便潜血とは
便潜血陽性とは、採取していただいた便の中に、血液が混じっている状態のことを言います。
大腸がんや大腸ポリープが便とこすれて出血し、その血液が便中に潜んでいる可能性が考えられます。痔がある方や炎症性の腸疾患でも、便潜血が陽性となる可能性はあります。便潜血検査を1万人が受けたとき、665人が便潜血陽性と判断され、そのうち19人の人が大腸がんと診断されると報告されています。(日本医師会ホームページより)
つまり陽性の人でも95%以上はがんではないのです。しかし「95%以上が問題ないなら、自分もきっと大丈夫だろう」と考えて何もしないのは禁物です。大腸がんは症状がないごく早期のうちに発見し適切な治療を受ければ100%に近い確率で治りますが、放置すれば、治るはずのがんを進行させることになりかねません。便潜血検査で陽性の人が精密検査を受けた場合、受けなかった人より生存率が平均5倍も高いという研究結果もあります。大腸がんは、かかる人、亡くなる人、ともに年々増加しており、肺がんに続き、死因の第2位となっています。ですので、早期発見、早期治療が大切になります。
そして、便潜血陽性が出た時には、必ず大腸カメラを受けましょう。便潜血検査で1回でも陽性なら、大腸カメラを受けておきましょう。医師によってはもう一度便潜血検査をして陰性なら経過観察をすることもあるようですが、基本的にはその方針はお勧めできません。便潜血反応による大腸癌検出率は,進行癌で60~75%、早期癌で30~40%であり、2日間連続検査法を行うことで10~15%程度検出率が改善するとされています。つまり、進行大腸がんでも10~20%が陰性と、早期大腸がんにいたっては約50%が陰性になるというデータがあります。
すなわち『便潜血検査が陰性だからと大腸がんがないとはいい切れない』ということです。
そのため初期の段階で確実に見つけるのには、大腸内視鏡検査による精密検査を行う必要があります。