それがFODMAP食です。
小腸では吸収されにくい発酵性の糖質の総称で、以下の頭文字を合わせた言葉です。
高FODMAPの食品は取り過ぎると腹痛、下痢、便秘などを引き起こします。
そして多量のガスを発生させ腹部膨満感の原因となります。
FODMAPは小腸で分解吸収されにくく、大腸で腸内細菌により発酵分解されて水素ガスやメタンガスを
発生させます。さらに高浸透圧性のため腸の中に水分を引き込む特徴があります。
その結果、FODMAPが多い食べ物を摂るとおならが出やすくなる、お腹が張りやすくなる、下痢になりやすくな
るなどの過敏性腸症候群の症状がでやすくなります。
低フォドマップ食を実践することにより、50-80%の過敏性腸症候群の患者さんが下痢や腹痛といった消化器症状が
改善し、生活の質(QOL)が向上することが明らかにされています。
一方、低フォドマップ食は食品の選択の幅を制限してしまうため、栄養不足になるリスクや腸内細菌への影響などの
懸念されています。
高フォドマップの食品は栄養価が高く、私たちの体に欠かせない栄養素を含んでいるものも多いため、完全に排除す
ると栄養が偏ってしまうことがあります。
また、腸を活性化させる食材も多いため、便秘などにも注意が必要です。
低フォドマップの中の食物繊維が豊富な食材はキャベツやキウイフルーツなどがあります。
便秘が気になった時に取るのもおすすめです。
小麦やライ麦、大麦などはフォドマップの多い食材です。
それらが原材料に含まれる惣菜パンよりも、おにぎりのほうが低フォドマップ食といえます。
海苔や魚介類は低フォドマップなので、鮭のおにぎりなどがおすすめです。
パスタも小麦粉が原料のため高フォドマップ食です。
ニンニクやチーズ類の多くも高フォドマップなので控えたほうがいいでしょう。
同様にラーメンもNG。
麺類が食べたいときは十割蕎麦や米が原料のビーフンを選んでみてはいかがでしょうか。
アーモンドは10粒以下なら低フォドマップ。
ピスタチオやカシューナッツは高フォドマップですが、くるみやピーナッツは低フォドマップ食に該当します。
甘い飲み物に含まれている果糖ブドウ糖液糖は高フォドマップです。
お腹にやさしいといわれているオリゴ糖やてんさい糖が入っている飲み物も避けたほうがいいでしょう。
飲み物を選ぶときは紅茶や緑茶、ココアがおすすめです。
ヨーグルトはフォドマップが含まれている食品ですが、乳糖の入っていないラクトースフリーのヨーグルトであれ
ば、低フォドマップ食に当たります。
豆乳は種類によって低フォドマップ、高フォドマップに分かれます。
大豆から作られた「大豆由来」の豆乳は高フォドマップ食、大豆の抽出物から作られた「大豆抽出物由来」の豆乳は
低フォドマップ食になります。
しかし、日本の豆乳はほぼ大豆由来なので、大豆抽出物由来のものを探すのはなかなか難しいのが現状です。