚めさせる絶好のチャンス。

朝食と朝のトイレタイムをとれるように、

余裕を持って起きましょう。

特に便秘型の人は、

「起きる→朝食を食べる→トイレでゆったり排便」

の生活パターンを身につけて。

ポイント2  1日3食を決まった時間に食べる

食事のリズムを整えることで、

胃腸の運動と排便のリズムが次第にととのいます。

規則正しい食生活を心がけましょう。

ポイント3 早食い・まとめ食いをしない

早食い・まとめ食いは、胃腸に負担をかけます。

自分の食事のパターンを見直してみましょう。

ポイント4 適度な量をきちんと食べる

食べすぎがよくないからといって、

食事の量を極端に減らしすぎないこと。

便の適切な量を保つためにも食事は大切です。

適量をきちんと食べることが、健康な腸のために大切です。

ポイント5  食事時間にゆとりを持て

食事は、リラックスした気分でとることが大切。

時間にゆとりをもって、よくかんで楽しく食べましょう。

ポイント6 夜遅くの飲食は避ける

夜寝ている間は、胃腸の働きが低下します。

寝る直前の飲食はなるべく避けましょう。

症状に合わせて、上手に食事をとりましょう。

ただし、気にしすぎてかえってストレス

になってしまうようでは逆効果。

あまり神経質になりすぎないようにしてください。

 

下痢便秘を繰り返すとき

栄養バランスのよい食事を腹八分目にとる

下痢・便秘両方を改善する食物繊維をたっぷりとる

 

下痢が続くとき

冷たいもの、脂っこいもの、豆類、牛乳、炭酸、アルコール、

カフェイン、香辛料。発酵食品などの腸粘膜を刺激し下痢を悪化

させる食品は避ける


野菜は筋の少ないものを細かく刻むか煮込んで食べる

 

便秘が続くとき

便秘解消のために食物繊維を含む野菜、納豆、ヨーグルトや

海藻類などを積極的にとる

ビタミンB、ビタミンCをとる 。

アルコール、香辛料、炭酸飲料、脂肪分の多い食品など、

刺激物を避ける。

炭酸、たばこ、発酵しやすい豆類は避け、肉類は控えめに

温かい飲み物を少しずつこまめに飲んで、水分補給

ゆっくりよくかんで食べる

積極的にとりたい食品

食物繊維を多く含むもの

野菜、海藻、きのこ類、いも類、穀類(精製されていないもの)

 

普通にとっていい食品

豆腐、魚介類、肉類、卵、くだものなど

下痢がなければ、牛乳、豆類、油脂類

 

控え目にしたほうがいい食品

冷たいもの、スパイス、アルコール、カフェイン、炭酸飲料


下痢しやすい場合は、牛乳、豆類、油脂類

■ 薬物治療

  1. 薬物として、

  2. 消化管運動の調整のために消化管運動調節薬、

  3. 消化管腔内環境調整のために高分子重合体

  4. コロネル、セレキノンなど)、

  5. 乳酸菌製剤(ラックビーなど)を用いる。

  1. 下痢型には5-HT3拮抗薬(イリボー)や

  2. メペンゾラート(トランコロン)を投与する。

  1. 便秘型に対しては、アントラキノン系下剤(センナなど)

  2. 以外の下剤であるピコスルファート(ラキソベロン)や

  3. 酸化マグネシウムなどを処方する。

  4. Clチャンネル2賦活薬であるルビプロストン(アミティーザ)

  5. リナクロチド(リンゼス)(腸管の管腔表面にあるグアニル酸シクラーゼC受容体(GC-C受容体)を活性化させ、大腸機能促進作用や大腸の痛覚過敏を抑える作用などによって、主に便秘型の過敏性腸症候群における排便異常、腹痛などを改善したり、慢性的な便秘を改善する)

  6. も使用可能である

  1. 腹痛に対しては、抗コリン薬(ブスコパンなど)を頓用で

  2. 用い、それで不十分であれば、定期処方する。

  3. 精神症状を伴う場合は向精神薬を併用。

精神症状に対して

不安感

①メイラックス⇒錠(1mg) 1-2錠 分1-2

②コレミナール⇒錠(4mg) 3錠 分3 食後

抑うつ感

①プロチアデン⇒錠(25mg) 3錠 分3 食後

②メイラックス⇒錠(2mg)1錠 分1‐2

③デパス錠(0.5mg)3錠 分3

④セルシン⇒錠(2mg)3錠 分3

⑤ドグマチール⇒⇒錠(50mg)3‐6錠 分3

 

     

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