大腸ポリープは、組織構造によって、大きく
「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」
の2つに分類されています。
腫瘍性ポリープは、さらに
(1)線腫(腫瘍性ポリープ)
(2)家族性大腸ポリポーシス
に分けられます。
A.腫瘍性ポリープ
大腸ポリープの多くを占めるタイプで、
良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)
に分けられます。
<線腫>

良性腫瘍の多くは“腺腫”と呼ばれるもので、
大腸ポリープの約80%はこの腺腫であるともいわれています。
線腫は、基本的に良性の腫瘍ですが、
そのうち約10%は悪性としてがん化する恐れのある
ポリープです。
腺腫で治療を要する大きさの目安は一般的には“6mm以上”となります。
ポリープの大きさが10mmを超えると大腸がんへのリスクが高くなります。
5mm以下であっても形がいびつである、がんとの区別が難しい
などの場合は内視鏡治療の対象となります。
悪性腫瘍(がん)の場合は、内視鏡治療または外科手術による切除が必要になります。
過度な飲酒、喫煙、動物性脂肪の過剰摂取、肥満、運動不足が原因に挙げられます。
<家族性大腸ポリポーシス>

大腸にたくさんのポリープが発生する病気です。
100個以上のポリープがあらわれると、「ポリポーシス」という名前に変わります。
家族性大腸ポリポーシスは、遺伝子の変異による遺伝が原因であることが分かっています。
B.非腫瘍性ポリープ
一方、「非腫瘍性ポリープ」は、腫瘍性に当てはまらない、
がんに発展する恐れのないポリープのことです。
非腫瘍性ポリープの多くは
治療の必要がありませんが、
出血や腸重積の原因となる場合は内視鏡治療が行われます。
代表的なものには
(1)炎症性ポリープ
(2)過形成性ポリープ
(3)過誤腫性ポリープ
といった種類が挙げられます。
<炎症性ポリープ>

炎症性ポリープは潰瘍性大腸炎やクローン病など、大腸に起きた炎症が原因で発生する
ポリープです。
がん化する心配はありません。
<過形成性ポリープ>

大腸の粘膜が盛り上がった状態のポリープです。
正常組織の過剰増殖によってできるポリープ
です。
老化現象が原因とされています。
がんに進行する心配はほとんどありません。
<過誤腫性ポリープ>

「若年性ポリープ」とも呼ばれ、子どもや若い人の直腸やS状結腸にできる良性のポリープが
多く見られます。
正常組織の過剰増殖によってできるポリープです。
下血や血便の症状が見られることがあります。