感染した場合に備える
●重症化リスクの高い方
(高齢者・基礎疾患のある方など)
●症状がつらい方
まずは医療機関に連絡してください。
かかりつけ医がいる場合は、かかりつけ医にご相談ください。
陽性だった場合、医師の判断により入院または自宅療養となります。
- ●重症化リスクが低い方
- (高齢者・基礎疾患のある方 以外の人)
- ●症状が軽い方
国が承認した検査キットを用いて自己検査を行ってください。
陽性だった場合、自宅療養となります。
陰性だった場合でも、症状がある場合は
マスクを着用し、手洗い
などの基本的な感染予防対策を行いましょう。
厚生労働省:5月8日以降も感染拡大に備え 体調に異変を感じたら(https://www.mhlw.go.jp/content/001092713.pdf)(2024年7月11日閲覧)より作成
体調不良に備えて、準備しておきましょう
- 新型コロナ抗原定性キット
- 国が承認した「体外診断用医薬品」を選んでください。
- 「研究用」は国が承認したものではありません。
- 解熱鎮静剤
- 相談先となる窓口や、医療機関の連絡先
療養期間
5類移行後は、法に基づく外出自粛は求められなくなり、
外出を控えるかどうかは個人の判断となりますが、
発症日を0日目として翌日から5日間は外出を控え、
かつ、発熱やのどの痛みなどの症状が軽快した場合でも
軽快後24時間経過するまでは、外出を控え様子を見ることが推奨されます。
また、発症後10日が経過するまでは、マスクの着用や、
高齢者や基礎疾患のある方などとの接触を控えるなど、
周りの方へうつさないよう配慮をしましょう。
発症後10日を過ぎても咳やくしゃみなどの症状が続いている場合は、
マスクの着用など咳エチケットを心がけましょう。

厚生労働省:新型コロナウイルス 療養に関するQ&A(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001093929.pdf)(2024年7月11日閲覧)より作成
解熱鎮痛剤の選び方・飲み方
重症化リスクがなく、軽症の場合は、必要に応じてご自分で解熱鎮痛剤を服用してください。
使用する薬は、薬局・ドラッグストア等の薬剤師に相談し、
自分の症状や体質に合ったものを選びましょう。
特に、以前に薬でアレルギーやぜんそくが起きたことがある方、
医療機関で処方された薬を服用中の方、
妊娠している方、お子さんの薬を探している方は、
購入の際必ず薬剤師に相談するようにしてください。
また、解熱鎮痛薬を飲むときは、他の解熱鎮痛薬や風邪薬と併用しないでください。
解熱鎮痛薬や風邪薬には同じ効果をもつ成分が含まれているため、
併用すると安全な量より多く飲むことになってしまい、危険です。
ご家族が感染した時の対処法
5類移行後は、新型コロナウイルス感染症患者の濃厚接触者としての
特定や行動制限はありません。
ご家族や同居されている方が新型コロナウイルス感染症にかかった場合は、
可能であれば
部屋を分け、感染されたご家族のお世話はできるだけ限られた方で行う
よう注意してください。
この際、心臓、肺、肝臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、妊婦の方は、
感染した時の重症化リスクが高いため、感染者のお世話をするのは避けてください。
また、新型コロナウイルス感染症にかかった方の発症日を0日として、
特に翌日から5日間はご自身の体調に注意してください。
7日目までは発症する可能性があります。
外出の制限はありませんが、外出する際は人混みを避け、マスクを着用しましょう。
また、高齢者や重症化リスクのある方との接触は控えるなど配慮しまししょう。
家庭内でできる4つの対策




厚生労働省:家族が新型コロナウイルスに感染した時のポイント(https://www.mhlw.go.jp/content/001093683.pdf)(2024年7月11日閲覧)より作成
コロナウイルスの治し方は?
新型コロナウイルス感染症の治療方針は、症状の重さによって決まります。
経過観察のみで自然に軽快することが多く、症状が治まるまでは
自宅で安静にし、こまめに水分補給を行うことが推奨されます。
また、必要に応じて解熱鎮痛剤や咳止めなどの対症療法(症状に対する治療)が行われます。
コロナになったらどんな薬を飲むの?
基本的にはコロナの陽性者であっても、
症状が軽い人に関しては薬を飲まなくても治る人がほとんどです。
症状によっては、咳止めや解熱剤などの対症療法の市販薬を使っていただくことも一つです。 注意点としては、もともと治療している病気がある人は飲み合わせの問題があるので、市販薬であっても医師や薬剤師に相談をしてください。
新型コロナウイルス治療薬とは
現在、厚生労働省の承認を受けている新型コロナウイルス治療薬には
「抗炎症薬」
「抗ウイルス薬」
「中和抗体薬」
があり、このうち重症化リスク因子のある方等の重症化を防ぐ目的で投与され、
「軽症」の方を対象に含むのは「抗ウイルス薬」と「中和抗体薬」となっています。
コロナウイルスの熱は何日くらい続きますか?
コロナによる発熱は、
37.5℃以上の熱が3〜5日ほど続くことが多いです。
詳細には、予防接種の回数、個々の患者さんの健康状態、合併症、年齢
などによって異なります。
予防接種の回数が多い方で、軽症の方では発熱症状がみられないこともあります。
コロナの治療法
新型コロナウイルス感染症に有効な特効薬は存在しません。
感染症の治療においては、ウイルスや細菌に対する特効薬がある場合もありますが、
コロナに関しては開発されていないのが現状です。
コロナの治療法は、感染者の症状を軽減し重症化を予防することに焦点を当てています。
多くの薬がコロナの症状を和らげたり重症化を抑えたりする目的で用いられています。
知っておきたいコロナの重症度
コロナの重症度は、軽症・中等症Ⅰ・中等症Ⅱ・重症の4段階に分類されます。
それぞれの状態は次のとおりです。
・軽症……発熱や咳などの症状がある、呼吸困難や肺炎などはない
・中等症Ⅰ……呼吸困難、肺炎があるものの、酸素投与を行う程度までには至らない
・中等症Ⅱ……肺炎があり、酸素投与が必要
・重症……人工呼吸器による対応や集中治療室での処置が必要
重症度に応じて治療法が異なる
コロナの治療法は、重症度によって異なります。
軽症の場合、一般的には自宅療養で治癒が期待できます。
対症療法として、咳止めや解熱剤などを使用することもあるほか、
ケースによっては市販薬で対応しても問題ありません。
ただし、慢性腎臓病や肥満など重症化リスクが高い患者は
入院の対象になる可能性があります。
中等症の場合、通常は入院したうえで酸素療法や炎症を抑える薬の使用などの処置を受け、
重症の場合は人工呼吸器の使用や集中治療室での処置などが必要です。
コロナの治療薬
コロナの治療薬には、
抗ウイルス薬
中和抗体薬
免疫抑制薬
などさまざまな種類があります。
種類 | 効果 | 例 |
抗ウイルス薬 | ウイルスの複製を防ぐ | ムデシビルやニルマトレルビル/リトナビル、エンシトレルビルなど |
中和抗体薬 | ウイルスの増殖や感染の進行を抑える | カシリビマブ、イムデビマブ、ソトロビマブ、チキサゲビマブ、シルガビマブなど |
免疫抑制薬 | 免疫系の過剰な反応や炎症を抑える | デキサメタゾンやバリシチニブ、トシリズマブなど |
抗ウイルス薬
抗ウイルス薬とは、ウイルスの複製を防ぐ薬のことです。抗ウイルス薬は、中等症Ⅰ以上の患者に使用します。
新型コロナウイルス感染症に使用する抗ウイルス薬には、
レムデシビルやニルマトレルビル/リトナビル、エンシトレルビルなどがあります。
中和抗体薬
中和抗体薬は、抗体を体内に注入することでウイルスの増殖や感染の進行を抑える薬です。
発症から長期間経過していない、重傷リスクのある軽症の方、中等症Ⅰの方に使用します。
年齢や重症化リスクなどさまざまな条件を満たした場合に用いられます。
なお、安定的な供給が困難であるため一般に流通しておらず、
厚生労働省の許可のもとで医療機関に提供されています。
中和抗体薬には、カシリビマブ、イムデビマブ、ソトロビマブ、チキサゲビマブ、シルガビマブなどがあります。
免疫抑制薬
免疫抑制薬は、免疫反応を抑制することにより、免疫系の過剰な反応や炎症を抑える薬です。
中等症II以上の方に投与するものであり、デキサメタゾンやバリシチニブ、トシリズマブなどがあります。
新型コロナウイルス感染症経口抗ウイルス薬(ラゲブリオ、パキロビッド、ゾコーバ)について
新型コロナウイルス感染症には、3種類の抗ウイルス薬の飲み薬ラゲブリオ・パキロビッド・ゾコーバがあります。
これら抗ウイルス薬は、新型コロナウイルス感染症の患者で、医師が必要と判断した方に処方されます。
1.ラゲブリオ(モルヌピラビル)

• 18歳以上の、重症化リスク因子のある方に処方されます。
• 発症から速やかに(5日以内に)服用を開始することが推奨されています。
• 妊婦又は妊娠している可能性のある女性は服用することができません。
2.パキロビッド(ニルマトレルビル/リトナビル)

• 成人または12歳以上かつ体重40kg以上の小児で、
重症化リスク因子のある方に処方されます。
• 発症から速やかに(5日以内に)服用を開始することが推奨されています。
• 一緒に飲むことができない医薬品が多くあります。
3.ゾコーバ(エンシトレルビルフマル酸塩)

• 12歳以上の小児及び成人に処方されます。
• 発症から72時間以内に服用を開始することが推奨されています。
• 妊婦又は妊娠している可能性のある女性は服用することができません。
• 一緒に飲むことができない医薬品が多くあります。
• 高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方が検討されます。

コロナの後遺症の治療法
新型コロナウイルス感染症の症状が改善した後に、
疲労感や筋肉痛、関節痛、睡眠障害、集中力の低下など、さまざまな後遺症に悩まされている方がいます。
後遺症のメカニズムについて解明されていないため、治療法は確立されていません。
現状では、後遺症の症状を和らげることを目的とした対症療法が行われています。
免疫異常と炎症の制御
新型コロナウイルス感染症の後遺症は、免疫異常と炎症によるものです。
また、過剰な活性酸素による酸化ストレスも関連しているといわれています。
そのため、免疫異常と炎症を抑えつつ抗酸化力を高めるために、
ビタミンCやビタミンD、グルタチオンなどの摂取を推奨しています。
神経機能の回復
神経機能に問題が起きているために後遺症が現れると考えられています。
神経機能を回復させるために、神経伝達物質の材料である
タンパク質、ビタミンB群、鉄など、さまざまな栄養を補給すべきとされています。
漢方
新型コロナウイルス感染症の後遺症には、漢方薬も活用されています。
体の調子を整える作用があり、西洋医学の薬よりも高い効果を得られる場合もあります。
ただし、漢方の効果については個人差が大きいため、必ずしも後遺症が改善するとは限りません。