厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&Aから抜粋
作成:平成16年2月4日 最終改定:令和3年11月19日
ノロウイルスってなんですか?
ノロウイルス(Norovirus)とは
非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルス
の一種です。
昭和43年(1968年)に米国のオハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者のふん便
からウイルスが検出され、発見された土地の名前を冠してノーウォークウイルスと呼ばれました。
昭和47年(1972年)に電子顕微鏡下でその形態が明らかにされ、このウイルスがウイルスの中でも小さく、
球形をしていたことから「小型球形ウイルス」の一種と考えられました。
その後、非細菌性急性胃腸炎の患者からノーウォークウイルスに似た小型球形ウイルスが次々と発見されたため、
一時的にノーウォークウイルスあるいはノーウォーク様ウイルス、あるいはこれらを総称して
「小型球形ウイルス」と呼称していました。
ウイルスの遺伝子が詳しく調べられると、非細菌性急性胃腸炎をおこす「小型球形ウイルス」には
2種類あることが分かりました。
ほとんどが、ノーウォークウイルスまたはノーウォーク様ウイルスと呼ばれていたウイルスで、
もう一つが札幌で発見されたサッポロウイルスまたはサッポロ様ウイルスでした。
平成14年(2002年)8月、国際ウイルス分類委員会(ICTV)で、ノロウイルス属、サポウイルス属に分類
することになったのです。
ノロウイルスは、表面をカップ状の窪みをもつ構造蛋白で覆われ、内部にプラス1本鎖RNAを遺伝子
として持っています。
ノロウイルスには多くの遺伝子の型があること、また、培養した細胞及び実験動物でウイルスを増やすことが
できないことから、ウイルスを分離して特定する事が困難です。
特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、
食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものとしています。
ノロウイルス(Norovirus)は、電子顕微鏡で観察さ れる形態学的分類でSRSV(小型球形ウイルス)、
あるいはノーウォーク様ウイルス“Norwalk-like viruses”という属名で呼ばれてきたウイルスである。
2002年の夏、国際ウイルス命名委員会によってノロウイルスという正式名称が決定され、
世界 で統一されて用いられるようになった。