大腸内視鏡検査を受けるにあたって最も重要なことは、自宅にて検査の前に大腸の中の便を、くまなく、ほとんどすべて体外へ排出させておくことです。便が大腸内に残っていたのでは、細かい病変を見逃すことになり、せっかくの検査が台無しになります。そのためには、検査前日の夕食が重要になります。便を作らないような食事にする必要があります。
具体的には下記の注意事項に留意してください。
検査前日に飲んでよいもの・いけないもの
原則検査前日の夕食は絶食です。
検査前日に食べてよいもの・いけないもの
もちろん、これだけでは大腸の中の便は無くなりませんので、便をほとんどすべて出して、大腸の中を空っぽにするには、これから説明するマグコロールPという下剤を飲まなければなりません。
このマグコロールP自体は、白い粉末なのですが、このままでは飲めないので、容器の中に水1800mlを入れ中の白い粉末を充分に溶かして、大腸内視鏡検査用下剤:マグコロールP 1800mlを作ってください。
検査前夜に飲む場合は、原則夕食は絶食で夕食時間帯からマグコロールP1800mlをゆっくり飲み始めてください。コップ1杯(180ml)を10分間隔で飲んでください。コップ10杯分(180ml×10=1800ml)に相当しますので、1時間40分かけて1800mlを飲むことになります。(10分×10杯=100分)飲む量が多いのは大変申し訳ないのですが、ポカリスエットに似た酸味のあるジュースのような味がしますので、思ったよりは美味しいのではないかと思います。ただし、反応が良い方は、深夜から排便が始まることもあります。
検査当日は、朝食は食べないでください。その際、常用されている血圧、心臓の薬は飲んでいただいて結構ですが、糖尿病の薬は飲まないでください。検査当日の朝飲む場合も、飲み方は前夜とまったく同様です。午前6~7時頃より飲み始めてください。マグコロールPを飲み終わったら、頻繁にトイレに行くことになります。10回ぐらいトイレに行ったら、最終的に水洗トイレの底が見え、ウーロン茶や紅茶のような便になります。そうなれば、大腸内視鏡検査が可能になります。便意が充分に治まってから当院にお越しください。
病院来院後は、内視鏡室で専用の検査衣に着替えていただきます。そして、検査ベッドに横たわり、検査中の痛みをなくすための鎮静剤入りの点滴を開始します。
点滴開始後、徐々に眠くなっていきます。うとうとしかけたところで検査開始となりますが、この時点で既に夢の中に居る状態になっているので、まず痛みを感じることはありません。
検査は肛門から内視鏡を挿入し、大腸内をくまなく観察します。
所要時間は人それぞれで、5~10分で終わる方もいれば、20~30分かかる方もおられます。ただし、どちらにしても検査中の痛みはまず無いはずです。いつのまにか始まって、いつのまにか終わっています。『内視鏡が体に入っている感覚すらない』と体験者の大半の方は言われます。
無事検査終了後は、1~2時間は仮眠用のベッドでお休みいただいています。
十分に目が覚めてから、検査結果について説明をし、その後帰宅になります。