
便潜血(べんせんけつ)検査って?
便潜血検査とは便の中に血液があるか調べる検査です。
普通は便の中に血液は混ざっていないため陰性(-)ですが、血液があると陽性(+)になります。
消化管に異常がある(出血している)ことが見込まれ、精密検査・治療が必要となります。
そしてよくやる間違いは「もう一度、便潜血反応を見てもらって陰性ならば良しとする」です。
便潜血が陽性だった場合は必ず、内視鏡検査(大腸カメラ)を受けましょう。
便潜血検査で引っかかったら?
引っかかった方は精密検査を受けましょう。
精密検査は大腸内視鏡が行われます。
約4割の方が精密検査を受けていない!?
大腸がん検診での便潜血検査は、陽性の方の精密検査受診率が約6割と言われています。
他のがん検診の場合、精密検査受診率は約8割ですので、大腸がん検診は精密検査受診率が低く、
問題となっています。
「痔があるからそのせいだ」、「生理中だった」、「以前も引っかかって精密検査を受けたが問題なかった」などの
理由で精密検査を受けない方がいますが、これらの理由は大腸に問題が無い事の根拠にはなりません。
痔があっても精密検査は推奨されます。
生理中だった場合は再検査が検討されます。
迷われている場合や、分からない場合、ご自身で判断されずに、医師と相談する事をお勧めします。
一回だけ陽性でも精密検査が必要?
便潜血検査を2回行い、陽性結果は1回しか出なかった、という方も当然ですが注意が必要です。
便潜血検査は完璧な検査ではないため、大腸がんがあっても引っかからない事があります。
そこで、発見率を上げるために2日間連続で採便する「2日法」が広く普及しています。
そのため1回でも陽性であれば「異常」ですので、速やかに内視鏡クリニックに受診をする必要があります。
どんな病気が考えられますか?
大腸がん、大腸ポリープ、大腸憩室、痔、腸炎などが考えられます。
大腸がんや大腸ポリープが便とこすれて出血し、その血液が便中に潜んでいる可能性が考えられます。
痔がある方でも、便潜血が陽性となる可能性はあります。
但し、
「痔は便潜血検査の結果には、
ほとんど影響しない」
という報告もあります。
「大腸がんの出血は便に練り込まれるが、
痔の出血は便に付着するだけだから」
というのがその理由です。
大腸がんに関しては、精密検査を受けた方の約3%に見つかっています。

あまり高い確率ではないと感じるかもしれませんが、大腸がんは命に関わる病気です。
一方で、早い段階で見つかれば、内視鏡治療で根治する事も可能です。
手遅れになる前に精密検査を受けましょう!
がんによる死亡率は、年々増加しており、1981年以降、日本人の死亡原因の第1位を占めています。
大腸がんは、かかる人、亡くなる人、ともに年々増加しており、肺がんに続き、死因の第2位となっています。