最近では肥満は大腸がんのリスクになるということが言われています。
肥満判定基準である肥満指数=BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)ですが、
日本人ではBMI 25以上が肥満と定義されています。
たとえば身長1m65cm、体重60㎏の人では、BMI=60÷1.65÷1.65=22.03となります。
標準が18.5以上25未満ですので、この人は標準体重です。
国立がん研究センターなどの研究グループによると、
BMIが1増えると大腸がんのリスクは7%増加するそうです。
とくに「内臓脂肪型肥満」がよくないそうです。
◆内臓脂肪型肥満
腹腔内の腸のまわりに脂肪が過剰に蓄積しているという肥満のタイプです。
比較的男性に多くみられるタイプで、
この内臓脂肪型肥満も大腸癌のリスクにつながるとされています。
分かりやすい目安としては、ウエストが2㎝増えると大腸癌のリスクが 4%増加する
と言われているとのことです。
『肥満になると大腸がんが増加する』ことについては複数の因子が関与するそうですが、
脂肪細胞から分泌される「レプチン」というホルモンが関係しているとも言われています。
血液中のレプチン濃度が上昇するほど大腸癌を罹った人の割合が増加する
傾向があるとのことです。
また肥満により糖尿病を発症すると、高血糖の状態となり血糖値を下げるインスリンホルモン
の分泌が過剰になり、高インスリン血症という状態を引き起こし、癌細胞を増殖させる原因と
考えられています。
そのため、高インスリン血症という状態を引き起こす糖尿病患者は、
欧米のデータでは大腸癌のリスクを43%も増加させたという報告もあるそうです。
太り気味の人、糖尿病を患っている人などは、食事や運動などの生活スタイルを改善し、
男性はBMI21~27、女性は21~25の範囲に体重を維持しましょう。
大腸がんは早期発見・治療すれば、
5年生存率(病気が見つかってから5年間の生存率)が、90%を超える病気です。
早期発見すれば、治る可能性が十分期待できます。
癌になってしまうその前に大腸内視鏡検査で大腸癌の元である大腸ポリープを切除
してしまうことがとても大切です。