主な診療内容
風 邪
空気の通り道である鼻やのど、気管支などの粘膜表面から、鼻水やたんなどの水分が大量に分泌して炎症を起こした状態です。原因微生物の約90%はウイルスが占めており、残りの約10%は細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染です。風邪(かぜ)ウイルスの数は200種類以上といわれており、どのウイルスが原因で起こったのかを特定することは困難です。

風邪を引き起こす主なウイルス(インフルエンザ以外)
- ライノウイルス
- コロナウイルス※
- 新型コロナウイルスを除く。
- 新型コロナウイルスは従来のかぜウイルスとは症状や伝染力が異なります。
- 感染したことが判明した際には、必ず各都道府県自治体の対応方針に従ってください。
- RSウイルス
- パラインフルエンザウイルス
- アデノウイルス
- エンテロウイルス
日常生活から考えられる原因
- 風邪をひいている人からの直接感染
- 感染源に触れたことによる間接感染
- 免疫力の低下
風邪(感冒)の症状
- 鼻水、せき、くしゃみ
- たん
- のどの炎症
- 発熱
- 頭痛、筋肉痛
- 口内炎
- 下痢・嘔吐
風邪が引き起こす疾患
- 扁桃炎(へんとうえん)
- 肺炎
- 以上の疾患は、医師の診断が必要です。下記疾患が心配な場合には、早めに医師の診察を受けましょう。
日常生活でできる予防法
- バランスのとれた食事をとる
- しっかり睡眠をとる
- 手洗いとうがいの習慣をつける
- 室温、湿度を調整する
- タバコを控える
- 冷房を効かせすぎない
対処法
- マスクをする
- 生活習慣を改善する
- 市販の薬を使う
- 病院で診察を受ける
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症する病気です。インフルエンザの発症者は0~9歳の小児が約半数を占めており、風邪に比べて症状が重く、乳幼児や高齢者では重症化することもあります。インフルエンザによる死亡者は65歳以上の高齢者が大部分を占めているといわれています。

種類
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、大きく分けて、A型、B型、C型の3つに分類されます。このうち、「季節性」のインフルエンザとしてヒトの間で毎年流行を繰り返しているのは、A型のA/H1N1型(ソ連型)とA/H3N2型(香港型)、そしてB型のウイルスでした。これらのウイルスうち、A型とB型の感染力はとても強く、日本では毎年約1千万人、およそ10人に1人が感染しています。インフルエンザにかかっても、軽症で回復する人もいますが、中には、肺炎や脳症などを併発して重症化してしまう人もいます。
重症化する危険性が高い人
- 高齢者
- 幼児
- 妊娠中の女性
- 持病のある方(喘息のある人・慢性呼吸器疾患(COPD)・慢性心疾患のある人・糖尿病など代謝性疾患のある人 など)
流行時期
季節性のインフルエンザは、例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。
感染経路
インフルエンザウイルスの感染経路は、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つがあります。インフルエンザを予防するためには、こうした感染経路を絶つことが重要です。
症状
インフルエンザウイルスに感染した場合は、約1~3日の潜伏期間の後、突然の38℃以上の「高熱」や全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。やや遅れて、咳(せき)やのどの痛み、鼻水などの「呼吸器症状」が現れ、腰痛や悪心(吐き気)などの「消化器症状」を訴えることもあります。関節痛、筋肉痛、頭痛も現れます。通常は、10日前後で症状が落ち着き、治癒します。
乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方の中には、肺炎を併発したり、基礎疾患の悪化を招く場合があります。特に、幼児や高齢者、持病のある方、妊娠中の女性は、肺炎や脳症などの合併症が現れるなど、重症化する可能性があります。
- 発熱12時間未満の場合、検査の結果が陽性にならないことがあります。(検査は発熱後12時間以上経過してから受けることをおすすめします)
インフルエンザの合併症
インフルエンザが重症化すると、小児では「インフルエンザ脳症」、高齢者では「二次性細菌性肺炎」などの合併症を発症する可能性があるため、注意が必要です。
インフルエンザにかからないために
- 安静にして休養をとり、特に睡眠を十分にとる。
- 高熱によって脱水症状が起こらないように、お茶やジュース、スープなど、自分が飲みたいもので構わないので、十分な水分をしっかり補給することが大切です。
- 人ごみや繁華街への外出を控え、無理して学校や職場などに行かない。
- 部屋の温度や湿度を適切に保つ。(気温18~20℃、湿度50~60%程度)
- 外出先から帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手洗い・うがいをする。
- 周りの人に感染させないためにもマスクを着用する。
ヘルペス
ヘルペスとは皮膚に小さな水ぶくれが集まって炎症を起こしている状態のことです。
ヘルペスウイルスに感染したことで水ぶくれを引き起こします。ヘルペスウイルスはいくつか種類があり、例えば水ぼうそうや帯状疱疹は「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因であり、口唇ヘルペスや性器ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス」によって引き起こされます。
ヘルペスウイルスは、ヘルペスウイルス科として8種類存在します。一般的には、口唇ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルス(HSV)と、いわゆる「胴巻き」といわれる帯状疱疹を引き起こす水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の2種類を「ヘルペス」と呼ぶことが多いです。

単純ヘルペスウイルス(HSV)
HSV感染症として、口唇ヘルペス(口の周りにできるヘルペス)と性器ヘルペス(陰部にできるヘルペス)が有名であり、どちらも体の疲れなどにより症状(液体で満たされた痛みを伴う小さな水ぶくれ)を頻回に繰り返しやすいという特徴があります。ヘルペスウイルスは非常に感染力が強く、水ぶくれに直接触れるだけでなく、ウイルスの付いた粘膜や皮膚と接触することによっても感染します。
原因
単純ヘルペスウイルスというウイルスはHSV‐1とHSV-2の2種類の型に分けられるが、口唇ヘルペスにはHSV-1が関与することが多いです。水疱内の透明な液や、皮膚のただれた部分、唾液、ウイルスが付着した手指や器具から接触感染します。
そのほか、患者さまのくしゃみや咳、会話中のウイルスを含んだつばがすぐ近くにいる人の皮膚や口・鼻などの粘膜に直接付着して感染する飛沫感染もあります。単純ヘルペスウイルスは多くは子どもの頃に感染することが多いといわれていますが大人になってから感染する場合もあります。
症状
口唇ヘルペスは唇や口の周りがピリピリし、チクチクするような痛みや違和感を伴います。また部分的に赤く腫れあがり、小さい水ぶくれが出たりただれたりします。
治療
治療については軽症ならば抗ヘルペスウイルス薬のアシクロビルやビダラビンを塗布します。重症ならばファムシクロビルやバラシクロビルなどの抗ヘルペスウイルス薬を内服します。疲労、風邪、ストレス、紫外線、生理などで体の免疫力が下がったときに唇や口の周りにウイルスが皮膚へ移動すると再発します。抗ウイルス薬は神経節に潜んでいるウイルスに対しては効果がなく、単純ヘルペスウイルス感染症を根本的に治す薬は今のところないため、再発を防ぐ意味でも休息は大切です。単純ヘルペスに対するワクチンは現時点ではありません。
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
VZV感染症として、水痘(水ぼうそう)と帯状疱疹があります。
水痘(水ぼうそう)はウイルスが初めて感染した時に発症するもので、一生に1回経験するものです。
従来は子供に多い病気でしたが、最近は水痘ワクチンが定期接種化されたため、ワクチン接種により水痘(水ぼうそう)の発生が激減しています。水痘(水ぼうそう)は空気感染しますので、水痘(水ぼうそう)と診断された方は隔離が必要です。
一方、帯状疱疹は、60歳以上の方に発症しやすいもので、神経に沿って、ピリピリとした強い痛みと、水疱ができるのが特徴です。水痘・帯状疱疹ウイルスは、感染者の体内でウイルスに対する抗体がつくられ、水ぼうそうが治癒した後、神経の根元にある神経節に潜伏します。
普段は抗体の力で押さえ込まれていますが、病気や疲労・ストレスなど免疫力を低下させる要因が重なると、ウイルスは再度活性化して増殖し、深いところにある知覚神経を通って表面の皮膚に作用し、痛みを伴なった水疱の群れを作ります。これが、帯状疱疹です。帯状疱疹は、脇の下から胸部・腹部にかけてと、額からまぶた・鼻にかけて症状がでやすく、神経に沿って身体の左右のどちらか一方に、帯状になって症状がでるのが特徴です。
帯状疱疹は、通常、病変部を直接触らない限りはうつりません。さらに、帯状疱疹から別の方に帯状疱疹としてうつることはなく、水痘(水ぼうそう)としてうつることがありますので、水痘(水ぼうそう)になったことのない小さいお子さんには接触に注意が必要です。
頭 痛
最近の調査では、頭痛もちの人は15歳以上の日本人の約40%という結果が出ています。
頭痛には大きく分けて「慢性頭痛」、「急性頭痛」、「その他の頭痛」の3つがあります。
頭痛は、主に頭の血管と肩や首、後頭部の筋肉の問題で起こります。
緊張型頭痛は、主に肩や首、後頭部の筋肉や神経の緊張が原因と考えられ、片頭痛は、頭の血管のまわりにある三叉神経が刺激され、いろいろな物質が出てきて血管を拡げ、頭痛をひき起こしていると考えられています。 群発頭痛は、頭の血管の拡張が原因です。

慢性頭痛
他の病気と関係なく、毎日あるいは1週間おきなど、周期的に繰り返して起こる頭痛です。
日本人の15歳以上を対象にした調査では、緊張型頭痛が圧倒的に多く22%で慢性頭痛の約半数を占め、次いで片頭痛が8.4%でした。つまり840万人が片頭痛と推定されています。命にかかわることはありませんが、日常生活に支障を来すこともあります。慢性頭痛には、以下の種類があります。
- 緊張型頭痛
- 片頭痛
- 群発頭痛
- 薬物乱用頭痛
急性頭痛
危険な頭痛の特徴
- 今までに経験したことのないほど激しい頭痛
- 突然に起こった頭痛(突発完成型)
- 早朝頭痛ないし朝方に起こる頭痛(目覚まし型)
- 強烈な頭痛
- 長期間続く頭痛
- 日ごとにだんだんひどくなる頭痛
- 麻痺・しびれを伴う頭痛
- 意識が冒されたり、わけのわからないことを言う頭痛
- 言葉が喋りにくい、呂律が回らない頭痛
- ボケを伴う頭痛
- 視力が弱くなったり、ものが二重に見える頭痛
- めまいや嘔吐を伴う頭痛
- いきんだり、頭を振るとひどくなる頭痛
- 高熱を伴う頭痛
頭痛は大きく分けて2種類あり、頭蓋内病変(頭の中の病気)とは関連のない一次性頭痛と頭蓋内病変が原因の二次性頭痛があります。
一次性頭痛には片頭痛や筋緊張型頭痛、群発頭痛、後頭神経痛などがあります。
二次性頭痛がいわゆるこわい頭痛です。例えばくも膜下出血、脳腫瘍、脳血管解離などが挙げられます。
その他にも頭を打った数か月後に出現する慢性硬膜下血腫、鼻の中の病気である副鼻腔炎(蓄膿)、髄膜炎などがあります。
「こわい頭痛」である二次性頭痛の代表的な病気は以下となります。
- くも膜下出血(脳動脈瘤破裂、血管解離)
- 未破裂脳動脈瘤
- 椎骨動脈解離
- 脳出血
- 髄膜炎
- 慢性硬膜下血腫
- 高血圧
- 副鼻腔炎
- 帯状疱疹
- 側頭動脈炎
めまい
めまいは、現代女性に増えている不調の1つです。
全般的にめまいの引き金になる要素としては、以下のとおりです。
- 慢性的な疲労や睡眠不足
- 人間関係のトラブル
- 冷房・暖房の効いたオフィスで過ごすことによる体のアンバランス
- 食生活の乱れ
- 運動不足

自律神経の乱れによるめまい
女性に多いめまいの1つに、自律神経の乱れによるものがあります。
自律神経は呼吸や消化、血流などをコントロールする神経。ストレスがかかったり、女性ホルモンのバランスが崩れたりすると、血圧の調節機能などがうまく働かなくなり、その結果、めまいなどの症状を起こすことになります。
女性には低血圧の人や貧血の人が多く、これも女性のめまいの大きな原因となっています。月経、妊娠、出産、授乳などのほか、ダイエットや栄養バランスの悪い食事も鉄分不足による貧血を招きやすいので注意が必要です。
急に立ち上がったり、起きあがったりしたときに、血圧が下がり(普通は一定の値を保つように調節される)、脳への血液が不足することによって起立性調節障害が起こります。
もともと血圧が低い低血圧症の女性で、自律神経系のコントロールがうまくいかない状態を起立性低血圧症といいます。
血圧が下がりすぎてしまうとうまく血液が循環せず、特に脳への血液が不足し、一次的に虚血状態に陥ることを俗に脳貧血と呼んでいます。しかし、体質的に低血圧の場合は特に治療の必要はありません。血圧がさらに下がらないよう栄養バランスの取れた食事をとり、適度な運動と十分な睡眠をとって規則正しい生活をすることで改善できます。
一方、「貧血」は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となる鉄分の不足で、ヘモグロビンの量が少ない状態で、体内に酸素が十分に行き渡らない状態のことです。
鉄は全身における酸素運搬を担うヘモグロビンを構成していますので、その不足によりヘモグロビン値も低下し、心臓から遠く、かつ体の中で最も酸素に敏感な脳が、酸欠状態になり、めまい感やたちくらみを起こします。
貧血の場合はこの他に、息切れ、動悸、だるさ、疲れやすい等の症状を伴います。
女性ホルモンの不足によるめまい
女性ホルモンが減少する更年期には、自律神経のバランスが崩れやすく、めまいが起こりやすくなります。
めまいは30代半ば~40代半ばのプレ更年期の人にも多い症状ですが、この年代ではホルモンの減少よりもストレスや過労が原因であることが多いようです。
更年期障害や月経前症候群など、女性ホルモンのバランスの乱れによるめまいの治療は、精神的な安定を目的に精神安定剤や血流の循環を良くするための循環改善剤、漢方薬などが処方されます。診断結果、女性ホルモンが足りない状態であれば、低用量ピルなどのホルモン剤を服用します。
女性ホルモンが不足して、めまいを起こしている場合、治まるまでに時間がかかることがありますが、ホルモン剤の助けを借りながら、女性ホルモンの分泌が安定してくるので、めまいの症状が緩和されていきます。
ストレス、不安によるめまいの悪化
ストレス、不安はめまいを悪化させることがあります!精神的に不安なことがあると、めまいが治まらないことがあります。ストレスが多い女性ほどめまいの症状が悪くなる傾向にあるようです。仕事など生活のリズムを調整して、過労や睡眠不足がない生活を心がけてください。
老化による後方重心姿勢の強調に原因があると考えています。もちろん、個人差はありますが40代以降、重力による姿勢変化が始まります。70代以降特に骨格が華奢(きゃしゃ)な女性には、日本人の骨格に由来する後方重心姿勢が顕著となり、胸部の湾曲は増大し、胸郭圧や腹圧の障害が顕在化します。
これらの要因が、体腔内圧を高めることからリンパ循環や自律神経の促通に障害を与え、めまいの症状を誘発していくものと考えられます。
膀胱炎
膀胱炎とは、膀胱に大腸菌やセラチア菌などの細菌が侵入し、どんどん繁殖して炎症を起こす病気で、女性の罹患率が高く、女性にとって大変ポピュラーな病気です。
膀胱炎になると、尿を出し切った直後、または排尿が終わる頃からしみるような強い痛みが出ます。また、残尿感があり、頻繁にトイレに行きたくなります。下腹部に痛みが出ることもあります。ひどくなると、痛みや残尿感が増し、白くにごった尿が出たり、尿に血が混じったりします。
膀胱炎の場合、通常発熱はありません。排尿時の痛みだけでなく、高熱が出たり、腰痛があったりする場合は、腎臓の腎盂まで炎症が広がり、腎盂腎炎になっている恐れがあります。

原因
腎臓でつくられた尿は尿道を通って、膀胱に貯められ、体外へ排泄されますが、膀胱炎の原因は尿道から侵入する細菌に感染することです。
女性に膀胱炎が多いのは、男性に比べて尿道が短く、3、4cmしかないため、細菌が膀胱内に侵入しやすいからです。
膀胱炎の原因になる細菌の中で一番多い、大腸菌が、肛門と尿道が近いために、侵入しやすいと言えます。トイレでは、前から後ろに向って拭くようにしましょう。
膀胱は本来、細菌に対する抵抗力・免疫力を持っていますが、病気やダイエット、過労で体力が落ちているときや、ストレスがたまっているとき、生理が終わったあとや、不潔な性行為をしたあとなどに膀胱炎にかかりやすくなります。
治療法
細菌性の膀胱炎の場合、抗生剤を3日ほど服用すれば症状は治まってきます。症状が治まってもすぐ薬を中止しないで、主治医が指示する期間(1週間前後)は、服用を続けましょう。きちんと治しておかないと、慢性化したり、再発を繰り返す場合が多いからです。もし薬が効かない場合は、血液検査や細菌検査などを行って薬を変えてもらいます。
また、尿の量を増やし、細菌を洗い流すために、水分を十分とることも大切です。
予防法
膀胱炎を防ぐには、次のようなことに気をつけましょう。
- 過労や極端なダイエットを避け、精神的なストレスを溜めないようにする。
- 細菌が体外から侵入しないよう、外陰部をいつも清潔にしておく。
- 水分を十分取る。
- 排尿を長時間我慢しない。
- 下腹部を冷やさない。
甲状腺
甲状腺機能低下症とは
体全体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが、何らかの原因によって不足している状態をいいます。
甲状腺はのどぼとけの下にある蝶(チョウ)が羽を広げた形をした臓器で、甲状腺ホルモンというホルモンを作っています。このホルモンは、血液の流れに乗って心臓や肝臓、腎臓、脳など体のいろいろな臓器に運ばれて、身体の新陳代謝を盛んにするなど大切な働きをしています。甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進するほかにも、脳や胃腸の活性化、体温の調節などの役割があり、活動のために必要なエネルギーを作っています。
甲状腺ホルモンの産生は脳下垂体より分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調節されます。「甲状腺機能低下症」とは、血中の甲状腺ホルモン作用が必要よりも低下した状態です。

症状
甲状腺機能低下症による症状には、一般的に活動性が鈍くなり、体温が低くなるほか、全身のだるさや眠さ、汗をかかない、食欲が低下する、抑うつ、指で押しても跡を残さないむくみ、声帯がむくむために声がかすれる、無気力、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、認知症、消化管運動の低下により便秘、心臓機能の低下により脈が遅くなる、皮膚が乾燥する、髪の毛が抜ける、眉毛が抜けるなどがあります。
女性に多くみられ、40歳以降の女性の約1%が発症するといわれています。軽度の甲状腺機能低下症では症状や所見に乏しいことも多いです。甲状腺機能低下症が強くなると、重症例では心臓の周りに水が溜まり、心機能に影響を及ぼすこともあります。(粘液水腫) 傾眠、意識障害をきたし、粘液水腫性昏睡と呼ばれます。
甲状腺全体が腫れる場合もありバセドウ病による腫れとは違って硬く表面がゴツゴツした状態になることもあります。
また、甲状腺ホルモンは、代謝の調節以外にも、妊娠の成立や維持、子供の成長や発達に重要なホルモンなので、甲状腺機能低下症では、月経異常や不妊、流早産や妊娠高血圧症候群などと関連し、胎児や乳児あるいは小児期の成長や発達の遅れとも関連してきます。
検査・診断
血液検査で甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンを調べます。甲状腺ホルモンの値が正常よりも低ければ甲状腺機能低下症と診断されます。
甲状腺ホルモン値は正常でも甲状腺刺激ホルモンが高い場合は潜在性甲状腺機能低下症の可能性があります。甲状腺ホルモンが低い場合には血中コレステロール値や中性脂肪が高くなりやすく、放置すると動脈硬化が進行し心疾患のリスクが高くなります。その他、超音波検査で甲状腺の大きさや腫瘍性病変の合併の有無を確認することも重要です。中枢性甲状腺機能低下症では下垂体、視床下部MRIを撮影します。
治療
甲状腺機能低下症の治療には、甲状腺ホルモンである合成T4製剤(チラーヂン®S)の服用による治療を行います。
鉄剤、亜鉛含有胃潰瘍薬、アルミニウム含有制酸剤などは甲状腺ホルモン製剤の吸収を阻害するので、内服間隔をあけることが必要です。また抗痙攣薬や抗結核薬と併用時には増量が必要な場合もあります。
高齢者や、冠動脈疾患、不整脈のある患者さまでは慎重に内服を開始します。成人の合成T4製剤の内服維持量は甲状腺機能低下の程度によって様々ですが、最大で100~150μg/日です。
内服治療は通常少量から開始し、維持量にまで徐々に増やします。維持量に達するのには数か月かかります。
治療開始にあたって最も注意しなければならないのは、狭心症などの虚血性心疾患を合併している場合です。そういった患者さまは甲状腺機能低下症の治療開始時に狭心症の頻発や心筋梗塞を生じる可能性がありますので、12.5μg/日程度の少量から治療を開始します。
妊娠中は、甲状腺機能低下症を急速に改善する必要があるので、診断後は100~150μg/日で開始します。
甲状腺ホルモン値が正常範囲内で、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が高値の場合は、「潜在性甲状腺機能低下症」と言います。
我が国での調査では健康な人の4~20%にみとめられるといわれており、特に女性に多く年齢が上がるにつれて増加します。
治療すべきかどうかについては、未だに議論が多いですが、持続性にTSH値が高値の場合や、妊娠を前提とした場合や妊婦に対しては合成T4製剤の内服を行います。
一過性甲状腺機能低下症で症状が軽度のものであれば特に治療の必要はありませんが、しかし甲状腺機能低下症の症状が強ければ数か月間、合成T3製剤(チロナミン®)を毎日15μg程度内服していただきます。患者さまの血清FT4が正常化すれば中止することができます。
またヨウ素の過剰摂取が原因と判断された場合は、ヨウ素の摂取制限をすることで甲状腺の機能が回復することもあります。
原因
甲状腺そのものの働きが低下することで起こる「原発性甲状腺機能低下症」、甲状腺をコントロールしている甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が少なくなって起こる「中枢性甲状腺機能低下症」があります。
原発性甲状腺機能低下症の原因として圧倒的に多いのは橋本病(慢性甲状腺炎)で、ほかにヨウ素過剰によるもの、バセドウ病のアイソトープ治療や甲状腺手術後に起こることがあります。
また、抗がん剤や不整脈の薬、インターフェロンなどの薬物による影響や、悪性リンパ腫、アミロイドーシスなどの甲状腺浸潤性病変によるものがあります。
予防/治療後の注意
食事、日常生活の注意
海藻や昆布のサプリメントなどヨウ素が含まれている食品を多く摂りすぎたり、イソジンのうがいを毎日のように使用したりすると甲状腺機能が低下する可能性がありますので、過剰にはとらないようにしましょう。
ただ、あまり神経質になる必要はありません。ごく普通の食事の範囲で海藻類をとるのは問題ありませんし、うがい薬も風邪の時に使用するのは全く問題ありません。それ以外の日常生活での注意は特にありません。
妊娠予定の女性
妊娠中に甲状腺機能が低下していると流産しやすくなることが分かっています。妊娠が分かったら早期に甲状腺機能を再確認する必要があります。甲状腺ホルモン薬による補充療法は長く継続する必要がある場合が多いため、定期的な検査と補充量の調整が重要です。
甲状腺機能亢進症とは
甲状腺から甲状腺ホルモンが多量に分泌され、全身の代謝が高まる病気です。
バセドウ病とは、この病気を報告したドイツの医師の名前に由来するもので、米国や英国では別の医師の名前をとってグレーブス病と呼んでいます。血液中に抗TSHレセプター抗体(TRAb)ができることが原因です。

自己抗体とは自己組織に対する抗体で、自己抗体により引き起こされる病気は自己免疫疾患と言われ、甲状腺疾患はその代表的なものです。自己免疫疾患は他の自己免疫疾患を合併しやすいことも注意が必要です。この抗体は、甲状腺の機能を調節している甲状腺刺激ホルモン(TSH)というホルモンの情報の受け手であるTSHレセプターに対する抗体です。これが甲状腺を無制限に刺激するので、甲状腺ホルモンが過剰につくられて機能亢進症が起こります。
このTRAbができる原因はまだ詳細にはわかっていませんが、甲状腺の病気は家族に同じ病気の人が多いことでもわかるように、遺伝的素因が関係しています。
症状
甲状腺ホルモンが過剰になると全身の代謝が亢進するので、食欲が出てよく食べるのに体重が減り(高齢になると体重減少だけ)、暑がりになり、全身に汗をかくようになります。精神的には興奮して活発になるわりにまとまりがなく、疲れやすくなり、動悸(どうき)を1日中感じるようになります。手が震えて字が書きにくくなり、ひどくなると足や全身が震えるようになります。イライラして怒りっぽくなり、排便の回数が増えます。
また、大きさに差はありますがほとんどの症例で軟らかいびまん性の甲状腺腫が認められます。眼球が突出するとよくいわれますが、実際には5人に1人くらいです。
検査・診断
甲状腺ホルモン(遊離チロキシン:FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定することで、診断できます。
さらにバセドウ病であることを確認するには、原因物質である抗TSHレセプター抗体(TRAb)を測定します。
治療
抗甲状腺薬治療、手術、アイソトープ治療の3種類がありますが、通常は抗甲状腺薬治療をまず行います。
抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)は甲状腺ホルモンの合成を抑える薬です。この薬で合成を抑えると、4週間くらいで甲状腺ホルモンが下がり始め、2カ月もすると正常になって、自覚症状はなくなり、完全に治ったようになります。
しかし、原因のTRAbが消えるのは2~3年後なので、TRAbが陽性の間は抗甲状腺薬をのみ続ける必要があります。いつまでもTRAbが陰性にならない時は、甲状腺を一部残して切除する甲状腺亜全摘(あぜんてき)出術をするか、放射性ヨードを投与して甲状腺を壊すアイソトープ治療をすることになります。
このどちらを選ぶかは、甲状腺の大きさや年齢、妊娠の希望などを考慮して決定します。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の放射性ヨード治療とは
海藻にはヨードと呼ばれる栄養素がたくさん含まれています。食事から入ったヨードは甲状腺に集まり、そこで甲状腺ホルモンが作られています。放射性ヨードも食事のヨードと同じ性質をもっているので、薬として服用すれば同じように甲状腺に集まります。
しかし放射性ヨードと食事中のヨードの違いは、放射性ヨードがベータ線と呼ばれる特殊な放射線を出すことです。これが甲状腺を部分的に破壊し、ホルモン合成を抑える働きをします。これがヨード治療の原理です。放射性ヨードのほとんどの放射線は甲状腺が受けます。
放射性ヨードは、ほとんどが甲状腺に集まり、一時的に身体の中に残ります。一方、甲状腺に取り込まれなかった放射性ヨードは、最初の1日間でほとんどが尿中に排泄されます。身体の中の放射性ヨードはしだいに減っていき、治療が終わったときには身体の中には放射能は残っていません。
ヨード制限中に食べてはいけない食品
検査の2週間前からヨードを含まない食事(禁ヨード食)が必要です。
ヨードは海藻類に多く含まれています。寒天・昆布だしなどの形で思いがけなく入っていることもありますので、食品の原材料表示を確認するよう心がけましょう。
ヨードを多く含むこんぶ、わかめ、のりなどの海藻類と、そのだしや寒天などの加工食品を避けてください。
その後甲状腺のヨードの取り込み率と甲状腺の写真撮影(シンチグラフィ)をし、ちょうど良い治療量を決めます。
なお、禁ヨード食は治療終了の1週間後まで続けてください。
- すべての海藻類
- 海藻加工食品
- 昆布エキスを含んだ食品
- 寒天を含んだ菓子類
- ヨードを添加した食品
- カラギナンを含んだ食品(海藻由来の食品添加物のこと)
- 赤身魚
- 青身魚
- 白身魚
- 貝・えび
- 動物の内臓など
治療
放射性ヨードが入ったカプセルを服用するだけの簡単な治療であり、副作用もありません。ヨードは微量であり、ヨード過敏症の人でも安心して治療できます。
バセドウ病の治療には通常4-8週の入院期間が必要です。ただしこの期間は甲状腺機能亢進の症状の強さにより異なります。ヨード治療のみを行なう場合は短期間の入院になることもあります。
いずれにせよ、甲状腺に集まらなかった放射性ヨードのほとんどが尿に排泄されるため、専用の治療病室に最低1日の入院が必要です。入院期間は状況により異なりますので、担当医と相談してください。
放射性ヨード治療の効果はゆっくり現われます。早ければ2週間くらいで機能が下がり始め、半年くらいまで徐々に甲状腺の働きが下がっていきます。甲状腺腫の大きさは、治療により縮小します。これは抗甲状腺薬にみられない効果です。この治療により甲状腺機能は確実に下がりますが、放射性ヨードの効果には個人差があります。
予防/治療後の注意
ヨード治療は安全な治療法です。ただし、治療後の半年くらいは甲状腺機能が変化しますので、その時の状態にあわせて対処する必要があります。仕事を軽減したり、休息が必要な場合もあります。
放射性ヨード治療後は長期的に見て、甲状腺機能低下症が高率に発生します。このため、一旦機能が正常化しても通院を中止することなく、経過観察を受けることが大切です。なお、抗甲状腺薬は妊娠中でも医師の指示のもとに服用することができます。
バセドウ病は女性では100人に1人の頻度でみられる病気で、決してまれなものではありません。
自覚症状がなくなっても治ったわけではなく、いつ薬をやめるか、薬物治療以外の治療に切り替えるかなど難しい点もあるので、できれば甲状腺専門医と相談しながら治療することをすすめます。
高血圧
高血圧と食事
脳卒中や心筋梗塞にならないためにも高血圧は絶対に放置しないようにしましょう。
当院での高血圧に対する食事指導です。
カップ麺でもスープまで飲むと1日6g未満の目標とほぼ同じ量の食塩になります。うどんやそば、ラーメンの汁は飲まない、レモンなどの香味を利用した味つけをするなど、日常の中で工夫をして塩分をとりすぎない生活習慣を心がけましょう。めん類は旧1杯以下、つゆを残しましょう。うどんやそばなど和風のめん類でも、1人前の塩分は4~5g。ラーメンはもっと多く、1人前で7~8g!つゆを飲まずに食べても、半分は口に入るのでこ注意してください。めん類を食べる日は、ほかの食事で汁物を控えましょう。

水溶性食物繊維は、ナトリウムを排除して血圧上昇を抑え、コレステロールの吸収も抑えます。寒天、海藻類、りんご、さつまいもなどを摂りましょう。日本人の食塩摂取量は1日に10.4g(平成23年国民健康・栄養調査)ですが、食塩制限だけでかなり血圧が下がる人も多く、1日6g未満を減塩目標にしましょう。
野菜や果物を積極的に摂り、コレステロールや飽和脂肪酸を含む食品の摂取は控えめにしましょう。
副菜(ビタミン・ミネラル・食物せんいを多く含む食品)ビタミンやミネラルは微量栄養素と言われ、体内で作ることができないので、食事から十分確保する必要があります。
食物線維は胃の中に留まっている時間が長いことから空腹感を和らげたり、炭水化物や脂肪の吸収をゆるやかにする働きがあります。野菜類は毎食積極的にとりましょう。
海そう・きのこ・こんにゃくといった低エネルギーの食品も利用しましょう。
日常生活の注意
生理的な空腹感よりもストレスや習慣といった外的な因子によって食べ物に手が出てしまうことも多くあります。
自分の行動に問題がないか分析・認識し、行動を修正していくことが重要です。
- 一口ずつゆっくりよく噛んで食べましょう。
- 間食は太る原因になるので、できるだけ控えましょう。
- 特に夕食後の間食は控えましょう。
- 炭酸飲料や砂糖入りの飲み物は控えましょう。
- 目につくところや手の届くところに食べ物を置かないようにしましょう。
- 活動量を増やしましょう。
糖尿病
糖尿病とは
糖尿病とは血糖値が高い病気です。血液中のブドウ糖のことを「血糖」といいます。血液の中にどのくらい「血糖」がとけているかを表す単位が「血糖値」です。
空腹時の血糖値が126mg/dl以上、食後血糖値が200mg/dl以上である場合は、糖尿病である可能性が極めて高いと言えます。
しかし、糖尿病の判定基準には血糖値以外のもう一つの要素があります。それが、HbA1cです。高血糖が続くと、ヘモグロビンと糖が結合しHbA1cとなります。1〜2ヶ月後、結合はより強固になり約120日間血液中に存在します。よってHbA1cは約1〜2ヶ月の血統平均値を示すこととなり、血糖値はある一時点での血糖値を示すにすぎないのです。

その特性を生かして、空腹時血糖値が126mg/dl以上、食後血糖値・随時血糖が200mg/dl以上で、HbA1cが6.5%以上であれば糖尿病だと判定されます。
インスリンの作用が不足することで高血糖になります。インスリンは、胃の裏側に存在するすい臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモンで、血管内のブドウ糖を細胞へ取り込む働きがあり、血糖の上昇を抑える作用があります。ただし、すい臓内のインスリンの働きが不足すると、筋肉や肝臓への糖の取り込みが低下して高血糖を起こし糖尿病となり、血管障害を併発します。
糖尿病には、大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病がありますが、95%以上は2型糖尿病となります。発症年齢は主に中高年ですが、最近では若い方でも発症するケースがあります。家族に糖尿病歴の方いる場合が多く、遺伝の可能性もありますが、一番は暴飲暴食・飲酒・喫煙・運動不足・肥満など生活習慣の問題により発症するケースが多いです。糖尿病に対するお薬は有効ではありますが、最も重要なのは食事・運動療法です。自覚症状としては、多尿・水分を多くとる(多飲)・体重が減る・疲れやすい・空腹感が強く、たくさん食べる・手足がしびれる、足がつるなどがあります。
糖尿病はとても恐ろしい病気です。糖尿病予備軍ですら、動脈硬化性合併症として心筋梗塞や脳梗塞という危険な病気をを引き起こします。2型糖尿病となり病状が進行すると、3大合併症である神経障害・網膜症・腎症を併発します。神経障害では、手足の痺れや感覚の麻痺、足の先が腐り場合によっては切断というケースもあります。網膜症では、眼底出血のためものが赤く見えたり、目がかすんだりします。腎症は、腎機能が悪化し腎不全になれば透析が必要になあり、尿毒症という毒素がたまる病気にもなります。3大合併症の予防のための目標は、HbA1cは7.0%未満です。
治療
糖尿病を治療とは、血糖値を常に健康な人に近いレベルに維持し続けること、高血糖にならないようにすることです。そのために最も重要なのは食事療法です。食事のポイントは、主食(ご飯・パン類などの炭水化物)と、主菜(肉・魚などのタンパク質)と、副菜(野菜・海藻などのビタミン)をバランス良くとることです。朝食では和食・洋食に関わらず主食・主菜・副菜を揃え、その日の予想運動量に応じて、食べる量を調整することがポイントです。昼食では丼物・カレーなどの単品はできるだけ避け、主食を控えめにし主菜と副菜を多めにとりましょう。野菜は多めに、揚げ物は控えめにし、牛乳や乳製品、果物を添えるとよいでしょう。夕食では朝食・昼食ではとらなかった食材・調理方法を選び、入眠2時間前には食事を終わらせましょう。
予防
食後の血糖上昇を抑えるために「食べる順番ダイエット」があります。これは食事の順番を①食物繊維、②発酵食品、③タンパク質、④炭水化物にすることで血糖値が上がりにくくすることです。
食後血糖値の上昇を示す指標をグライセミック・インデックス(GI)があります。GIは食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液濃度を計ったもので、GI値が高い食材は糖尿病の方には不適切となります。GI値が高い(70以上)食材には、白砂糖、黒砂糖、白米、食パン、せんべい、キャラメル、フライドポテト、アメ玉、どら焼き、ミルクチョコレート、じゃがいも、大福、もち、うどんなどがあります。一方、GI値が低い(45以下)食材には、バナナ、豆腐、りんご、大豆、キャベツ、きなこ、納豆、ぶどう、そば粉、みかん、トマト、きのこ、牛乳、わかめなどとなり、糖尿病の方でも安心して食べられます。
糖尿病はとても恐ろしい病気です。診断された方は決して放置せず、場合によっては病院でお薬の治療が必要となりますが、日々の生活の中での自己管理がとても重要となります。
高脂血症
中性脂肪を増やす食品
中性脂肪が高くても、自分で気づくことはほとんどなくて、放っておくと、心筋梗塞や脳血栓などの要因になる可能性が大きいので、中性脂肪の数値を低めで安定させておくことが大切です。
中性脂肪数値が高いまま放置しておくと、血管が老化してしまうので、先にあげた血栓などの病気に繋がるので、気をつけねばなりません。
中性脂肪が増えた状態が長続きすると動脈硬化の危険性が出てきます。
血液中の中性脂肪が増えると、善玉コレステロールが減って、悪玉コレステロールがふえることになり、コレステロールが血管壁にたまりやすくなります。
血管の中が中性脂肪やコレステロールで詰まってくると、動脈硬化になります。
動脈硬化は心筋梗塞や脳血栓の原因になり、日本人の死亡率の上位に位置する病気の一つですから、気をつけねばなりません。

- 砂糖
- 果物
- 脂質
- アルコール
- 炭水化物
脂肪吸収を防ぐ食品
- L-カルニチン
- ミネラル
- 魚油やDHAやEPA
- ビタミンC
- アミノ酸
- カテキン など
痛 風
高尿酸血症
尿酸は、細胞の中にある「核酸」という遺伝子の成分が分解されてできた、いわゆる古い細胞の残りかすでもあり、また、体の中のエネルギーのもととなっている物質の燃えかすでもあります。すなわち、新陳代謝によって細胞が分解されたり、エネルギーを使うと、体内で尿酸が作られるわけです。
また、尿酸の原料は食物(特に肉類)にも含まれており、これらを食べることによっても体内で尿酸が作られることになります。
われわれの体内では、尿酸が毎日一定量つくられ、一定量が主に腎臓から排泄されてバランスを保っています。

ところが、なんらかの原因で尿酸が過剰に作られたり、腎臓などでの排泄がうまくいかなくなると、体内の尿酸濃度が一定以上に高くなってしまいます。この状態を「高尿酸血症」といいます。
体内で尿酸が溶けきれなくなると、その結晶が関節や他の臓器に沈着し、さまざまな合併症を引き起こしますので注意が必要です。血液中の尿酸の値が7を超えると高尿酸血症と定義されます。
尿酸の結晶が関節に沈着して引き起こされる病気が痛風です。足の親指の付け根に起こることが多く、激しい痛み、発赤、腫脹を認めます。高尿酸血症の患者さま全員が必ず痛風になるわけではありませんが、その状態が長く続いたり、血清尿酸値が高くなればなるほど痛風発作が起こりやすくなります。
現在、全国の痛風患者は約60万人と言われています。そして高尿酸血症患者はその約10倍にも及ぶと推定されており、高尿酸血症は、今や高血圧症や糖尿病などと同様な生活習慣病として注目を集めています。
痛風は男性の病気と言われており、患者の99%は男性です。女性に痛風が少ないのは、女性ホルモンが尿酸を体外へ排泄しやすくしているからだと言われています。したがって、一般に女性が痛風になるのは、女性ホルモンが減る更年期以降です。また、痛風はその体質が遺伝するとも言われています。
尿酸の値をみるときに「7」「8」「9」のルールがあります。
血清尿酸値が「7」を越えたら生活習慣の見直し、尿路管理をはじめ、「8」を越えて痛風発作の既往や尿路結石があれば、薬物治療をはじめ、「9」を越えたら積極的に薬物治療を考慮しましょうというものです。
高尿酸血症の治療の目的は次の4つです。
- 痛風発作を防ぐ。
- 尿酸沈着による合併症である腎障害(痛風腎)を防ぐ。
- 尿路管理を行い、尿路結石を起きないようにする。
- 高尿酸血症の患者さまは高血圧、血糖異常、脂質異常、肥満を合併することが多いため、
これらの併発と心血管病変の進展を防ぐ。
血液中の尿酸の値が高くなるのは、次の3つの原因があります。
- 尿中への尿酸の排泄が低下する(排泄低下型)
- 尿酸の産生が過剰になる(産生過剰型)
- これらの両方の要因が混じっている(混合型)
治療法
痛風発作が起きないように食事、運動療法、必要なときには薬物治療を行っていくことが必要です。
痛風発作時には発作治療の薬を使います。
- コルヒチン
発作の前兆の時期(患部がむずむずしたり腫れたりする時期)に使用します。
発作の極期にしようすると効果は乏しいと言われています。 - NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)
急性炎症である痛風関節炎治療の中心薬剤です。軽快すれば投与は中止します。 - ステロイド
NSAIDが使えない場合や、NSAIDが無効な場合に使用します。- 痛風発作中に尿酸値が変動すると痛みがさらに強まると言われています。発作中、 尿酸値を下げる薬を飲んでいる人はそのまま服用を続け、飲んでいない人は発作がおさまってから飲み始め、発作中に尿酸降下薬を開始しないことを原則としています。
尿酸高値が続くと腎臓に尿酸が沈着し腎障害(痛風腎)が進むことがあります。
- 痛風発作中に尿酸値が変動すると痛みがさらに強まると言われています。発作中、 尿酸値を下げる薬を飲んでいる人はそのまま服用を続け、飲んでいない人は発作がおさまってから飲み始め、発作中に尿酸降下薬を開始しないことを原則としています。
尿酸値のコントロールを行い、定期的な血液検査により腎機能障害の程度も確認していきます。
尿酸値が高い方は肥満を合併し高血圧、高脂血症、糖尿病などの他の生活習慣病と一緒になって動脈硬化が促進され、心血管障害(狭心症や心筋梗塞)、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)の危険性が高くなります。このため、血圧、脂質、血糖値などを全般的に改善しながら血清尿酸値を下げることが大事になります。
尿酸は尿中に溶けて排出されます。ところが尿が酸性になっていると尿酸が溶けずに析出して尿路結石が起こりやすくなります。尿が中性になると尿酸が尿に溶けやすい状態になります。尿酸値が高い方は尿が酸性になっていることが多いので、尿検査で尿のpHを確認し、酸性に傾いているようであれば、尿をアルカリ化する薬を使用します。
水分を多くとって尿量を多くすることも大事になります。この場合には水やお茶をこまめにとって尿量を1日2L以上にすることがよいとされています。ただし、水分制限が必要な方はよく相談をしてください。
- 痛風発作の予防や合併症の予防を考慮して高尿酸血症・痛風治療の時の尿酸値の目標は6mg/dl以下に維持することが望ましいとされています。
誘因
痛風の誘因としては、以下のものが考えられています。
- 食べ過ぎ(高エネルギー食、動物性食品)
- アルコールの飲み過ぎ
- 肥満
- ストレス
- その他二次性のもの(他の病気や、薬の副作用)
細胞の新陳代謝の時にできる老廃物が尿酸であり、体内ではプリン体という物質から作られます。
このためプリン体を多く含む食品を避けることが大事になります。