岩国市の内科、胃腸内科、消化器内科、肛門科 やましたクリニック

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ピロリ菌

ピロリ菌

ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌であり、胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの胃の病気に深く関っていることが明らかにされてきました。

子供の頃に感染し、一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。

ピロリ菌に感染すると、炎症が続きますが、この時点では、症状のない人がほとんどです。


ピロリ菌はウレアーゼをだして、胃の中の尿素を分解してアンモニア(アルカリ性)のバリアを作り、胃の表面まで移動することができます。

食べ物の消化を助け、食べ物の腐敗を防ぐ胃液には、金属でも溶かしてしまう強い酸(塩酸)が含まれているため、胃の中は強い酸性(pH1~2)で、通常の菌は生息できません。

ピロリ菌が活動するのに最適なpHは6~7で、4以下では、ピロリ菌は生きられません。

【画像】ピロリ菌

しかし、ピロリ菌がだしている「ウレアーゼ」という酵素が胃の中の尿素を分解してアンモニアを作りだし、アンモニアはアルカリ性なので、ピロリ菌のまわりの胃酸が中和され、生息できるのです。
最近の研究から、ピロリ菌の感染経路が口からであることは違いないようです。

ただし、上下水道の完備など生活環境が整備された現代日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはないと考えられています。

また、大人になってからの日常生活・食生活ではピロリ菌の感染は起こらないと考えられます。
ピロリ菌は、ほとんどが幼児期に感染すると言われています。

幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。

そのため最近では母から子へなどの家庭内感染が疑われていますので、ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。


胃がんとピロリ菌は密接に関係しているといわれています。

また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃炎などの患者さまを対象としたわが国の調査では、10年間で胃がんになった人の割合は、ピロリ菌に感染していない人では0%(280人中0人)、ピロリ菌に感染している人では2.9%(1246人中36人)であったと報告されています。


ピロリ菌を除菌すると、新しい胃がんが発生する確率を減らすことができる可能性があります。

早期胃がん治療後、ピロリ菌を除菌することで、 除菌をしなかった患者さまと比較して3年以内の新しい胃がんの発生率は約3分の1でした。


ピロリ菌感染者で、萎縮性胃炎を有している人について検討したところ、食塩を多く摂取している人ほど胃がんの発生が多かったと報告されています。


野菜や果物には、カロチノイドやビタミンCなどの発がんを抑制するといわれる成分が豊富に含まれています。

WHO(世界保健機関)は「野菜・果物をほぼ確実に胃がんのリスクを軽減するもの」としていますので、野菜・果物は少なくとも毎日1回は食べたほうがよいと考えられます。

がんを防ぐために気をつけること
  1. たばこを吸っている人は禁煙をしましょう。吸わない人も他人のたばこの煙を避けましょう。
  2. 飲む場合は1日当たりアルコール量に換算して約23g程度まで(日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度)、飲まない人、飲めない人は無理に飲まないようにしましょう。
  3. 食塩は1日当たり男性8g、女性7g 未満、特に、高塩分食品(たとえば塩辛、練りうになど)は週 に1 回以内に控えましょう。野菜や果物不足にならないようにしましょう。 飲食物を熱い状態でとらないようにしましょう。
  4. たとえば、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分行いましょう。また、息がはずみ汗をかく程度の運動は1週間に60分程度行いましょう。
  5. 中高年期男性のBMI(体重kg/身長m2)で21~27、中高年期女性では21~25の範囲内になるように体重をコントロールしましょう。
  6. 地域の保健所や医療機関で、1度は肝炎ウイルスの検査を受けましょう。機会があればピロリ菌感染検査を受けましょう。
  7. 1年または2年に1回定期的に検診を受けましょう。検診は早期発見に有効で、前がん状態も発見できます。
  8. やせる、顔色が悪い、貧血がある、下血やおりものがある、咳が続く、食欲がない、などの症状に気がついたら、かかりつけ医などを受診しましょう。

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