過敏性腸症候群の原因となる食事
それが “FODMAP食” です。
FODMAP(フォドマップ)って何?

そもそもFODMAPとは、小腸内で消化・吸収されにくい糖類の略称で、
Fermentable(発酵性)、
Oligosaccharides(オリゴ糖)、
Disaccharides(二糖類)、
Monosaccharides(単糖類)、
Polyols(ポリオール)
の頭文字から付けられたものです。
食品中に含まれるFODMAPは小腸で吸収されず、大腸で急速に発酵されるため、
おなかが張る、ゴロゴロするなど不調を引き起こしやすいとされています。
高FODMAPの食品は取り過ぎると腹痛、下痢、便秘などを引き起こします。
そして多量のガスを発生させ腹部膨満感の原因となります。
つまり、今まで「腸活」と言うように腸にいいと考えられてきた食べ物が
逆効果になることがあるということです。
FODMAPは小腸で分解吸収されにくく、
大腸で腸内細菌により発酵分解されて水素ガスやメタンガスを発生させます。
さらに高浸透圧性のため腸の中に水分を引き込む特徴があります。
その結果、FODMAPが多い食べ物を摂ると
お腹が張りやすくなる、下痢になりやすくなるなどの
過敏性腸症候群の症状がでやすくなります。
★FODMAPを多く含む代表的な食品
*オリゴ糖:小麦、玉葱、ニンニク、大豆(納豆)、レンズ豆、ひよこ豆などの豆類、キムチ
*二糖類:牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム
*単糖類:ハチミツ、一部の果物(りんご、もも、すいかなど)牛乳、ヨーグルト
*ポリオール:人工甘味料(ソルビトール、キシリトールなど)、マッシュルーム、キノコ類
※FODMAPが少ない代表的な食品
バナナ、人参、じゃがいも、米、豆腐
低フォドマップ食を実践することにより、
50-80%の過敏性腸症候群の患者さんが下痢や腹痛といった消化器症状が改善し、
生活の質(QOL)が向上することが明らかにされています。
一方、低フォドマップ食は食品の選択の幅を制限してしまうため、
栄養不足になるリスクや腸内細菌への影響などの懸念されています。
★過敏性腸症候群は予防できるのでしょうか?

過敏性腸症候群になりやすい原因(危険因子)としては、
ストレス、うつの傾向、身体の異常を気にし過ぎる傾向、喫煙があります。
睡眠を十分にとり、規則正しい生活を心がけるとよいでしょう。
お酒・タバコに頼らない、自分に合ったリラクセーション法を実践しましょう。
食事の工夫、運動、乳酸菌の摂取なども予防に役立つ可能性があります。
IBSの症状で困ったときには、かかりつけ医や内科クリニックにまず相談してください。
内視鏡検査が必要な場合は、消化器内科で検査することになります。
また、ストレスの影響が強いときや気持ちが不安定な場合は心療内科を受診してください。