女性と便秘
厚生労働省の調査では、女性は男性の2.4倍も多く便秘に悩んでいるとの結果がでています。
女性の月経・排卵には、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンが関係しています。
このうち、黄体ホルモン(プロジェストロン)は生理の約2週間前くらいから分泌されますが、
この女性ホルモンには、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑える作用があります。
蠕動運動とは、腸が食べた物を移動させるために、収縮したり伸びたりする腸の運動のことをいい、
この運動が鈍ると便は腸内に止まってしまうために便秘となります。
黄体ホルモンはまた、体内の水分やミネラル分を溜め込むよう指示を出しますので、
この結果、大腸の腸壁から水分が普段よりも増して吸収されるため、
大腸内の便が硬くなり排便されず便秘となるのです。
さらに、黄体ホルモンは、妊娠したとき、流産しないように子宮筋の収縮を抑制する働きもあるので、
それが腸を動かす筋肉にも影響を及ぼし、その結果、腸の動きが鈍って一層便が排泄されにくくなるのです。
このように、女性においては女性ホルモンの影響で、生理前の便秘や妊娠中の便秘が起こりやすくなるのです。
女性ホルモンによる便秘では、普段以上に水分の補給に心掛けましょう。
また、腸の蠕動運動を刺激するために、冷たい水が便秘に有効な場合もあります。
水分不足による便秘
日本人の便は大体7~8割が水分です。
残りの1~2割くらいが腸内細菌の死骸、食べ物の残りかすが1割強、
残りは脂肪やその他のものという構成になっています。
ダイエットによって便の量が少なくなりますと、相対的に便の水分量が減り、硬い便となって便秘を起こしますし、
また、少ない便の量は、腸の蠕動運動を弱めてしまい、さらに便秘が悪化する原因となります。
このタイプの便秘は、取り分け、若い女性あるいは結婚前の女性に多くみられます。
水分が不足すると、便が硬くなって便が移動しずらくなりますし、あまりに脂肪分を控え過ぎると、
便のすべりが悪くなるということも起こり得ます。
偏った食生活、ストレス、過労、食物繊維の少ない食事、不規則な生活でも便秘は悪化しがち。
できるだけ規則正しい生活習慣を心がけてください。
女性は男性と比較して骨盤が広いです。
これは女性特有の器官である子宮が存在しているためだとされています。
骨盤が広いことによって腸は骨盤に落ち込みやすくなります。
骨盤に落ち込んだ腸は不自然な曲がりが生じてたるみやすくなります。
腸にたるみが生じるということは、便がその分長い時間を掛けて腸を通過する必要があるということ。
便というのは小腸の段階ではかなり多くの水分を含んでいます。
大腸に送られた便が水分を吸収することによって便として形成されていくのですが、腸を通過する時間がかかれば
かかるだけ水分はどんどん吸収されてしまうため便が硬くなりやすくなり、
排便しにくい、つまり便秘になりやすくなります。
筋力不足による便秘
女性は男性よりも筋力が低いという点も便秘とつながりがあります。
筋力が弱いため、胃下垂や内臓下垂がおこりやすいようです。
下垂した臓器に腸が圧迫されると便秘になりやすいですし、筋力が弱いこと自体が腸の運動が鈍くなる原因になると
思われます。排便を行うためには、腹筋や横隔膜の筋肉が必要です。
更年期になると、女性ホルモンのバランスが崩れることにより便秘になりやすくなります。
これは、女性ホルモンの低下など、女性の体が閉経に向けて大きく変化する過程で、自律神経が不安定となり、
その結果、便秘になるものです。
自律神経は腸管運動を支配していますので、閉経による自律神経が不安定となりますと
便秘が起こる原因となります。
女性ホルモンの低下による便秘
更年期になると、女性ホルモンのバランスが崩れることにより便秘になりやすくなります。
これは、女性ホルモンの低下など、女性の体が閉経に向けて大きく変化する過程で、自律神経が不安定となり、
その結果、便秘になるものです。
自律神経は腸管運動を支配していますので、閉経による自律神経が不安定となりますと
便秘が起こる原因となります。