★花粉症の治療
初期療法とは

本格的に花粉の飛散が始まる前(1月末頃)から薬物療法を始めることを指します。
症状の発現を遅らせたり、症状を軽減させる効果があります。
本格的な症状が出始める前に、花粉症の症状を感じない程度の軽い炎症が
目の粘膜や鼻の粘膜では起こっています。
花粉が飛び始める少し前(2週間程度)から抗アレルギー薬を使用し始めておくと
シーズンを通して症状は軽くてすみます。
花粉症の症状が出る前から対策をとることが推奨されます。
*早目の治療が大切(薬物による治療)
花粉症の治療の基本は第二世代の抗ヒスタミン薬です。
最近では市販薬にもなっている薬剤
(商品名だとアレジオン、アレグラ、クラリチン、タリオンなど)があります
が、これらの薬剤の内服のみでは効果に満足できない方はぜひ受診することを勧めます。
鼻詰まりに効く「抗ロイコトリエン薬」(シングレア・オノン)もあります。
眠気が少ない第二世代の抗ヒスタミン薬でも眠くなってしまう方には
小青竜湯を試してみることを勧めます。
内服薬だけでは不十分な場合には「鼻噴霧用ステロイド薬を追加しますし、
目のかゆみが強い方には「点眼用抗ヒスタミン薬」「点眼用ステロイド薬」を追加します。


治療薬 | 特徴 |
抗ヒスタミン薬 | 主にくしゃみ、鼻水の症状に使用 鼻づまりにもある程度効果がある 眠気や口の渇きが少ないのが特徴 薬の効き目が長く、続けて使用することで 効果が長続きする |
抗ロイコトリエン薬 | 鼻の粘膜の腫れや炎症を改善するお薬で、 主に鼻詰まりの症状に使われる くしゃみ・鼻水にもある程度効果がある 効果が十分にあらわれるまで時間がかかる |
鼻噴霧用ステロイド薬 | 鼻粘膜に直接噴霧する薬で、くしゃみ・鼻水・ 鼻づまりの症状に使用 効果が現れるまでが早く、連日の使用で 効果が長持ちする。 噴霧した部分に軽い痛みを感じる場合がある |
点眼薬 | 目のかゆみや、角膜の傷(擦って損傷など)などに使用 抗ヒスタミン薬やステロイド薬の点眼薬を使用 かゆみが治まらない場合や、角膜の損傷がある場合にステロイド薬を使用 |
アレルゲン免疫療法
免疫療法は、花粉に対するアレルギー反応を減らすことを目的とした治療です。
免疫療法では、自分がアレルギーを持つ花粉の抽出液を皮下注射や舌下滴下などの方法で体内に入れていきます。
これにより、体が花粉に慣れてアレルギー反応が弱まるという仕組みです。
免疫療法は、長期間(数年)かけて行う必要がありますが、花粉症の根本的な改善が期待できます。