赤肉と加工肉とは何ですか?
調理前に赤くなった肉は、赤身の肉と呼ばれます。
それは主に哺乳類の肉であり、生のときは通常暗赤色です。
赤身の肉には、牛肉、豚肉、子羊肉、羊肉、山羊肉、子牛肉、鹿肉が含まれます。
加工肉とは、喫煙、硬化、塩漬け、または防腐剤の添加により、風味を高めたり、貯蔵寿命を延ばしたりするために何らかの方法で改変された肉を指します。
これには、ベーコン、ソーセージ、ホットドッグ、サラミ、ハム、ペパロニ、コンビーフなどの缶詰の肉、肉ベースのソースが含まれます。
西洋型食生活の重要な部分であるため、牛肉、豚肉、羊肉などの赤身の肉、ベーコンやソーセージなどの加工肉は、先進国で多く消費されています。
しかし、さまざまな研究により、赤身の肉や加工肉を大量に摂取すると、肥満や心臓の問題が増加することが示されています。
赤身の肉の健康上の利点
赤身の肉は栄養価が高いことが知られています。
これは、次のようなさまざまな主要栄養素と微量栄養素の重要な供給源です。
- タンパク質:私たちの筋肉と骨の健康をサポート
- 鉄:赤血球に含まれるタンパク質であるヘモグロビンの生成を助け、体内の酸素の輸送を助ける
- 亜鉛:健康な免疫システムを維持し、傷を癒す・DNA合成において重要な役割
- ビタミンB12:脳と神経系の正常な機能にとって重要
- ビタミンB3(ナイアシン):タンパク質と脂肪をエネルギーに変換・神経系だけでなく皮膚と髪を健康に保つ
- ビタミンB6 :私たちの体がさまざまな病気と戦うために必要な抗体を作るのを助ける。
- 飽和脂肪 :摂りすぎは動脈硬化、その結果としての心筋梗塞のリスクを高めるが、少なすぎると脳卒中(特に、出血性)のリスクを高める
赤身の肉には栄養価がありますが、肥満を引き起こし、心臓病や癌のリスクを高める可能性があります。
代わりに、赤身の肉を鶏肉、魚、乳製品、きのこ、植物性食品に置き換えることができます。
赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
- 国立がん研究センターの「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果
赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト (ncc.go.jp) によりますと
肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で男性の結腸がんリスクが高くなり、
赤肉の摂取量が多いグループ(約80g/日以上)で女性の結腸がんのリスクが高くなりました。
男性において赤肉摂取量によるはっきりした結腸がんリスク上昇は見られませんでした。
また、男女ともにおいて加工肉(ハム・ソーセージなど)摂取による結腸・直腸がんの統計的に有意な結腸・直腸がんのリスク上昇は見られませんでした。
ただし、加工肉摂取量をもう少し細かく10グループに分けたところ、男性において最も摂取量の多い群で、結腸がんリスクの上昇が見られました(摂取量の少ない下位10%の群と比べ、上位10%の群では発生率が1.37倍)。
日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低く、平均的摂取の範囲であれば大腸がんのリスクへの影響はほとんど考えにくいでしょう。
つまり、日本人が一般的に食べるレベルでは、はっきりとしたリスクにはならないけれども、通常よりもはるかに多量に摂取する一部の男性では、結腸がん発生リスクを上げる可能性は否定できません。
つまり、肉類全体の摂取量と結腸がんリスク上昇の関連が見られる以上は、牛肉や豚肉も含めて食べ過ぎないようにする必要があると考えられます。
報告書では、赤肉の摂取を週に500g未満とするよう推奨しています。