マイコプラズマ肺炎は初期症状が風邪と似ており、聴診器で聞いただけでは
肺炎特有の肺炎特有のゼロゼロした音がせず、診断が困難な病気です
多くの人は気管支炎ですみ、軽い症状が続きます。
しかし、一部の人は重症化することもあります。
他の一般的な感染症に比べて潜伏期間が長く、2~3週間です。
家族やお友達で時間差(約2〜3週間)でひどい咳の患者さんが発生した時は
マイコプラズマを疑う必要があるかもしれません。
マイコプラズマ肺炎の診断
- 問診
- 視診
- 胸部聴診
- 血液検査
- などを行う
- 血液検査で白血球が増えていないが炎症反応がある
- エックス線で肺にすりガラス状の均等な陰影が見られる
- ★核酸検査(LAMP法)
- こちらもノドから採取します。結果は精確ですが発症してから時間が経ちすぎると反応しづらくなることと、結果が出るまでに数日かかることが難点となります。
- ★マイコプラズマ抗原検査を行う(迅速検査)
- これは喉を綿棒でこすって、それを遺伝子検査に出す方法です。
- ノドから採取するだけで15分で結果が出ます。IgMを検出するマイコプラズマ迅速検査では、感染初期にマイコプラズマIgM抗体が上昇していないこともあり
- 早期診断をすることは難しいのです。
- また、成人ではこのIgM抗体の反応が非常に弱いかほとんどないこともあり、
- 検出ができず、偽陰性(本当はマイコプラズマ感染症だが、陰性になること)
- を呈することが多いです。
- ★血清抗体検査を行う 精度は高い
- 1回採血するだけでは診断がつかないこともあり、ペア血清といって、症状が現れ始めた頃に採血して、2週間後にもう一度採血して、抗体の上昇を見ます。
マイコプラズマ肺炎の症状
いつもの風邪よりも咳が強く長引く場合は早めに受診しましょう。
痰を伴わない乾いた咳(長く続く頑固な咳)
発熱(38〜39度程度)
全身倦怠感(だるさ)
頭痛
咽頭痛
マイコプラズマ肺炎の治療
軽い場合には無治療で自然に治ります。
マイコプラズマ肺炎に至った場合は治療として抗生物質を使用します。
抗生物質は細菌が持つ『細胞壁』を壊すことで殺菌作用を発揮しますが、
マイコプラズマには『細胞壁』がないため
一般的な抗生物質である「ペニシリン系」や「セフェム系」の抗菌薬は、
マイコプラズマには全く効果がありません。
まず使われるのは「マクロライド系」の抗菌薬です。
「クラリスロマイシン」「アジスロマイシン」、
商品名では「クラリス」「クラリシッド」「ジスロマック」などです。
但し、最近はマクロライド系の抗生物質が無効なマイコプラズマが増えてきていますので、
効かない場合は
「テトラサイクリン系(「ミノマイシン」など)」や
「キノロン系(「クラビット」や「ジェニナック」など)も使用することがあります。
マイコプラズマ肺炎の感染経路
①飛沫感染
感染者が咳やくしゃみをした際に発生するしぶき(飛沫)を
近くにいる人が吸い込むことで感染してしまいます。
②接触感染
感染者の飛沫が付着した物品(例えば、食器、タオル、ドアノブなど)に触れ、
その手で口や鼻に触れることで感染することもあります。
濃厚接触するほどに感染リスクが高くなりますが、
マイコプラズマは強い咳が続くことが特徴の一つなので
家庭内・学校・会社などで咳をすることで周りに広めてしまい
集団発生を認める可能性があります。
症状が急には悪くならないので、軽い風邪のような症状のことも多く
少し無理をして学校や会社に行ってしまう人が、
その周りの人にどんどん広がってしまという危険性があるのです。
日常生活での感染防御
咳やくしゃみがある際には、マスクをしっかりとつける
- マスクの着用:飛沫感染を防ぐためにマスクを着用するのが効果的です。
- 自分がかかっている時に周りに撒き散らさないという意味では最も重要といえます。
- マスクの一番の目的は
- 「自分が無自覚のうちに周りに感染を拡げることを防ぐ」ことだと思います。
- 手洗いやうがいが基本。
- 手洗いの徹底:手洗いはこまめに行いましょう。
- 手洗いをすることでマイコプラズマだけではなく多くの感染症が予防できます。
- 咳が出たら「マイコプラズマかもしれない」との認識をもつ
- 体調管理
- 体調不良のときには無理せず休息が望ましいです。
- バランスの取れた食事と質の良い睡眠はとても重要です。
感染が少しでも疑われる場合には、無理に学校や仕事に行かず、
自宅で休養を取り、感染を広げないようにする
医療機関に早めにかかる