- 腸管出血性大腸菌などの食中毒を引き起こす細菌は、食品の中で自ら増殖しますが、
- ノロウイルスは食品の中では増えません。
- ノロウイルスによる食中毒の原因としては、
- 人から人への感染が最も多く
- 食品に付着したノロウイルスは少量でも、
- 人の体内(腸管)に入ってから増殖し、吐き気、おう吐や下痢
- などの症状を引き起こします。
ノロウイルスは、
手指を介した接触感染や食品を介して感染します。
ノロウイルスに対するワクチンは実用化されていないため、
予防には手指の衛生を保つことが重要です。
ノロウイルス食中毒の予防対策は次のとおりです。
- 調理する場所にウイルスを持ち込まない
- 持ち込まれたウイルスを食品につけない
- 食品を適切に加熱する
- 吐物処理を迅速かつ確実に実施する
ノロウイルスによる食中毒の予防には、特に
食事前、トイレの後、調理前後の手洗いが重要
です。
ノロウイルスの場合は、食品中では増えないので、
「つけない」、「やっつける」が重要
となります。
ノロウイルスによる食中毒を防ぐポイントは、
ノロウイルスを
「持ち込まない」
「つけない」
「やっつける」
「ひろげない」
の4つです。
(1)ノロウイルスを「持ち込まない」
調理する人がノロウイルスに感染していると、その人が調理した食品を食べることによって
多くの人にノロウイルスが二次感染してしまいます。
ノロウイルスによる食中毒を防ぐためには、
調理場にウイルスを持ち込まないことが重要です。
- 丁寧な手洗いや日々の健康管理を心がける。
- 腹痛や下痢などの症状があるときは、
- 食品を直接取り扱う作業をしない。

(2)ノロウイルスを「つけない」
食品や食器、調理器具などにノロウイルスを付けないように、
素手で調理済食品に触れない
使い捨て手袋を着用する
衛生的な作業着を着用する
調理などの作業をする前などの「手洗い」の徹底。
手を洗うタイミング
トイレに行った後、
調理施設に入る前、
料理の盛り付けの前、
次の調理作業に入る前、
手袋を着用する前 など
手洗いのポイント
- 指輪や時計などを外し、石けんを使って、指先や爪の間、指と指の間、親指の周り、
- 手首、手の甲など汚れの残りやすいところもしっかりと洗いましょう
- 手を洗った後は、ペーパータオルなどでしっかりと水分をふき取ります
- 手を拭くタオルは共有してはいけません

(3)ノロウイルスを「やっつける」
十分に加熱されていない食品を避ける
食品に付着したノロウイルスを死滅させるためには、
中心温度85℃から90℃、90秒以上の加熱
が必要です。

食器などの調理器具は、洗剤などで十分に洗浄した後に、
熱湯(85℃以上)で1分以上加熱するか、塩素消毒液※(塩素濃度200ppm)に浸して消毒します。

※塩素消毒液は、次亜塩素酸ナトリウムを水で薄める等でつくることができます。
家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。
高温の乾燥機使用などを行うと、より殺菌効果が高まる。

(4)ノロウイルスを「ひろげない」
食器や環境などの消毒を徹底すること、
ノロウイルスが身近で発生したときには、ノロウイルスの感染を広げないために
また、おう吐物などの処理の際に二次感染しないように
他のものと分けて洗浄・消毒することが重要です。

手すり、

ドアノブ、

水道の蛇口、

ベッド回り

など直接手で触れる場所を
塩素消毒液などで消毒する

(塩素消毒液は金属腐食性があるため、
ドアノブは消毒後、薬剤を拭きとる。)。
カーテンや衣類を洗濯するときは


洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いし、十分すすぐ。
患者のおう吐物やおむつを処理するときは、
- 使い捨てのマスクやガウン、手袋などを着用する。

- ペーパータオル(市販される凝固剤等を使用することも可能)
- などでおう吐物等を乾燥する前に除去する。

- その後、おう吐物の付着していた場所を、浸すように塩素消毒液でふき取る。

- ふき取ったおう吐物や手袋などはビニール袋に密閉して廃棄する
- (できればビニール袋の中で1000ppmの塩素消毒液に浸す。)

- 換気は屋内への拡散防止のため、おう吐物処理が終わってから
- 空気の流れに注意して行う。

- 終わったら丁寧に手を洗う。
