タール便とは、炭のように真っ黒な便のことを言います。
タール便の黒色は、体の中で出血が起き、
血液中にあるヘモグロビンの鉄分が酸化したものです。
胃や十二指腸など上部消化管からの出血が考えられます。
血液が胃酸と混ざることで、真っ黒になるためです。
胃潰瘍
胃潰瘍は、胃の粘膜にピロリ菌やストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬の
影響で胃粘膜に傷ができ、さらに消化作用を持つ胃酸・消化酵素が胃粘膜を消化して
しまうことで発症します。
主な症状は、空腹時に起きるみぞおちや背中の痛みです。
胃潰瘍から血がでると、コールタールのような黒い血が混じった便(タール便)が出ます。
胃潰瘍は食直後の上腹部の痛みが特徴です。
高齢者の胃潰瘍は痛みなどの症状がないこともあり注意が必要です。
潰瘍から血がでてるときは内視鏡検査の際に止血を行います。
内視鏡で血を止めるのが難しかったり、潰瘍部分で穴があいたりしてるときは
手術が必要となることもあります。
潰瘍自体の治療は強い胃薬で行います。
また、ピロリ菌感染のある方はピロリ菌の除菌も行います。
十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍は胃潰瘍の血便と同じ、黒いタール便が出ます。
十二指腸の壁は胃壁にくらべて薄いので、出血や穿孔が起きやすい傾向にあります。
十二指腸潰瘍の原因はほとんどがピロリ菌感染によるもので、20~30代に多くみられます。
主な症状は、早朝や夜間などの空腹時に起きるみぞおちの痛みです。
吐血することもあります。