インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症する病気です。インフルエンザの発症者は0~9歳の小児が約半数を占めており、風邪に比べて症状が重く、乳幼児や高齢者では重症化することもあります。インフルエンザによる死亡者は65歳以上の高齢者が大部分を占めているといわれています。
種類
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、大きく分けて、A型、B型、C型の3つに分類されます。このうち、「季節性」のインフルエンザとしてヒトの間で毎年流行を繰り返しているのは、A型のA/H1N1型(ソ連型)とA/H3N2型(香港型)、そしてB型のウイルスでした。これらのウイルスうち、A型とB型の感染力はとても強く、日本では毎年約1千万人、およそ10人に1人が感染しています。インフルエンザにかかっても、軽症で回復する人もいますが、中には、肺炎や脳症などを併発して重症化してしまう人もいます。
重症化する危険性が高い人
- 高齢者
- 幼児
- 妊娠中の女性
- 持病のある方(喘息のある人・慢性呼吸器疾患(COPD)・慢性心疾患のある人・糖尿病など代謝性疾患のある人 など)
流行時期
季節性のインフルエンザは、例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。
感染経路
インフルエンザウイルスの感染経路は、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つがあります。インフルエンザを予防するためには、こうした感染経路を絶つことが重要です。
症状
インフルエンザウイルスに感染した場合は、約1~3日の潜伏期間の後、突然の38℃以上の「高熱」や全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。やや遅れて、咳(せき)やのどの痛み、鼻水などの「呼吸器症状」が現れ、腰痛や悪心(吐き気)などの「消化器症状」を訴えることもあります。関節痛、筋肉痛、頭痛も現れます。通常は、10日前後で症状が落ち着き、治癒します。
乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方の中には、肺炎を併発したり、基礎疾患の悪化を招く場合があります。特に、幼児や高齢者、持病のある方、妊娠中の女性は、肺炎や脳症などの合併症が現れるなど、重症化する可能性があります。
- 発熱12時間未満の場合、検査の結果が陽性にならないことがあります。(検査は発熱後12時間以上経過してから受けることをおすすめします)
インフルエンザの合併症
インフルエンザが重症化すると、小児では「インフルエンザ脳症」、高齢者では「二次性細菌性肺炎」などの合併症を発症する可能性があるため、注意が必要です。